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新興市場見通し:個別材料株やIPO銘柄に資金が集中しやすい

■弱い基調が継続

今週の新興市場は下落。同時期の騰落率は、日経平均が+0.68%だったのに対して、グロース市場指数は-1.23%、グロース市場250指数は-1.43%。米国株高を受けて週末は上昇したが、弱い基調を継続し、11日には両指数いずれも年初来安値を更新している。一方、時価総額が大きい銘柄で構成されているグロース市場コア指数は、週間ベースで+0.78%だった。

時価総額上位銘柄では、トライアルホールディングスの週間上昇率が10%を超えた。11月の月次売上高速報で、「トライアル」の既存店売上高が前年同月比5.5%増と、2カ月連続で前年同月を上回ったことが好感された。Synspectiveは同8%超の上昇。GMOサイバーセキュリティbyイエラエと「衛星サイバーセキュリティ」に関する共同研究を開始するとの発表が材料視された。一方、タイミーの下落率が8%を超えた。26年10月期の連結純利益が前期比微減を計画していることが重荷になったようだ。

その他、PostPrimeが週間で100%の上昇。主力のプラットフォーム「PostPrime」において、初心者がリスクなく投資体験できる新機能「デモトレード」をリリースした。第67回米血液学会年次総会において、開発中の次世代型BTK阻害剤に関する2題の発表が行われたカルナバイオサイエンスは、同53%の上昇となった。一方で、ヘリオスの下落率は32%を超えた。HLCM051(ARDSおよび脳梗塞急性期)に関する開発・申請方針を発表。25年~26年早期の申請資料のローリングサブミッションは行わないとの発表が嫌気されたようだ。

今週のIPOは、フィットクルーが12日に東証グロースへ上場し、公開価格(2200円)を36.4%上回る3000円で初値を付けた。その後3350円まで買われた後は、2561円まで軟化した。

■IPO銘柄に資金が集中しやすい

来週の新興市場は、日本銀行の金融政策決定会合に関心が集まる中、個別の材料を手掛かりとした物色が中心になりやすいほか、年末に向けてIPOラッシュに入ることからIPO銘柄に資金が集中しやすいだろう。スマレジが12日に決算を発表したほか、シャノンは通期業績予想の修正、JRCは海外子会社設立を発表した。また、FIXERは、クラウドと生成AIを活用した新たな事業を開始すると発表している。そのほか、15日にGA technologies、ニッソウ、学びエイド、Terra Drone、ストレージ王、カラダノート、Mマート、クラシコ、サンバイオ、tripla、DAIWA CYCLE、フロンティアインターナショナル、AB&Company、クラシコムの決算発表が予定されている。

来週のIPOは、15日にAlbaLink(グロース、公開価格1300円)、16日にNSグループ(プライム、同1480円)、17日にSBI新生銀行(プライム、同1450円)、18日にミラティブ(グロース同860円)、19日にギミック(スタンダード、同1150円)、辻・本郷ITコンサルティング(スタンダード、同1850円)、パワーエックス(グロース、同1220円)の7社が予定されている。なお、AlbaLink、NSグループ、SBI新生銀行、ミラティブ、パワーエックスなどの注目度が高いようだ。

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