前日9日の米国株式市場は上昇。トランプ大統領が新たに設定した相互関税の一時停止期間の期限を巡り、「延長は認めない」としていたが柔軟な姿勢も示したため安心感が広がった。半導体のエヌビディア(NVDA)の上昇がけん引し、相場は終日堅調に推移した。国内の10年債入札結果や連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて、長期金利が低下し、終盤にかけて上げ幅を拡大。ナスダックは史上最高値を更新した。米株市場を横目に、本日の日経平均は3日ぶり反落して取引を開始した。その後下げ幅を広げた後は、39600円を挟んでの軟調もみ合い展開となった。外為市場で昨日大引け時点より円高・ドル安に振れたことが東京市場の輸出株などの株価の重しとなったほか、米トランプ政権の関税政策の不透明感が引き続き投資家心理を重くするなか、節目の4万円を意識した利食い売りも優勢となった。また、市場には積極的に買い進む材料が乏しく、20日の参議院選挙に対する懸念も投資家心理の重しとなっているとの指摘もあった。
大引けの日経平均は前日比174.92円安の39646.36円となった。東証プライム市場の売買高は20億184万株、売買代金は4兆7738億円だった。業種別では、電気・ガス業、その他製品、石油・石炭製品などが下落する一方で、証券・商品先物取引業、精密機器、建設業などが上昇した。東証プライム市場の値上がり銘柄は32.1%、対して値下がり銘柄は63.9%となっている。
個別では、三菱UFJFGや三井住友FGなどの一部の金融株が軟調に推移。また、任天堂、東エレク、レーザーテック、日立、ファーストリテ、ソニーグループ、トヨタ自動車などが下落した。ほか、業績上方修正も市場予想に届かず出尽くし感優勢となったSHIFTが大幅安、ウイングアーク1st、ユニオンツール、イオンフィナンシャルサービスなどが値下がり率上位となった。
一方、アドバンテやディスコなどの一部の半導体関連株が堅調に推移。また、フジクラ、サンリオ、IHI、川崎重工業、ソフトバンクグループ、楽天グループ、ソシオネクストなどが堅調に推移した。ほか、第1四半期は想定以上の大幅増益となった古野電気が大幅高、GMOインターネット、WOWOW、コシダカホールディングスなどが値上がり率上位となった。