エグゼクティブサマリー
河村康宏氏:代表取締役社長の河村です。
2026年4月期第2四半期の決算についてエグゼクティブサマリーをご説明します。
広告業界全体が緩やかな成長基調にある中、当社グループの主力事業である販促・イベント領域は大阪・関西万博を契機とした本格的なリアル回帰の傾向が顕著となるなど、旺盛な需要に支えられて既存事業が大きく伸びました。
また、当社が推進するM&A戦略が奏功し、グループ各社の業績が上向くとともに、グループシナジーによって新たなクライアント開発が進んだことで、第2四半期累計の連結売上高は前年同期比67.3パーセント増の144億7,300万円、連結営業利益は前年同期比169.4パーセント増の11億2,300万円と、いずれも大きな伸びを示しました。
業種別の動向としては、グループをあげて戦略的に推進している世界的ハイブランドのイベント獲得が大きく伸びたことに加え、著名IPや海外ブランド化粧品のポップアップストアの運営、大手小売のデジタル広告獲得が進んだことで、「スポーツ・ファッション」と「小売・家電」が大きく伸びました。
第2四半期にグループインしたNPUについてもご説明します。同社は世界的ハイブランドの世界観を表現するイベントの演出・空間プロデュースに特化した日本有数のクリエイティブファームであり、多くのハイブランドと多様なイベントの実績があります。
同社が加わったことによって、当社グループのプロジェクトマネジメント力や多角的なソリューションと、同社が持つラグジュアリー領域におけるクリエイティビティ及びブランド理解力が融合し、当社グループのラグジュアリー領域でのプレゼンスが一層高まる見込みです。
なお、これらの業績動向を踏まえ、2026年4月期の通期連結業績予想を上方修正しました。具体的には、連結売上高は前回業績予想から23.9パーセント増の285億円、連結営業利益は16.1パーセント増の18億円を見込んでいます。
2026年4月期 第2四半期累計業績
2026年4月期第2四半期累計業績についてご説明します。まず、各段階損益はすべて前年実績を大幅に上回り、増収増益となりました。
売上高は前年同期比67.3パーセント増加の144億7,300万円、売上総利益は前年同期比68.8パーセント増加の27億3,400万円となりました。
営業利益は、オーガニック3社としているフロンティアインターナショナル、フロンティアダイレクト、イリアル及び各グループ会社の好調な業績により販管費の回収が進むなど、前年同期比169.4パーセント増加の11億2,300万円、営業利益率は前年同期比3ポイント増加の7.8パーセントとなりました。
経常利益は前年同期比177.4パーセント増加の11億3,300万円と大きな伸びを実現しており、当期純利益も前年同期比121.9パーセント増加の7億2,700万円となりました。
四半期業績比較
四半期ごとの業績比較です。2026年4月期第2四半期の売上高と営業利益は、例年同様に第1四半期の実績よりも大きく伸びました。さらに、前年同期比でも大幅に上回って着地しました。
スライド左側の売上高の推移をご覧ください。売上高は、2025年4月期第2四半期の47億100万円に対して87億8,000万円となりました。前年同期比で大幅に増加していることに加えて、前四半期の56億9,200万円からも伸長しています。
右側は営業利益の推移です。営業利益は、2025年4月期第2四半期の3億3,000万円に対して8億8,830万円となりました。売上高同様に、前年同期比で大幅に増加しており、前四半期の2億3,900万円からも大きく伸びています。なお、第2四半期単体の営業利益率は10パーセントを超える水準にまで上昇しています。
受注先別売上占有率
受注先別の売上占有率です。オーガニック3社における新規クライアント開発及び元々直クライアントを得意先とする連結子会社を中心としたクライアント開拓の進展により、直クライアント比率は前期の36.2パーセントから49.9パーセントに伸びるなど当社グループが目標とする50パーセントの水準までほぼ到達しています。
業種別売上占有率
続いて、業種別の売上占有率の状況です。前期スポット案件があった一部業種で減少があったものの、多くの業種で前年実績を超過しました。特に、スポーツ・ファッションでは世界的ハイブランドのイベントが大きく伸長し、売上高は前年同期比628.3パーセント増加の28億900万円まで拡大しました。
その他では著名IPのポップアップストアの運営、小売・家電では大手小売のデジタル広告等の獲得により、売上高が大きく伸びています。
営業利益の増減分析
続いて、営業利益の増減分析についてご説明します。当期における増益要因としては、オーガニック3社の売上高増で3億6,900万円のプラス、M&Aで取得した連結子会社の売上高増で7億2,100万円のプラスがあった一方で、グループの拡大による人件費増加で1億6,500万円のマイナス、会計処理変更による退職給付費用の増加で6,500万円のマイナス、成長投資となる採用費の増加などがありました。
その結果、営業利益は前期の4億1,600万円から当期は11億2,300万円と大幅な増益を実現しました。
連結貸借対照表
