30日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■決算を手掛かりとした日替わり的な動き
■アドバンテス、26/3上方修正 営業利益3000億円←2420億円
■前場の注目材料:富士電機、来年度6インチ生産1.5倍、SiCパワー半導体
■決算を手掛かりとした日替わり的な動き
30日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開になりそうだ。29日の米国市場はNYダウが204ドル安、ナスダックは80ポイント安だった。ユナイテッドヘルス・グループなどの予想を下回る決算が重荷になった。JOLT求人件数が予想を下回ったほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を控えた警戒感も持ち高調整の売りに向かわせており、終日軟調に推移した。シカゴ日経225先物は大阪比170円安の40640円。円相場は1ドル=148円40銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売りか先行して始まりそうだ。市場の関心はFOMCや日銀の金融政策決定会合に向かうなかで、結果を見極めたいとする様子見ムードが強まりやすいだろう。また、日米ともに主要企業の決算発表が本格化しており、決算内容に振らされやすい需給状況でもあるため、積極的な売買は手控えられやすいだろう。週末には米雇用統計の発表を控えていることも手掛けにくくさせる。
なお、昨夕に決算を発表したアドバンテストは、通期計画を上方修正しており、ADR(米国預託証券)では5%ほど上昇している。直近で大幅な調整をみせていたこともあり、強いリバウンドをみせてくるようだと、センチメントを明るくさせそうだ。一方で、自律反発の域を脱せないようだと、先物主導で売り仕掛け的な動きをみせてくる可能性はありそうだ。足もとではハイテク企業の格下げの動きも目立ってきており、神経質にさせてくるだろう。
日経平均株価は前日の下げでボリンジャーバンドの+1σ(40712円)を下回ってきた。早い段階で同バンドを上回ってこないと、25日線に接近する局面もありそうだ。指数インパクトの大きい値がさハイテク株や先物の動向を睨みながらの展開になりそうである。
物色は決算を手掛かりとした個別対応になると考えられ、昨夕決算を発表したところでは、野村、NEC、SCSK、JR東海、PI、大井電気、Aiming、サイバートラスト、イントラスト、日瓦斯、GenkyDrugStoresなどが注目されそうだ。
■アドバンテス、26/3上方修正 営業利益3000億円←2420億円
アドバンテスは2026年3月期業績予想の修正を発表。営業利益を2420億円から3000億円に上方修正した。コンセンサス(290億円程度)を上回る。AI関連用途以外の需要回復には依然として時間を要するものの、AI関連向け半導体のさらなる複雑化、需要拡大などを背景に、高水準なテスタ需要は期初想定を上回るペースで増加している。
■前場の注目材料
・SOX指数は上昇(5739.79、+2.69)
・米原油先物相場は上昇(69.21、+2.50)
・米長期金利は低下
・活発な自社株買い
・東証による企業価値向上の要請
・富士電機来年度6インチ生産1.5倍、SiCパワー半導体
・旭化成宮崎・延岡に新工場、フィルター糸生産
・みずほFGUPSIDERを子会社化、中小・新興に資金供給
・プレス工業タイに新ライン、フレーム年産能力2万台
・ACSL長距離ドローン10月量産、マルチユース型の受注開始
・TDK車載用インダクター量産、基板実装面積60%削減
・ソフトバンク量子計算機で5G基地局の設定最適化、実証成功
・パナソニックHDベトナムでエアコン攻勢、来年度に中価格帯、30年度めどシェア40%
・FDK水素貯蔵量20%増、合金、10月以降量産
・東京ガス大規模水素利用の一歩、「川崎→都心」導管敷設を検討
・JX金属インジウムリン基板を2割増産、来年度からDC向け
・セントラル硝子宇部増強、半導体エッチングガス増産、クライオ技術に対応
・日本ゼオン稼ぐ力を強化、電力貯蔵向け電池材料拡販
・FRONTEO米オクラホマ大学と、がん創薬で共同研究、未充足ニーズ狙う
・ニプロ骨髄由来幹細胞でALS治験開始
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・特になし
<海外>
・10:30 豪・6月消費者物価指数(予想:前年比+2.1%、5月:+2.1%)