8日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は小幅続伸、円安進行と過熱感警戒で売り買い交錯
・ドル・円は堅調、円売り主導で
・値上がり寄与トップはアドバンテスト、同2位はフジクラ
■日経平均は小幅続伸、円安進行と過熱感警戒で売り買い交錯
日経平均は小幅続伸。14.41円高の47965.29円(出来高概算10億5147万株)で前場の取引を終えている。
前日の米国株式市場は下落。ダウ平均は91.99ドル安の46602.98ドル、ナスダックは153.31ポイント安の22788.36で取引を終了した。相場に楽観的な見方に、寄り付き後、上昇。しかし、オラクルの下落が嫌気されさらに人工知能(AI)バブル警戒感が高まり、相場は下落に転じた。その後も終日軟調に推移し、終了。
米株式市場の動向を横目に、8日の日経平均は25.66円安の47925.22円と反落して取引を開始。その後は買い戻しの動きが広がったが、上げ幅は限定的で小幅高で前場の取引を終了した。日経平均は昨日までの4日続伸で3400円上昇し、高値警戒感が強まっており、短期的な利益確定売りが出やすかった。一方で、為替の円安傾向や先物買いの流れも支えとなり、全体として底堅さが意識されやすい状況となった
個別では、フジクラ、アドテスト、第一三共、コナミG、リクルート、東京海上、ソニーG、日東電、三菱重、トヨタ、三菱商、伊藤忠、日本取引所、IHI、アサヒなどの銘柄が上昇。
一方、SBG、東エレク、信越化、KDDI、富士フイルム、ダイキン、SMC、ディスコ、キーエンス、オリンパス、レーザーテク、ブリヂストン、テルモ、ローム、HOYAなどの銘柄が下落。
業種別では、水産・農林業、保険業、銀行業などが上昇した一方で、ゴム製品、化学、精密機器などが下落した。
後場の日経平均株価は、方向感に乏しい展開となる可能性が高い。高市早苗総裁が重視する積極的な財政・金融政策への警戒から為替の円安傾向は続いて一時1ドル152円台に下落しており、輸出関連株には追い風が続こう。ただ、米ハイテク株安を受けてAI・半導体関連銘柄を中心に売りが優勢となる場面もあり、こちらは上値抑制要因となろう。そのほか、直近の急騰に対する過熱感も広がっており、売り買いが交錯する展開を想定しておきたい。
■ドル・円は堅調、円売り主導で
8日午前の東京市場でドル・円は堅調地合いとなり、151円74銭から152円64銭まで水準を切り上げた。自民党の高市新総裁による積極財政に警戒感が広がり、円売り継続。また、米10年債利回りは小幅に持ち直し、主要通貨はドルに対し弱含む展開に。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は151円74銭から152円64銭、ユ-ロ・円は176円94銭から177円45銭、ユ-ロ・ドルは1.1617ドルから1.1661ドル。
■後場のチェック銘柄
・わらべや日洋ホールディングス、ウリドキなど、7銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値上がり寄与トップはアドバンテスト、同2位はフジクラ
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・日・8月現金給与総額:前年比+1.5%(7月:+3.4%)
・日・8月経常収支(予想:+3兆5400億円、7月:+2兆6843億円)
【要人発言】
・NZ準備銀行(RBNZ)声明
「インフレ率は2026年前半に目標レンジ中間値の2%程度に回帰すると予想」
「インフレ見通しには、上振れリスクと下振れリスクがある」
「インフレ率が持続的に落ち着くためには、更なる引き下げも検討する」
<国内>
・特になし
<海外>
・15:00 独・8月鉱工業生産(予想:前月比-1.0%、7月:+1.3%)