31日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■3連休を前にした利食いも押し目狙いのスタンス
■JT、25/12上方修正 営業利益8450億円←7390億円
■前場の注目材料:マツダ、知能化基盤を刷新、トヨタ自動車の技術資産活用
■3連休を前にした利食いも押し目狙いのスタンス
31日の日本株市場は、3連休を前に持ち高調整の売りが入りやすいだろうが、底堅さは意識される相場展開になろう。30日の米国市場はNYダウが109ドル安、ナスダックは377ポイント安だった。決算を発表したマイクロソフトやメタプラットフォームズが下落した。前日に時価総額を5兆ドルに乗せたエヌビディアも利食いに押されるなかで、ハイテク株を中心に売りが広がった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比130円安の51330円、円相場は1ドル=154円10銭台で推移している。
日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、やや売り先行して始まりそうだ。ただし、米国では取引終了後に決算を発表したアマゾン・ドット・コムは一株利益が予想を上回ったとして、時間外取引で10%超の上昇となり、半導体やAI関連への物色に向かわせそうだ。また、マイクロソフトやメタプラットフォームズは、強気の設備投資計画が収益の圧迫になると受け止められたようであり、半導体株への売り材料にはなりにくいと考えられる。
もっとも、中銀イベントや日米首脳会談、米中首脳会談のイベントが通過したことで、手掛かり材料に欠ける面もある。そのため、アドバンテストやレーザーテックのほか、東エレクなどを睨みながらの展開になりそうである。東エレクが決算を前に利益確定の動きが強まるようだと、先物主導で売り仕掛け的な動きが強まる可能性はありそうだ。ただし、利食いが入るとしても、現在の半導体やAI関連から、一気にバリュー株への資金シフトは考えにくいところであり、押し目待ち狙いの買い意欲は強そうだ。
米中首脳会談では中国のレアアース規制が1年延期された。半導体株への手掛かり材料になるほか、円相場が1ドル=154円台と円安に振れていることもあり、自動車など輸出関連の一角に資金が向かう可能性があるだろう。そのほか、高市政権の政策に関連した防衛などのテーマ株への循環物色も続きそうだ。そのほか、決算発表が本格化するなかで、昨夕決算を発表したところでは、ミンカブ、ギックス、関西電力、タカミヤ、大崎電、M&A総研、北陸電力、JT、アステラス薬、MCJ、京セラなどが注目されよう。
■JT、25/12上方修正 営業利益8450億円←7390億円
JTは2025年12月期業績予想の修正を発表営業利益を7390億円から8450億円に上方修正した。コンセンサス(7760億円程度)を上回る。主力のたばこ事業が堅調に推移している。昨年10月に買収した紙巻きたばこ専業の米ベクター・グループが寄与する。
■前場の注目材料
・日経平均株価は上昇(51325.61、+17.96)
・VIX指数は低下(16.91、-0.01)
・米原油先物相場は上昇(60.57、+0.09)
・為替相場は円安・ドル高(154.10-20)
・活発な自社株買い
・東証による企業価値向上の要請
・マツダ知能化基盤を刷新、トヨタ自動車の技術資産活用
・大和ハウス住友電気工業が「住友電設」売却、親子上場を解消
・住友電工上場子会社再編めど、モビリティー分野強化
・デンソー統合モビリティコンピューターを29年投入
・日本航空電子京セラが、株33%取得、車コネクターの品目・拠点拡大
・芝浦機械ナノ精度の加工可能、5軸立型MC小型化
・双日豪レアアース輸入、脱中国、供給網を多角化
・テクセンドフォトマスクシンガポール新工場を27年内稼働
・北陸電力丸紅と、UAEで天然ガス火力稼働、低炭素エネ移行支援
・エスペック高度加速寿命試験装置で新機種、大型電子基板に対応
・椿本チエインNexaWare、遠隔フォーク実証、物流向け来年度商用化
・山善物流倉庫にヒト型ロボ試験導入、人の動作習得
・住友電工世界155拠点にIoT基盤、DX環境を整備
・日立日立エナジー、デジタルサービス拡充、10億ドル超投資
・日本ケミコンインドに販社、新エネ分野開拓
・第一三共抗がん剤、自社単独開発、増員で体制整う
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:30 9月失業率(予想:2.5%、8月:2.6%)
・08:30 9月有効求人倍率(予想:1.20倍、8月:1.20倍)
・08:30 10月東京都区部消費者物価コア指数(予想:前年比+2.6%、9月:2.5%)
・08:50 9月鉱工業生産速報(予想:前月比+1.5%、8月:-1.5%)
<海外>
・10:30 中・10月製造業PMI(予想:49.6、9月:49.8)
・10:30 中・10月非製造業PMI(予想:50.1、9月:50.0)