日経平均は反落。210.67円安の39610.61円(出来高概算8億3365万株)で前場の取引を終えている。
前日9日の米国株式市場は上昇。ダウ平均は217.54ドル高の44458.30ドル、ナスダックは192.88ポイント高の20611.34で取引を終了した。トランプ大統領が新たに設定した相互関税の一時停止期間の期限を巡り、「延長は認めない」としていたが柔軟な姿勢も示したため安心感が広がった。半導体のエヌビディア(NVDA)の上昇がけん引し、相場は終日堅調に推移した。国内の10年債入札結果や連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて、長期金利が低下し、終盤にかけて上げ幅を拡大。ナスダックは史上最高値を更新した。
米株市場を横目に、本日の日経平均は25.53円安の39795.75円と3日ぶり反落して取引を開始した。その後下げ幅を広げた後は、39600円付近でもみ合う展開となった。外為市場で昨日大引け時点より円高・ドル安に振れたことが東京市場の輸出株などの株価の重しとなった。また、米トランプ政権の関税政策の不透明感が引き続き投資家心理を重くするなか、節目の4万円を意識した上値の重い展開となった。
個別では、三菱UFJや三井住友などの一部の金融株が軟調に推移。また、任天堂、東エレク、レーザーテック、日立、ソニーグループ、トヨタ自動車などが下落した。ほか、業績上方修正も市場予想に届かず出尽くし感優勢となったSHIFTが大幅安、キオクシアホールディングス、ニコン、イオンなどが値下がり率上位となった。
一方、アドバンテやディスコなどの一部の半導体関連株が堅調に推移。また、フジクラ、IHI、川崎重工業、ソフトバンクグループ、楽天グループ、ソシオネクストなどが堅調に推移した。ほか、第1四半期は想定以上の大幅増益となった古野電気が大幅高、GMOインターネット、WOWOW、ラクト・ジャパンなどが値上がり率上位となった。
業種別では、石油・石炭製品、鉱業、その他製品などが下落する一方で、パルプ・紙、証券・商品先物取引業、倉庫・運輸関連業などが上昇した。
後場の日経平均株価は、軟調もみ合い展開が継続か。東証33業種中29業種が下落するなど、幅広い銘柄が軟調に推移しており、市場には積極的に買い進む材料が乏しい。20日の参議院選挙に対する懸念も投資家心理の重しとなっているとの指摘もあった。ただ、ここから国内企業の3-5月期決算発表が増えることから、好業績・好決算企業への物色意欲が株価下支え要因になるとの見方もあるため、下げ幅を広げる展開も想定しにくい。