■グロース市場指数は年初来高値更新
今週の新興市場は小動き。同時期の騰落率は、日経平均が-1.58%だったのに対して、グロース市場指数は+0.24%、グロース市場250指数は-0.00%。日経平均は半導体株の下落が重荷となった。半面、グロース市場指数は7月28日に6月18日以来の年初来高値を更新。その後軟化したが、週半ば以降の上昇でプラス圏を回復。グロース250指数はほぼ変わらず。時価総額が大きい銘柄で構成されているグロース市場コア指数は、週間ベースで+0.96%だった。
時価総額上位銘柄では、コンヴァノの週間上昇率が40%を超えた。31日に26年3月期通期の営業利益予想を上方修正した。あわせてLG Chemとの業務提携契約締結を発表したことも材料視された。グローバルセキュリティエキスパートは30日、26年3月期第1四半期の営業利益が、1Qとして過去最高益を更新したことを好感。FRONTEOは、「株主支配ネットワーク解析ソリューション」に、非上場企業のデータを追加搭載したとの発表が材料視された。一方、新株予約権発行を発表したSynspectiveのほか、QPS研究所、アストロスケールホールディングス、データセクションの下げが目立った。
その他、イメージ情報開発が連日でストップ高を交えての上昇で投機資金が流入。フューチャーリンクネットワークは、地域情報特化型AIエージェントの有料導入実績が、全国販売開始から約3カ月で1000店舗を突破したとの発表を受けて急伸した。
今週のIPOは、山忠が29日に名証メインに上場し、公開価格と同値の2600円で初値を付けた。
■内需系の中小型株に資金がシフトしやすい
来週の新興市場は、決算発表がピークを迎える中、好決算銘柄を中心とした個別物色が続きそうだ。日経225先物はナイトセッションで急落し、節目の4万円を割り込んでいるため、主力大型株には売り圧力が強まることが見込まれ、リスク回避的にも内需系の中小型株に資金がシフトしやすいと考えられる。日米の新たな関税措置は8月7日に発動するため、改めて企業への影響を見極めたいことも主要銘柄の売買を手控えさせそうだ。
決算については、8月1日の引け後に発表したコラボスは、26年3月期第1四半期の営業損益が黒字に転換したほか、第2四半期の業績予想を上方修正した。ユニフォームネクストの25年12月期第2四半期営業利益は、27.8%増の2.79億円と順調な進捗。delyは、26年3月期第1四半期のNon-GAAP営業利益が前年同期比8.5%減となったが、前四半期比では大幅な増益だった。
そのほか、来週予定されている決算は、4日にJIG-SAW、HENNGE、5日にBASE、フォースタートアップス、6日にスパイダープラス、カルナバイオサイエンス、7日にNexTone、ステラファーマ、イメージ情報開発、タスキホールディングス、8日にispace、セーフィー、QDレーザなどが発表する。
なお、来週はIPOが予定されていない。