国内の注目銘柄を紹介する新連載「ログミーFinanceの#銘柄発掘」。ビジネスモデルやファンダメンタルズの分析を通じて、中長期で保有できる優良銘柄の見極め方が身につく実践的シリーズです。今回は、オービックビジネスコンサルタント(OBC)を取り上げます。
クラウド利用料81.8%、営業利益率46.3%の高収益SaaS企業
業務ソフト「奉行シリーズ」で知られるオービックビジネスコンサルタント(4733)は会計・給与・人事などの基幹業務に特化したソフトメーカーで、日本企業の99パーセントを占める中堅・中小企業を主な顧客としています。累計55万社以上への導入実績を持ち、中堅・中小企業向けERPパッケージで高いシェアを誇っています。
継続収益が8割超、高い顧客ロイヤルティを実現
主力はクラウド型の「奉行 i クラウド」(経理・人事などの基幹システム)と、その周辺業務を担う「奉行クラウドEdge」(経費精算・勤怠など)。2025年3月期の売上高は469億円、営業利益率は46.3パーセントと高収益で、売上の81.8パーセントがクラウド利用料や保守料などの継続収益です。一度導入すると乗り換えの手間が大きい基幹システムの性質がOBCに有利に働いています。
ARRは年平均36%成長、SaaSシフトで成長加速
同社の成長ストーリーの中心は、クラウドへの移行とSaaSシフトです。OBCはかつて買い切り型ソフトが中心でしたが、現在はクラウド型への移行を進め、2025年9月期時点で売上の83.7パーセントを継続収益が占めるまでに転換しています。クラウド売上とARR(年間経常収益)は2023年3月期第2四半期から2026年3月期第2四半期まで年平均36パーセント成長と、高い伸びを維持しています。
中堅・中小企業特化の強みと競争環境
長期投資の観点では、中堅・中小企業市場に特化したポジショニングに加え累計55万社以上の顧客基盤、そして営業利益率46.3パーセントという高い収益性を持ちながら、クラウド移行やSaaSシフトでなお成長余地がある点が魅力です。一方で、他社クラウド会計ソフトや人事・労務系SaaSサービスなどとの競争は激しくなっており、製品力を維持・強化できるかが今後のチェックポイントになります。
さらに詳しく知りたい方へ――OBCによる生配信セミナーのご案内
事業内容や成長戦略に触れ、「もっと詳しく知りたい」「経営トップの考えを直接聞きたい」と感じた方へ。、オービックビジネスコンサルタント 執行役員 管理本部 管理部 部長・小泉 明大氏が自ら最新の業績や今後の成長戦略、投資家が注目すべきポイントをライブ配信で丁寧に解説します。
また、今回のモデレーターは、元ファンドマネージャー・ディーラーとして活躍した坂本慎太郎氏。投資雑誌やラジオ番組でも人気の坂本氏が、投資家目線で経営陣に鋭く切り込みます。需給分析から中長期の相場観まで精通したプロの視点で、投資判断に直結する質問を引き出します。
視聴者からの質問もその場で受け付けており、経営者の肉声を通じて、リアルタイムで疑問も解消できる貴重なセミナーです。
参加はZoomによるオンライン配信で、どなたでも無料でご予約いただけます。
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※当日は投資家向けに注目テーマの解説や質疑応答などを予定しています。
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執筆者プロフィール
執筆:西田哲郎
ライター・コンテンツディレクター。投資歴15年。『神の手』の某社で大きな損失を出したことをきっかけにイナゴを卒業、ビジネスモデルとファンダメンタルズ重視の手法に切り替える。業界紙やスタートアップを経てフリーで投資情報メディアやM&A情報サイトの立ち上げに関わり、現在は主に週刊誌で投資や経済関連の記事を執筆。
※記事内容、企業情報は2025年11月22日時点の情報です。
※当記事内容に関連して投資等に関する決定を行う場合は、ご自身の判断で行うものとし、当該判断について当社は一切の責任を負わないものとします。なお、文中に特定の銘柄の投資を推奨するように読み取れる内容がある可能性がございますが、当社および執筆者が投資を推奨するものではありません。