全米不動産業者協会(NAR)が発表した米11月中古住宅販売制約指数は前月比+3.3%の79.2となった。2023年2月以降ほぼ3年ぶりの高水準となった。伸びは10月+2.4%から予想以上に拡大し8月来で最大を記録。10月分も+1.9%から+2.4%へ上方修正された。住宅ローン金利や価格が上げどまり、購買意欲が回復したと見られる。4カ月連続のプラスでパンデミック期の熱狂間時に並んだ。同指数は中古住宅販売の先行指標となる。
労働市場の減速で住宅市場は冴えなかったが、NARチーフエコノミストのヤン氏は声明の中で、昨年に比べ「手頃感」が回復、さらに、在庫で選択肢が広がったことを理由に挙げた。住宅ローン金利固定30年物の金利は5月の水準、7%から6.3%、6.4%付近まで低下した。住宅価格の伸びも鈍化した。2026年に向けた住宅市場へのエコノミストの見通しは注意深く楽観的に転じつつあり、来年の成長を支える可能性がある。今後は、労働市場の動向次第と見る。