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29日の香港市場概況:ハンセン指数は反落、資金の自由度制限などを警戒

クリスマス連休明け29日の香港市場は反落。主要89銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比183.70ポイント(0.71%)安の25635.23ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が23.41ポイント(0.26%)安の8891.71ポイントで引けた。

序盤は高く始まったが次第に下げに転じた。中国当局が中国本土企業に対し、海外市場で調達した資金の国内還流を原則義務付けると通知したことが嫌気され、ハイテク大手などの下げにつながった。特に、国際展開を重視する企業にとっては資金の自由度が制限されるとの見方から売りが先行した。一方で、域内経済の回復期待や一部企業の業績改善観測が下支え要因として作用したが、影響は限定的だった。需給の偏りや政策リスクへの警戒感も残り、買いの勢いは広がらなかった。市場は政策動向への警戒を強める中、様子見姿勢も目立った。

ハンセン指数の構成銘柄では、カジノ業や通信機器関連の下落が目立った。サンズチャイナ(1928/HK)が4.5%安、銀河娯楽(0027/HK)が2.9%安と軟調。中国本土企業の資金還流規制強化への懸念から、訪中観光関連への影響が意識された。また、スマートフォン部品大手のSunny Optical Tech(2382/HK)が2.8%安、半導体大手SMIC(0981/HK)も2.0%安となり、テクノロジー関連に広く売りが波及した。

不動産・建設関連株にも売りが広がり、新鴻基地産(0016/HK)が1.9%安、華潤置地(1109/HK)が1.9%安、長江実業地産(1113/HK)も1.9%安。資金調達に関する規制強化により、今後の資金繰りや開発投資への影響が懸念された。他には、バイオ医薬品の薬名生物(2269/HK)が2.4%安となるなど、ヘルスケア関連も軟調に推移した。

反面、エネルギーや自動車関連株には買いが集まった。中国石油天然気(0857/HK)が1.5%高、中国石油化工(0386/HK)が1.3%高と続伸。原油価格の持ち直しが買い材料視された。自動車ではBYD(1211/HK)が3.7%高、吉利汽車(0175/HK)も3.4%高と堅調で、新エネルギー車に対する需要拡大期待が支援要因となった。

中国本土市場は小幅に9日続伸。主要指標の上海総合指数は前営業日比0.04%高の3965.28ポイントで取引を終了した。

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