■会社概要
2. 事業内容
ククレブ・アドバイザーズは、CREのなかでも大手不動産企業が金額規模や効率性の面から取り扱わないコンパクトサイズ(数億円~おおむね20億円)の工場・物流倉庫・研究所等の物件に注力し、不動産テックを活用しながら企業間の不動産ニーズのマッチングやソリューションを提供している。同社の社名「CCReB(ククレブ)」は、「Compact CRE for Reborn」の頭文字を取ったものであり、今あるストック(不動産)を大切に再生するという想いを示している。
(1) ビジネスモデル
同社は、不動産テックを自社で活用してCREソリューションビジネスを効率的に展開する一方、不動産テックを外部販売することでサブスクリプション収入も獲得している。事業はCREソリューション事業の単一セグメントであるが、実質的にはCREソリューションビジネスと不動産テックビジネス(外部販売)の2つのビジネスを展開している。2025年8月期の売上構成比は、CREソリューションビジネスが93.3%、不動産テックビジネスが6.7%となっている。
CREソリューションビジネスのサービス提供フローにおいて、「CCReB AI」と「CCReB CREMa」は、新規案件探索のための情報入手ツールとして活用されている。「CCReB AI」では、上場企業を中心に約2.5万社に及ぶ企業の有価証券報告書・中期経営計画書・各種IR資料・財務データを蓄積し、これらの定性・定量情報をAIエンジンで分析、企業の潜在的な不動産ニーズを可視化・スコアリングしている。同社は、一定以上のスコアとなった企業に対して、CREアドバイザリーをはじめとした各種CREソリューションサービスを提案し、成約につなげている。「CCReB CREMa」にはCREに関する6千件超の売買・賃借案件(所在地域や規模、業種など簡易な属性データ)が登録されており、不動産売買のマッチングに活用されている。登録データの拡大によってマッチング確率や案件数が増加するため、同社では「CCReB CREMa」の登録データを収益成長のための重要なデータベースと位置付けている。
そのほか、不動産テックとして、業界の最新情報を収集・分析・発信するBtoBポータルサイト「CCReB GATEWAY(ククレブゲートウェイ)」や、各種テックシステムとCRE提案ノウハウをベースデータに生成AIを活用したCRE提案サポートシステム「CCChat(ククチャット)」を開発・運用している。「CCChat」は社内システムとしてCREアドバイザリー業務に活用されており、業務経験が少ない営業社員でも効果的な営業提案が可能になる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)