[日経平均株価・TOPIX(表)]
日経平均;39542.07;-45.61
TOPIX;2806.37;-5.35
[寄り付き概況]
8日の日経平均は45.61円安の39542.07円と続落して取引を開始した。前日7日の米国株式市場は反落。ダウ平均は422.17ドル安の44406.36ドル、ナスダックは188.58ポイント安の20412.52で取引を終了した。トランプ政権の相互関税上乗せ分停止期限が迫る中、警戒感に寄り付き後、下落。その後も売りが先行する中、昼にかけトランプ大統領が日本や韓国に対し25%関税を8月1日から賦課することを発表し、売りが加速し一段安となった。公開された関税文書で南アフリカやマレーシアなどへの関税も明らかになると、下げ幅を拡大。同時に、交渉期限も延長されたため警戒感が緩和し終盤にかけ下げ止まり、終了した。
今日の東京株式市場は、やや売りが先行した。米関税政策の不透明感から昨日の米株式市場で主要指数が下落したことが東京市場の株価の重しとなった。また、海外市場で米長期金利が上昇したことも投資家心理を慎重にさせた。さらに、今週はETF(上場投資信託)の分配金捻出売りが出ることが予想されており、これを警戒する向きもあった。一方、トランプ米大統領が日本に対し8月1日から25%の関税をかけると通告したが、関税交渉の期限を7月9日から8月1日に延期するための大統領令に署名したことから、今後の交渉進展への期待感が株価を支えた。また、外為市場で1ドル=145円90銭台と、昨日15時30分頃と比べ90銭ほど円安・ドル高に振れたことが輸出株などの株価支援要因となった。さらに、今週は国内企業の3-5月期決算発表が増えることから、好業績・好決算銘柄への物色意欲が株価下支え要因となるとの見方もあり、寄り後、日経平均は上げに転じた。なお、取引開始前に発表された5月の国際収支状況(速報)によると、経常収支は3兆4364億円の黒字。QUICKがまとめた民間予測の中央値は2兆9380億円の黒字だった。
セクター別では、保険業、その他製品、電気・ガス業、医薬品、銀行業などが値下がり率上位、非鉄金属、サービス業、精密機器、鉱業、卸売業などが値上がり率上位に並んでいる。東証プライムの売買代金上位では、富士通、パナHD、任天堂、東京海上、ソフトバンクG、りそなHD、ルネサス、東電力HD、良品計画、キヤノン、第一三共、IHIなどが下落。他方、住友ファーマ、オムロン、古河電工、住友電工、リクルートHD、フジクラ、HOYA、ダイキン、F&LC、SMC、伊藤忠、日立、アシックス、コマツ、アドバンテストなどが上昇している。