11日の日経平均は続落。453.98円安の50148.82円(出来高概算20億株)で取引を終えた。米国株高を受けて買いが先行したが、米オラクルの時間外での急落がセンチメントを冷ます形になった。オラクルなどと「スターゲート」を推進するソフトバンクGが急落し、日経平均株価を押し下げる一因になった。日経平均は後場に入ると、49926.27円まで水準を切り下げ、5万円の大台を割り込む場面があった。
東証プライム市場の騰落銘柄数は、値下り銘柄数が1300を超え、全体の8割超を占めた。セクター別では、卸売、証券商品先物、海運など5業種が上昇。一方、情報通信、非鉄金属、電気ガス、機械、石油製品など28業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテス、中外薬、三井物、富士フイルムが堅調だった半面、ソフトバンクGのほか、東エレク、TDK、ファーストリテが軟調だった。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は想定通り0.25%の利下げを決定した。米国市場では主要株価指数が上昇したなかで、東京市場もリスク許容度の高まりから買いが先行して始まった。ただ、前述の通り米オラクルの下落がAI関連株への利益確定の売りに向かわせた。日経平均は取引開始直後にはマイナスに転じ、その後はじりじりと下げ幅を広げる形だった。
FOMCは波乱なく通過したものの、AI関連への過剰な設備投資が警戒されてきており、AI相場の継続に陰りが出てくるのではないかとの見方に向かわせた。一方、日経平均が節目の5万円を割り込むと、すかさず押し目を拾う動きもみられているだけに、過度な不安は必要ないのかもしれない。クリスマス休暇や年末接近で市場参加者は限られてくるなかで、短期筋の仕掛け的な動きは警戒が必要で、不安定な展開が予想される。