5日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は反落、直近上昇に対する利食い売り優勢
・ドル・円は下げ渋り、155円台に再浮上
・値下がり寄与トップはアドバンテ、同2位はファーストリテ
■日経平均は反落、直近上昇に対する利食い売り優勢
日経平均は反落。563.28円安の50465.14円(出来高概算10億7342万株)で前場の取引を終えている。
前日4日の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は31.96ドル安の47850.94ドル、ナスダックは51.05ポイント高の23505.14で取引を終了した。ダウ、ナスダックともに寄り付き直後にマイナスに転じ、その後前日終値を挟んだ値動き。目立った材料がない中、年内の追加利下げ観測が引き続き相場を下支えしたものの、ここまでの上昇を受けた利益確定の売りも出て小動きとなった。
米株市場を横目に、12月5日の日経平均は498.08円安の50530.34円と4日ぶり反落して取引を開始。その後は50400円を挟んで、マイナス圏で軟調もみあい展開となった。国内長期金利の上昇や日銀の利上げ観測が引き続き意識され、投資家心理を慎重にさせた。また、昨日の日経平均が1100円を超す大幅高となったことから、短期的な利益確定売りや戻り待ちの売りが出やすかった。
個別では、ソフトバンクG、イビデン、レーザーテック、フジクラ、ディスコ、ニトリHD、日製鋼、資生堂、メルカリ、味の素、住友ファーマ、IHI、コムシスHD、シャープ、三井金属などの銘柄が上昇。
一方、アドバンテ、ファーストリテ、東エレク、TDK、リクルートHD、トレンド、中外薬、ソニーG、ダイキン、任天堂、ファナック、テルモ、トヨタ自動車、バンナムHD、セコムなどの銘柄が下落。
業種別では、ゴム製品、その他製品、証券・商品先物取引業など幅広い業種が下落した一方で、情報・通信業、非鉄金属の2業種のみが上昇した。
後場の日経平均株価は、マイナス圏での軟調推移が継続しそうだ。前場時点の東証プライム値下がり銘柄数は77.3%と幅広い銘柄が下落している。日銀の早期利上げ観測や前日の米長期金利の上昇が投資家心理を悪化させる中、手掛かり材料に乏しく週末要因も相まって下げ幅を縮小する展開は想定しにくいか。一方で、節目として意識されていた25日移動平均線を上回って推移しており、同線が支持線として機能するか注目しておきたい。
■ドル・円は下げ渋り、155円台に再浮上
5日午前の東京市場でドル・円は下げ渋り。仲値にかけて国内勢のドル売りが先行し、155円23銭から154円91銭まで下げる場面もあった。ドル売り一巡後は小幅に戻す展開。一方、日経平均株価は下げ渋り、一段の円買いを抑制しているもよう。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は154円91銭から155円23銭、ユ-ロ・円は180円50銭から180円77銭、ユ-ロ・ドルは1.1641ドルから1.1654ドル。
■後場のチェック銘柄
・菊池製作所、RSCなど、6銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下がり寄与トップはアドバンテ、同2位はファーストリテ
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・日・10月全世帯家計調査・消費支出:前年比-3.0%(予想:+1.0%、9月:+1.8%)
【要人発言】
・片山財務相
「植田日銀総裁と私とのコミュニケーションは非常に良好」
「具体的な金融政策の方法は日銀に任せている」
<国内>
・特になし
<海外>
・特になし