Agenda
田中耕平氏(以下、田中):代表取締役社長CEOの田中です。それでは、グロービング株式会社2026年5月期第2四半期決算説明会を開始します。
本日は、2026年5月期第2四半期の業績についてお話しした上で、今後の成長戦略についてもご説明したいと思います。よろしくお願いします。
26年5月期2Q 連結業績ハイライト
2026年5月期第2四半期の連結業績のハイライトです。第2四半期累計の売上高は56億5,100万円、営業利益は21億円、営業利益率は37.2パーセントとなりました。売上高・営業利益率ともに、半期ベースで過去最高を記録しています。
前年同期との比較でも、売上高はプラス45.9パーセント、営業利益はプラス47.3パーセントと力強い成長を達成しました。
今期末より配当開始
今回の力強い業績を背景に、今期末より配当を開始することを決定しました。基本的には、これまでの好調な業績と今後の成長予測を踏まえ、配当性向30パーセント程度を目安とし、今後も配当を継続していきたいと考えています。
2026年5月期配当予想の修正(初配)について
今期末の1株当たり配当金は、15円を予定しています。今後は通期を通して配当性向30パーセントを目標とし、年2回の配当を実施する予定です。
連結ベース四半期ごとの売上/営業利益
連結ベースの四半期ごとの売上高および営業利益の推移です。今期第2四半期の売上高は29億9,000万円、営業利益は11億2,000万円となり、売上高・営業利益のいずれも四半期ベースで過去最高を記録しました。
売上高の成長についてです。前期第2四半期は売上のスパイクがありましたが、この短期的なスパイクを考慮しても、YoY成長率は38.9パーセントとなっています。なお、前期のスパイク分を除いた場合のYoY成長率は57.1パーセントに達しており、力強い売上成長を実現できています。
営業利益率も、37.7パーセントと非常に高い水準を維持したまま成長しています。この成長の背景については第1四半期でもご説明しましたが、AI事業を起点とした共同開発型の「Joint Initiative型コンサルティング(以下、JI型コンサルティング)」案件の拡大が挙げられます。
JIコンサルティングでは、コンサルタントとAIエンジニアが共同でアサインされてプロジェクトを運営しますが、このような取り組みが非常に順調に推移しています。加えて、AI関連へのニーズも引き続き非常に高い状態が続いており、これらが売上の伸びを後押ししました。
結果として、高い営業利益率を達成するとともに、売上高・営業利益額の両方で過去最高を記録しています。
KPIハイライト
KPIのハイライトです。基本的には狙いどおりで、順調に推移していると考えています。第2四半期はJoint Initiative売上比率が58パーセント、AI関連売上比率が48パーセントと、非常に高まりました。
調整後コンサルタント数は、第1四半期と同じ194名でした。AI活用による効率化が進む中で、第2四半期から新卒社員の正式アサインが始まっています。正式アサインを通じて売上を高めるかたちでの稼働となるため、この数を見越して中途採用を一定程度コントロールしました。
コンサルタントの平均年収については、新卒社員の稼働でジュニア層の比率が上がったものの、引き続き2,000万円を超える高水準を維持しています。
JI型コンサルティングの現状
JI型コンサルティングは順調に伸びており、比率を着実に上げることができています。今四半期は60パーセント近い水準にまで上昇しました。
AI関連売上比率の推移
AI関連売上比率も50パーセント近くまで上昇しています。
Joint Initiativeの売上比率とAI関連売上比率については、今後もさらに伸びると見込んでいます。
AI-Xで目指す世界と共同開発中のクライアントの声
AI分野において、我々は「AI-X(AIトランスフォーメーション)」に取り組んでいます。ここでは、AI-Xで目指す世界についてご説明します。
ある推計によると、日本の労働人口は今後10年で384万人不足すると言われています。その中で採用難易度がさらに高まると考えられます。現在でもかなり高い難易度の分野がありますが、これがさらに高まる中で、基本的な労働者の生産性向上が必須になると考えています。
