前日8日の米国株式市場はまちまち。トランプ大統領が新たに設定した上乗せ関税分の猶予期限8月1日の延長を認めない方針を示したため警戒感が広がり相場の売り圧力が強まった。また、関税を巡る不透明感にダウは終盤にかけて、売りが加速した。ナスダックは人工知能(AI)関連の強い需要期待が根強く下値を支え、かろうじてプラス圏を回復し、主要指数は高安まちまちで終了した。米株市場を横目に、本日の日経平均は続伸して取引を開始した。ただ、朝方の買い一巡後は売り手優位の状況となり指数も上げ幅を縮小。早い段階でマイナス圏に転落した後は前日終値付近まで値を戻し、後場には再度プラス圏に浮上したが、1日を通して方向感に欠ける展開となった。外為市場で引き続き円安・ドル高水準で推移していることが輸出株などの下支えとなったが、トランプ米政権の関税政策の不透明感が引き続き株価の重しとなった。また、国内では参院選を控える中、市場には積極的に買い進む材料が乏しい。ETF(上場投資信託)の分配金捻出売りが出ることが一部で警戒されており、心理的節目の4万円を手前に上げ幅は限定的だった。
大引けの日経平均は前日比132.47円高の39821.28円となった。東証プライム市場の売買高は19億8921万株、売買代金は4兆2947億円だった。業種別では、石油・石炭製品、鉱業、その他金融業が上昇する一方で、非鉄金属、機械、電気・ガス業が下落した。東証プライム市場の値上がり銘柄は77.4%、対して値下がり銘柄は19.3%となっている。
個別では、三菱UFJFGや三井住友FGなどの金融株などが堅調に推移。また、アドバンテ、ソフトバンクグループ、トヨタ自動車、レーザーテック、オムロン、ホンダなどが上昇した。ほか、アクレオン社とライセンス契約を締結したJCRファーマが大幅高、GMOインターネット、パルグループHD、テスホールディングスなどが値上がり率上位となった。
一方、東エレクやディスコなど一部の半導体関連株が軟調に推移。また、任天堂、東京海上HD、ファーストリテ、フジクラ、三菱重工業、良品計画などが下落した。ほか、前期業績の下振れ着地をマイナス視されたハニーズHDが大幅安、西武ホールディングス、アイル、日置電機などが値下がり率上位となった。