マネーボイス メニュー

萩原電気HD Research Memo(8):企業価値向上の取り組みを継続

■中長期の成長戦略

2. 企業価値向上の取り組みについて
萩原電気ホールディングスでは、上記の佐鳥電機との経営統合とは別に、単体での企業価値向上に向けた取り組みを推進しているが、以下はそれに関する主なトピックスだ。

(1) 資本コストの見直し
まず、資本コストに関する考え方だが、今回、外部環境の変化や、機関投資家との対話を踏まえ、株主資本コストを7~9%に見直した。加えて、今回の企業統合を見据え、同社としてもソリューション志向をさらに強める必要があるとの課題認識を明確化した。資本効率を意識した経営判断に加え、事業ポートフォリオの質を高め、顧客価値創造に直結するソリューション型ビジネスへのシフトを加速することで、企業価値の持続的な向上を目指す方針だ。

(2) 役員報酬制度改定
基本方針として、経営方針に掲げる構造改革・重要経営指標の達成及び中長期的な企業価値向上を動機づけるため、以下の狙いに基づき役員報酬制度を改定・運用している。財務面だけでなく、サステナビリティや人的資本など、企業価値向上に直結する領域への取り組みを促進し、経営陣のインセンティブをより長期的な視点に合わせた形となっている。

a) 中期経営計画の達成に重要な経営指標の達成
・ 株主に還元される利益向上、個人のパフォーマンス向上に向けて、財務指標・個人目標の達成度を基に業績連動報酬(賞与)の支給額を決定する。
b) 中長期的な企業価値向上に向けた期待役割発揮への動機づけ
・ 全社業績・さらなる役割発揮の動機づけに向けて、執行役員制度における役割・責任の大きさに基づき、報酬水準・変動比率を設定する。
c) ステークホルダーへの利害共有性・説明性の向上
・ 企業価値向上に向けて、人的資本経営の推進といった非財務的な取り組み及び各取締役のミッションに基づく定性的な取り組みを評価する。
・ 株主とのさらなる利害共有性の向上に向けて、取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)に対して譲渡制限付株式報酬を付与する。

(3) 人的資本経営の実行モニタリング
同社では、人的資本経営の重要性を強く認識しており、主要なKGIを設定し、定量的なモニタリング体制を構築している。これにより、人材の活躍度やスキル向上を経営課題として明確に位置付け、持続的な成長を支える基盤を強化していく方針だ。佐鳥電機との経営統合を予定している中ではあるが、資本コストに関する課題認識や、企業価値を高める役員インセンティブの考え方、そして人的資本経営の重要性といった要素は、重要なエッセンスとして新たなグループの枠組みの中でブラッシュアップを図っていく方針だ。

特に、以下の重点戦略に積極的に取り組む。

「タレントマネジメント」により従業員の自律的なキャリア形成と人材育成を促進し、「DFI(ダイバーシティ・フェアネス・インクルージョン)」を通じた公正・公平でニーズに適した各種機会の提供、多様な視点や知見の融合等による共感・共創、ひいてはイノベーションを促進していく。また、従業員自らが状況に応じた働き方を選べる「ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)」を推進し、イノベーションに挑戦する企業基盤となる「健康経営」と「コンプライアンス」の強化に取り組む。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。