現在は若手や外国人を含む多様な働き手が増えていますが、その育成が大きな課題になると考えています。弊社としては、その部分を「AI-Xで目指す世界」と位置づけ、現状のホワイトカラーの業務の半数をAIで代替できると考えています。
ただし、単にAIによる効率化や生産性向上を目指すだけでなく、先ほど述べた育成の課題やノウハウの伝承も考慮しながらAI-Xを推進していきます。
これにより、2030年頃には、ホワイトカラーの人員を半数に抑えながら対応できる世界を実現したいと考えています。このような課題に共感いただける方々とともに、共同開発でAIエージェントの開発を進めています。
スライド右側には、共同開発を行っているクライアントの声を掲載しました。生産性向上に関するクライアントの役員クラスの方からは、「今回導入されているAIエージェントのようなものが実際に活用されていけば、ホワイトカラーの業務が半分の人員でも回るのではないかと実感している」という声もいただいています。
特に地方にも主要拠点を持つ製造業の企業にとって、人材採用の難しさは現在も喫緊の課題であり、今後さらに深刻になると考えられています。そのような中で「AIエージェントの導入は、採用難への強力な打ち手になり得る」という評価をいただいています。
部長や課長クラスの方々からは、弊社が提供する企画業務の効率化を支援するエージェントについて、「レビューや企画業務にかける時間が25パーセント以上減少した」との声をいただいています。
さらに、「企画そのものの本質的な議論に時間を割けるようになった」という声や、実際に企画書を作成する方においては「作成時間が40パーセント以上短縮された」とのご意見もいただいています。
また、ノウハウの伝承という育成面では、「自社の方針に即した企画書が作成されるため実効性が向上した」「汎用的なツールにはない厳しさがあることで改善点が具体化し、品質が向上すると同時に自身の成長を実感できる」「上司に企画内容をわかりやすく説明できるようになった」など、さまざまなプラスのご意見をいただいています。
超大手自動車OEM AIエージェント:グロービングくん&AI議事コン
前回の決算説明会でもお話ししましたが、共同開発を進めている自動車メーカー向けAIエージェントの開発についてご説明します。現在は、企画全般をサポートするAIエージェント「グロービングくん」と、会議を効率的に進める「AI議事コン」という2つのプロダクトの開発を行っています。
クライアントが持つ企画の匠としての優秀人財の知見・ノウハウ、グロービングのコンサルタントが持つ企画ノウハウを組み合わせたエージェントを、弊社のAIエンジニアが実装するかたちでプロダクトを開発しています。
これにより、ホワイトカラーのコア業務をAIエージェント化していきます。加えて、優秀な人材不足の解消を目的に、育成も含めたAIエージェントを開発するかたちで進めています。
超大手電機企業 調達機能子会社スペンドインテリジェンススイート
超大手電機企業の調達機能子会社と共同開発している「スペンドインテリジェンススイート」についてご説明します。この製品は、調達戦略の立案や見積作成の機能において、データをしっかりと結びつける役割を持ちます。
クライアントの調達交渉における知見や経験と、弊社が数十年間にわたり調達コスト最適化コンサルティングを通じて得てきたノウハウを融合させたプロダクトです。これを弊社のAIエンジニアが実装し、業界最高峰のノウハウをプロダクト化するかたちで進めています。
(参考)弊社が取り組む社会課題解決
今ご説明したようなプロダクト開発を進めることで、AI活用を日本企業へ積極的に埋め込んでいきたいと考えています。
日本は「失われた30年から35年」と呼ばれるように、低い生産性や労働人口の減少といった課題を抱える先進国です。こうした課題に対して、AI活用を通じて付加価値を向上させつつ、投下工数を抑える取り組みを進めていきます。
投下工数を抑えながら付加価値を向上させる「ワークフォースシフト革命」を実現することにより、まずは日本企業を成長軌道に乗せ、次に世界的な労働力不足の解決を目指していきます。
主要なメディア掲載
