前日24日の米国株式市場は続伸。イスラエル・イラン停戦合意で中東情勢の改善を期待した買いがひろがったほか、長期的な中東、世界の地政学的リスクが低下したとの楽観的見方が広がり一段高となった。連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が早期利下げの可能性にも言及。原油安でインフレ懸念も後退、金利安を好感し、相場は終日堅調に推移した。米国市場を横目に、本日の日経平均は113.62円高の38904.18円と続伸して取引を開始した。その後は前日終値付近でもみ合うと、前場はマイナス圏に転落する場面が見られた。ただ、後場に入るとプラス圏に再度浮上してじりじりと上げ幅を広げて本日高値付近で取引を終了した。昨日の米株式市場で主要指数が上昇したことが東京市場の株価の支えとなり、米長期金利が低下したことも安心感が台頭、半導体関連株中心に底堅く推移した。一方、中東情勢の緊張緩和への期待は東京市場では昨日すでに織り込まれており、改めて手掛かり材料にはなりにくく、節目の3万9000円を前に上値の重さがうかがえた。
大引けの日経平均は前日比151.51円高の38942.07円となった。東証プライム市場の売買高は15億8250万株、売買代金は4兆2028億円だった。業種別では、その他製品、電気機器、化学などが値上がり率上位、電気・ガス業、精密機器、パルプ・紙などが値下がり率上位に並んでいる。東証プライム市場の値上がり銘柄は45.3%、対して値下がり銘柄は50.3%となっている。
個別では、アドバンテや東エレク、レーザーテックなどの半導体関連株が堅調に推移。また、キオクシアホールディングス、フジクラ、任天堂、サンリオ、川崎重工業、ソニーグループ、日立などが上昇した。ほか、固定資産の売却で最終益を上方修正した黒崎播磨が大幅高、アドバンスクリエイト、中国塗料、武蔵精密工業などが値上がり率上位となった。
一方、三菱重工業やIHIなど一部の防衛関連が軟調に推移。また、ファーストリテ、ソフトバンクグループ、三井住友FG、キーエンス、トヨタ自動車、古河電工などが下落した。ほか、FDAの輸入警告発表を嫌気されたオリンパスが急落、リズム、双葉電子工業、東プレなどが値下がり率上位となった。