テラテクノロジー株式会社
設立:1991年2月
事業内容:システム開発事業
登壇者名
テラテクノロジー株式会社 代表取締役 宮本一成 氏
質疑応答:時価総額の拡大戦略について
質問者:上場から5年以内に時価総額100億円の達成※が求められていると思います。今日の前場が終了した時点で50億円未満でしたが、この後どのように拡大させていくご予定でしょうか?
※質問内の「5年以内に時価総額100億円」という前提は、東証グロース市場の基準に基づくものであり、東証スタンダード市場に上場する同社の上場維持基準とは異なる。
宮本一成氏(以下、宮本):私たちは、正社員によってプロジェクトをきちんと運営し、成長したいと思っています。技術者数を増やすことによって全体を成長させたいと考えています。
年平均で技術者を8パーセント増やせば、5年で約1.5倍になります。8パーセントずつ着実に成長させることで、現在の時価総額約50億円から、2倍まで拡大させたいと思っています。
質疑応答:競合の考え方について
質問者:技術力の高さが強みということですが、IT系の上場企業はけっこう多く、なかなか差別化が難しい部分があります。技術的な側面で、御社が競合だと認識しているのはどのような企業ですか?
宮本:いわゆるコンペで案件を受注することがあまりないため、特に競合という認識はありません。
継続してシステム開発を受注しており、お客さまからのリピート率は現在90パーセントとなっています。お客さまの初期システムを開発し、それを運用保守して信頼関係を築き、3年から4年後くらいにビジネス状況の変更に合わせて次のシステム開発を受注するというリピート受注を実現できています。
それはまさに、私たちの技術力が評価されているということですので、他社を意識するというよりは、お客さまに信頼していただくことに重きを置いています。
質疑応答:直接取引の比率増加の背景について
質問者:直接取引の比率が増えてきているということですが、こちらの背景や要因について教えてください。
宮本:直接取引(プライム案件)は継続的に増えており、今後も増やしていきたいと思っています。一番の要因は、いろいろなつながりの中でお客さまのほうからお声がけいただくことが多いことではないかと思います。
私たちは、企業の基幹業務という重要なシステムを主に手掛けています。お客さまも、単に提案書を見て発注するのではなく、私たちとの長い信頼関係に基づき発注を決定してくださっています。その積み重ねにより、直接取引が拡大しています。
質疑応答:初値の受け止めについて
質問者:初値が公開価格を約39パーセント上回ったということですが、この結果をどのように受け止めていらっしゃいますか?
宮本:今日からパブリックカンパニーということで、市場からはご評価いただけたと思っています。そのような意味で良いスタートを切ることができました。
質疑応答:資金使途について
質問者:今回、上場に伴う新たな資金調達は行われない認識ですが、内部留保も順調に積み上がっていると思います。今後、成長に向けて資金をどのように活用していくお考えですか?
宮本:まずは人材の育成です。私たちにとって優秀な技術者を育成することは非常に重要ですので、人的投資をしていきたいと思っています。その後はいろいろなサービスの提供も必要となるため、企画しながら、研究開発も進めていきたいと考えています。
質疑応答:新卒社員の定着率について
質問者:新卒社員の定着率の高さが強みということですが、具体的にはどのような取り組みによって結果が出ているのでしょうか?
宮本:採用活動については、当社は非常に成功していると思っています。これまで採用活動を行う中で蓄積してきたデータから、「どのように当社にマッチする人材を採用できるのか?」を分析した上で採用戦略を立てていることが成功の要因だと考えています。これにより、過去4年間にわたり、技術者数を年率10パーセントで増加させることができています。
そして、採用した社員を手厚い研修制度で育成していることも定着率の高さにつながっています。
質疑応答:サービス提供の具体例について
質問者:資金使途についてのご質問の中で、「サービスの提供」も視野に入れていらっしゃるとお話がありましたが、例えば、すでに提供されているビジネスチャットのようなものを想定されているのでしょうか?
宮本:4年前にリリースしたビジネスチャットサービスは、順調に利用者数が拡大しています。
「Slack」などの大手ビジネスチャットサービスは、利用者数が増えるとコストも増える仕様です。そのため社員数の多い大企業では、利用範囲を拡大するとコストも大きく嵩んでしまう課題があります。それに対して、私たちのサービスはそのコスト上昇を抑えたモデルとなっており、非常に好評を得ています。
契約者数の増加に比例して、利益率も高くなっていきますので、今後はこのようなサービスも順次展開していきたいと思っています。
質疑応答:採用の内訳について
質問者:新卒採用の話を中心にうかがいましたが、中途採用の状況はいかがでしょうか?
宮本:まず、社員数に対して約10パーセントにあたる新卒を採用する目標があります。新卒の定着率(入社3年後)は約96パーセントで、4パーセントは離職しており、新卒採用による純増はおおむね6パーセントとなります。
それに加えて、中途採用で社員数を約2パーセント上積みしており、結果として全体では年率で約8パーセントの人員増加となっています。