主要なメディア掲載についてです。この期間中、「東洋経済」の「社会変革を捉える5銘柄」に選出されたほか、「NewsPicks」での記事掲載、「Forbes Japan」では連載記事を掲載するなど、主要メディアに取り上げていただく機会が増えてきました。
また、Webセミナーを通じて、採用候補者やクライアントへ訴求する取り組みも行っています。
その他の主要なメディア掲載
その他にも、「Forbes Japan」の各記事や「Voicy」の「藤沢久美の社長Talk」にも出演しました。このような活動も行っています。
また、特許の取得についてはニュースリリースでも発表しています。会議評価のためのシステムおよびプログラムに関し、特許を取得しました。この特許は、先ほどご説明したAI会議の高度化に関連する「AI議事コン」のコアとなるコンセプトにおいても取得しています。
PLサマリー
PLサマリーです。第2四半期累計の売上高は56億5,100万円で、前年同期比プラス45.9パーセントとなりました。AI活用や新規事業開発の需要が引き続き堅調に推移したことや、共同開発型AIコンサルティング案件の拡大が寄与しています。
売上原価は、売上総利益率の適正水準である65パーセントから70パーセントにしっかりと収まるかたちでコントロールできていると考えています。販管費および営業利益は、AI事業の人件費が共同開発型JIコンサルティングにアサインされて原価側に回っているため、R&D投資を抑えられる状況が発生しています。
営業利益率は37.2パーセントと高水準で、営業利益額は半期累計の最高額となる約21億円を達成しました。親会社株主に帰属する当期純利益においても、留保金課税の影響が軽減され、高水準を維持しています。
26年5月期 通期連結業績予想の見直し
これらの業績を踏まえ、通期連結業績予想の見直しを行っています。10月15日に発表した修正予想では、売上高約115億円、営業利益37億5,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益25億5,700万円としていました。
そこから、売上高はプラス2.1パーセントの118億円、営業利益はプラス6.7パーセントの40億円、親会社株主に帰属する当期純利益は10パーセント近く増加し、約28億円を見込んでいます。
今回の修正予想は、第1四半期および第2四半期の業績が好調だったことを踏まえたものとなります。業績好調の理由は、AIプロダクトの共同開発を含むAI関連のニーズが非常に堅調に推移し、しっかりと利益や売上成長を実現できていることが挙げられます。
今後のビジネス成長イメージ
ここからは今後の成長戦略についてご説明します。まずは今後のビジネス成長イメージです。こちらのスライドは、前回ご説明した内容と一致するものです。
これまでしっかりと成長させてきた基盤事業であるコンサルティング事業は、今後も高収益を維持しながら領域を拡大させていく方針です。その上で、AIエージェントやクラウドプロダクトにおいて、全世界のコンサルタントをAIエージェント化することを目指します。
さらには、動的平衡マネジメントにおいて日本流経営の長所を抽出した方法論を活用し、欧米型経営理論をディスラプトしていきたいと考えています。
それにより、現在全世界で約230万人いるとされるコンサルタントを、AIエージェントやJoint Initiativeを活用して置き換え、コンサルティング業界全体を完全に代替することを目指しています。
ビジネス成長を支える経営体制(案)
ビジネス成長を支える経営体制についてご説明します。弊社は、事業を成長させるビークル(vehicle)として、コンサルティング事業やAIエージェント、クラウドプロダクトに加え、複数の子会社を含む構成の中で、事業間シナジーを創出しながらベストオーナーとして事業を強化していく体制を目指しています。
その中で、国内AI企業をロールアップし、AI業界の再編を主導していきたいと考えています。また、国内外のファンドと連携して海外スタートアップとの協業を推進するとともに、コンサルティング事業にとどまらず、他のAIクラウドプロダクトなどの複数事業をその上に構築することで、単一事業よりも高い価値を創出する経営モデルの実現を目指しています。
そのために、今後も柔軟に経営体制を見直せる体制を築いていきたいと考えています。
⓪コンサル事業の成長戦略-全体拡大戦略(1/2)