続いて、連結貸借対照表の状況になります。M&Aにより新たに連結子会社が増えたことで、資産、負債とも前期末比で大幅に増加しました。また自己資本比率もM&Aにより前期末比7.3パーセント減少していますが、54パーセントと依然高水準で推移しています。
連結キャッシュフロー計算書
連結キャッシュフローの状況になります。営業キャッシュフローは、法人税等の支払い等により前期末比で減少していますが、投資キャッシュフローは、子会社取得があったものの前期末比で5億3,200万円の増加となりました。M&Aといった大きな投資をしましたが、期末残高は前期末比で1億200万円の増加となり、今後の成長に向けたさらなる投資余力を確保できる水準となっています。
事例紹介
2026年4月期第2四半期における事例の一部を写真にてご紹介しています。
2026年4月期通期業績見通し
2026年4月期の通期業績見通しについてご説明します。2026年4月期は、既存事業とM&Aにより取得した連結子会社がともに好調に推移しており、第3四半期もこの傾向が継続する見込みのため、これらの業績動向を踏まえて、通期連結業績予想を上方修正しました。
売上高は前回業績予測の230億円から285億円、増減率は23.9パーセントの増加、営業利益は15億5,000万円から18億円、増減率は16.1パーセントの増加、経常利益は15億7,400万円から18億2,000万円、当期純利益は10億700万円から11億1,000万円とそれぞれ見込んでいます。
なお、NPUののれんの金額は、当中間連結会計期間末において取得原価の配分が完了していないため、暫定的に算定した金額としています。
受注・引合い残高
オーガニック3社の2025年10月末時点における受注残高と引合いの状況です。受注数と引合い数は増加傾向にあり、パイプラインの確度も向上していることから、受注残高は前年比23億6,800万円増加の90億800万円となっています。
配当予想(修正)
最後に、配当予想の修正についてご説明します。当社グループは株主のみなさまに対する利益還元を重要な経営課題と認識しており、その見通しに応じた適切な利益還元策を柔軟に検討して実施することを利益還元策の基本方針としています。
配当方針については、大型M&Aが発生しない場合には連結配当性向50パーセント程度を目安としています。本日発表の株式分割の影響および通期連結業績予想の上方修正を踏まえ、当期期末の配当予想を前回配当予想の1株あたり56円50銭から63円へと増配します。なお、配当性向は50.5パーセントとなる見込みです。
以上で、私からのご説明を終了します。
今後ともみなさまのご支援をよろしくお願いします。ありがとうございました。
質疑応答:第2四半期好調の要因について
質問:第2四半期は好調のようですが、何が好業績を牽引したのでしょうか?
回答:2026年4月期第2四半期売上高は、著名IPや海外ブランド化粧品のポップアップストア運営の受注などに加えて、子会社の業績寄与により前年同期比67.3パーセント増の144億7,300万円と大幅に伸長しました。
なお、大阪・関西万博関連の売上高については、当第1四半期から予定どおりに進捗しており、売上高は7億1,100万円、全体売上高に占める構成比率としては4.9パーセントとなりました。
質疑応答:下期の見通しについて
質問:通期業績予想を上方修正していますが、下期の見通しはいかがですか?
回答:フロンティアインターナショナル・フロンティアダイレクト・イリアルのオーガニック3社を主軸として、第2四半期に引き続き第3四半期も受注数・引き合い数とも好調に推移しています。
同時に、パイプラインの精度向上が奏功し、引き合いから案件化までの確度を高めることにも成功しています。第4四半期についても例年どおり推移していますが、当社グループに対する旺盛な受注・引き合いを背景に引き続き好調を維持する見通しです。
質疑応答:NPUの特徴と期待役割について
質問:新たにグループ参画したNPUの特徴と、グループにおける期待役割を教えてください。
回答:NPUは、ファッション業界を中心とした世界的なハイブランドのイベント演出・空間プロデュースを手がける日本有数のプロフェッショナルファームです。クリエイティブな企画力と国際対応力で、ブランド価値の最大化と新たな顧客体験の創出に貢献しており、その卓越した美意識とディレクション能力は、世界のトップブランドから厚い信頼を寄せられています。
このたび、同社がグループインしたことにより当社グループが持つプロジェクトマネジメント能力、多角的なソリューションと、同社が持つラグジュアリー領域における圧倒的なクリエイティビティとブランド理解力が戦略的に融合することになりました。あらゆるクライアントのブランディングからコミュニケーション領域のプランニングと実行までをワンストップで実現できる、質・量ともに比類ないレベルの体験価値を提供する体制が整ったことになります。
これは、当社グループが主にターゲットとしてきた各領域のリーディングカンパニーに加えて、同社のクライアントであるラグジュアリー領域における世界のトップブランドが加わることになり、当社グループのプレゼンスを圧倒的に高め、あらゆる競争力の強化に貢献するものです。
体験創造の領域において、長らく業界を牽引してきた当社グループが今後展開する活動に、ぜひご期待ください。