株式会社LIFE CREATE
設立:2008年4月
事業内容:loIve事業(女性専用ホットヨガスタジオ)/Surf Fit事業(サーフエクササイズスタジオ)/pilates K事業(マシンピラティス専門スタジオ)/REDY’S GYM事業(グループマシン筋トレスタジオ)/NOBEE STRETCH事業(ストレッチ&筋トレスタジオ)
IPO情報
■吸収金額 約47.9億円
■業績の伸びの推移
■株主構成およびロックアップ
質疑応答:起業時の思いと上場にあたっての思いについて
質問者:前川社長は20代で起業されたとのことですが、起業時の思いと、今日上場にあたっての思いをそれぞれ教えていただけますか?
前川彩香氏(以下、前川):1号店を始めた時は、友人たちが自分の人生を見失っていたり、自信がなかったり、あまり良い状態ではありませんでした。彼女たちが自分自身を輝ける場所、自信を持てる場所を作りたいという思いから1号店を起業しました。
その思いがお客さまに伝わり、お客さまの人生も大きく変化しました。だからこそ、私たちはこれを日本を変える力にしたい、女性の自己肯定感を高めていこうという思いで1号店をスタートしました。
上場をしましたが、今もその思いは変わりません。より発信力を高め、日本を変えていく力になるという思いで、社員全員でその思いを伝えていきたいと思っています。
質疑応答:上場のタイミングについて
質問者:コロナ禍を経験されて、いろいろなフィットネス企業が上場する中で、なぜこのタイミングで上場されたのか、その思いをお聞かせください。
前川:実はコロナ禍の前に上場しようとしていたのですが、準備をしている最中にコロナ禍が来てしまったというかたちです。結果的にコロナ禍が落ち着き、成長期ということもあり、資金調達をするということも含めて、このタイミングでの上場となりました。
質疑応答:集客面における独自の取り組みについて
質問者:非常に高い成長率で、利益率もすばらしい水準で、その成長の裏側には新規出店に対する投資回収の早さがある一方で、会員がつかないとお店も回らないという面もあると思います。女性に特化しているため口コミで広がりやすいということもあるかもしれませんが、集客面において独自の取り組みがあれば教えてください。
前川:ホットヨガで64店舗出店してきたので、過去のデータからどこにどれくらいの規模で出店すればどれくらい会員が集まるかといったデータを読み取ることができます。
また、ピラティス市場は拡大しているので、出店すればある程度お客さまが集まります。他の会社もできるのでは、と思われるかもしれませんが、やはりエリアを離れて出店しても、人がついてくるかというと、それはなかなかできないんですね。
ニーズのある場所に全国展開できる、それが人の力であり、当社の強みです。出店すること自体が集客につながります。また、エンゲージメントの高い社員がいるため、来店されたお客さまをしっかりと捕まえ、高い入会率を実現しています。さらに高いクオリティを提供することで継続率を高め、売上の安定、そして利益につながっています。
質疑応答:市場トレンドとの向き合い方について
質問者:流行に左右されるところもあるかと思いますが、対策などがあれば教えてください。
前川:ヨガは数百年、あるいは1,000年もの歴史があります。ピラティスも実は200年ほどの歴史があるんです。そのため、これらはトレンドというよりも文化として根付いているところが大きいと思います。
ホットヨガは日本で20年ほど経ちますが、会員数は横ばいながらも維持できています。そのため、文化として定着していると考えています。ピラティスも同じように200年前からあるエクササイズなので、もちろん今はマシンピラティスによる市場が拡大していますが、ホットヨガと同じように息の長いエクササイズになると思っています。
質疑応答:資金の使い道について
質問者:調達した資金の使い道ですが、出店戦略と物販に充てるということでよろしいですか?
前川:はい、そうです。
質問者:差し支えなければ、どのくらいの規模まで考えているかを教えていただけますか?
清水敬太氏(以下、清水):前年度は47店舗出店し、うち45店舗がPILATES K(ピラティスK)でした。このペースをプラスアルファで、まず数年間は継続していきたいと考えています。具体的な店舗数は5月の決算発表でガイダンスを出しますが、イメージとしては45店舗を50店舗以上に増やし、他のブランドも少し出店していくことをベースに、何年か継続していく予定です。
また、今トライしているシニア向けのブランドなどがうまくいけば、そこにも出店していくかもしれません。
質疑応答:新規事業について
質問者:新規事業の2つについておうかがいしたいです。
前川:メインターゲットはF1、F2層です。シニア事業はF3層向けで、お客さまは主に女性ですが、タッチポイントから長く当社のスタジオを利用していただけるよう、F3層向けブランドを伸ばしていきたいと考えています。
また、当社の社員の99パーセントは女性で、結婚や出産後もシニア事業で活躍できる場を提供することでELTVも上げていきたいと考えており、そのための事業としても位置付けています。
レディースジムに関して、パーソナルトレーニングは高額なので、誰でも簡単にグループで最後までやりきれる筋トレを、高額でパーソナルジムに通えない人たちに利用していただけるようにと考えています。
質疑応答:出店戦略について
質問者:成長の一番の原動力は出店の強化だと思います。今のところすべて直営とのことですが、他の方法で出店スピードを上げるお考えはありますか?
前川:フランチャイズは今のところまったく考えていません。直営でフランチャイズ並みの出店数を実現できること、つまり採用力と人材育成力、資金調達力があることが私たちの強みです。利益率の観点からも直営が良いと考えています。
加速できる力を持っているため、FCは行いません。正社員として運営することでクオリティを担保できるため、基本的には直営で続けていきたいと思っています。
質問者:首都圏に加えて地方都市の路面店やモール型店舗が強みになると思いますが、どのようなかたちで出店を考えていますか?
前川:路面店とモール型店舗については、実はホットヨガですでに実施しています。イオンやドンキホーテ、ゆめタウンなど、さまざまなモールに出店しており、実績と集客ノウハウがあります。それを今度はPILATES Kにも展開していく予定です。
質疑応答:次世代の女性経営者に伝えたいことについて
質問者:女性経営者として上場されていろいろ表彰もされている中で、苦労されたことや、今後の女性経営者へのメッセージなどがあればお願いします。
前川:実は女性経営者として苦労したことはまったくありません。むしろ注目していただけることもありました。私たちは「自分を愛し輝く女性を作る」というパーパスを掲げ、女性向けのフィットネスを提供しています。私が女性であることが、サービスのアイデアや、子育てをしながら働く社員への配慮など、さまざまな発見につながっています。また、全体的に見て女性経営者であることは有利に働いてきたと感じています。
これからも女性経営者として、若い方がどんどん出てきてほしいと思っています。大きなスケールで夢を描いてほしい。それを実現できる環境は日本にあると思うので、スケールの大きな女性経営者がどんどん出てきてほしいと思っています。
質疑応答:上場時の市況と公開価格について
質問者:トランプ政権で株価が荒れている中、公開価格が若干上回りましたが、ご感想をうかがいできますか。
清水:難しい局面であることは事実です。しかし、基本的には当社の事業の本質的な強みや将来の成長性を高く評価していただいています。しっかりと投資家の方々と話し合った上で、マーケットに配慮して当初の想定価格からは少し下げさせていただきました。当社の強みが毀損されない範囲で配慮した結果、上限でプライシングでき、本日それを上回る初値をつけることができました。マーケットと良い対話ができたと思っています。