マネーボイス メニュー

ハークスレイ Research Memo(1):2026年3月期は営業利益19億円予想。中間期進捗率約55%で上振れ期待

■要約

ハークスレイは、「中食」「店舗アセット&ソリューション」「物流・食品加工」の3事業を柱に、“食”の事業領域で多角的なM&Aを実行し成長する企業である。「中食事業」は、つくりたての弁当や惣菜を持ち帰り方式で販売する「ほっかほっか亭」(直営店とフランチャイズチェーン(以下、FC)方式により運営)とパーティー・ケータリングなどを展開している。「店舗アセット&ソリューション事業」は2006年にTRNコーポレーション(株)(現 店舗流通ネット(株))※をM&Aによりグループ化し、現在では連結業績をけん引している。「物流・食品加工事業」は、(株)アサヒL&C、稲葉ピーナツ(株)が中核となり、急成長している。2024年12月には「贅沢焼売」「贅沢餃子」「贅沢春巻」を主力商品とする(株)ホソヤコーポレーションを子会社化した。

※ 店舗流通ネットは、現在3社の連結子会社を持ち、自社を含む4社のグループを形成している。以下、TRNグループとする。

1. 2026年3月期中間期の業績概要
2026年3月期中間期は、売上高が前年同期比20.9%増の25,525百万円、EBITDAが同19.8%増の2,088百万円、営業利益が同1.0%増の1,038百万円、経常利益が同4.1%増の1,115百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同15.8%減の520百万円と、増収及び営業・経常増益となった。売上高、営業利益、経常利益いずれも過去5年(2022年3月期以降)の中間期において最高値となった。売上高に関しては、物流・食品加工事業で2024年12月に連結子会社となったホソヤコーポレーションの押し上げ効果(約36億円)に加え、定番商品やOEM商品が好調に推移したことや、中食事業で「ほっかほっか亭」の新メニューが好調に推移したことなどが増収に貢献した。また、店舗アセット&ソリューション事業では、稼働店舗数の増加によるストック収入増に加え、不動産売却(TRN立川)が成立したことも増収に寄与した。営業利益に関しては、中食事業の増益幅が大きかった。戦略セグメントである物流・食品加工事業が全社の成長をけん引し、黒字化基調に戻った中食事業を含め3事業セグメントすべてが自立して、稼ぐ力が着実に向上している。

2. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期は、期初予想を据え置き、売上高は前期比16.7%増の52,700百万円、営業利益が同1.6%減の1,900百万円、経常利益が同23.2%減の1,600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同17.0%減の1,000百万円と増収減益を見込んでいる。引き続き物流・食品加工事業が成長をけん引する見込みである。なお、期初予想では、不動産売却による売上高及び利益は織り込まなかったが、第2四半期に売却が成立したため予想が上振れる公算が高くなった。営業利益の中間期進捗率は54.6%(前期は42.0%)と通期目標に対して順調に推移した。3事業ともにオーガニックな成長力・収益力が向上しているため、弊社は通期予想の達成の可能性は高いと見ている。

3. 成長戦略
同社は、過去5年間(2022年3月期中間期〜2026年3月期中間期)の年平均成長率が売上高で16.3%、営業利益で34.1%、EBITDAで38.0%と高い成長を持続してきた。売上高の増収のドライバーとして、M&Aが大きく寄与した。また、内部成長においても、物流・食品加工事業の物流部門・カミッサリー部門が、小売業の人手不足問題を背景にOEM製造受託を増やしてきた。利益面に関しては、店舗アセット&ソリューション事業の利益貢献と安定成長が顕著である。稼働店舗数(店舗リース、不動産管理)も着実に増やしストック型の利益成長を実現している。また、所有不動産を適切なタイミングで売却することでフロー型の利益が得られている。

■Key Points
・2026年3月期中間期の売上高・営業利益・経常利益は、過去5年間で最高値
・2026年3月期は営業利益19億円予想。中間期進捗率約55%で上振れも期待
・過去の売上高・利益の成長性の高さに注目。2028年3月期の当期純利益目標は25億円
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。