コンサル事業の成長戦略についてご説明します。実際のクライアントにおいては必ずしも競合と見なされていない部分もありますが、国内大手総合ファームを競合ファームと捉えています。
国内大手総合ファームは、基本的に低単価から徐々に単価を上げていく戦略を取っています。そのような戦略では、高単価領域が求められる品質を確保することが難しくなります。結果として、単価を据え置いたまま工数を増やして対応するため、単価アップが進まず、低単価・低利益の状態が続きがちです。
弊社はその逆で、高品質・高利益を常に維持しているのが現状です。その状態から、ボリュームゾーンにシフトしていくかたちを取りますが、その際はしっかりと利益体質を保ちながら進めていきます。高品質を維持しつつ、少人数体制やAIの活用によって効率性を追求しながら、ビジネスインパクトを創出し、高利益体質を維持した商品の展開が可能だと見込んでいます。
実際に現在でも、そのようなかたちで実行部分への支援を行っています。今後は、このモデルを海外展開も含めて実施していく予定です。この展開を通じて、国内の大手総合ファームを超える事業拡大を目指していきます。
⓪コンサル事業の成長戦略-高単価/高成長の実績(2/2)
スライド左側の図は、縦軸に1人当たり年間売上高、横軸に売上高成長率を示しています。この図を見ると、弊社の1人当たり年間売上高が、国内の総合ファームと比較して倍以上となっていることがわかります。
さらに、売上高成長率も40パーセント以上を維持しており、高い成長を続けています。このように、図の上側に位置している非常に特徴的なパターンが見られると考えています。
その要因の1つとして、スライド右側にアカウントの規模、すなわちクライアントの規模を示しています。弊社の年間売上が10億円以上のクライアントは、前期の1社から今期は3社に増加させています。
また、年間売上5億円から10億円規模のクライアントについては、3社のうち2社がさらに上位規模に移行しました。今期末も3社維持を見込んでおり、順調に成長しています。年間売上1億円から5億円規模の会社数は、12社から16社へと着実に増加しています。
全体として、アカウント数を増やしながら大規模アカウントも拡大しており、顧客粘着性の高いJI型コンサルティングにより、大規模アカウントが増加していると言えると思います。これにより、1人当たり年間売上高6,000万円という高水準を維持しつつ、成長を達成しています。
⓪コンサル事業強化-AIツール活用&新リーダーシップメンバー参画
コンサルティング事業においては、AIによる効率化をクライアントへ提供するだけでなく、弊社内でもAI会議の高度化エージェント「AI議事コン」を実装しています。
すべての会議について、その会議がどの程度効率化の余地があるかを点数化して抽出し、議事録を自動作成する仕組みを進めています。これにより会議の効率化が進み、ジュニアメンバーの議事録作成工数を70パーセント以上削減する実績が出ています。
また、提案書をレビューするAIエージェントを活用し、提案書の品質向上を図っています。これにより、シニアメンバーのレビュー工数削減、提案勝率の向上という大きなプラスのビジネスインパクトが見込まれる開発を進めています。
さらに、PwCコンサルティングの執行役副代表であった藤井が2025年11月1日から参画しました。藤井はPwCを900人から5,500人へ急拡大させた経営手腕を持っており、その経営手法を活かし、弊社のさらなる成長を推進する役割を担います。
①世界中のコンサルタントを AIコンサル +Cloud Productに代替
これは以前もお話しした内容ですが、我々が目指している世界観についてご説明します。我々の特徴は、JI型コンサルティングとAIおよびクラウドプロダクトにあります。
Joint Initiativeについては、しっかりと事業の内部に入り込んで事業価値を高めていくコンサルタントは残り続けますが、コンサルタントが行っている大部分のタスクがAIエージェントに置き換わっていくと考えています。
そのAIエージェントが集めたデータを抽出し、クラウドプロダクトで分析して、その結果を人が経営判断に活用するというモデルが、今後大きくなるのではないかと思います。
このような取り組みを、我々の経営コンサルティングノウハウを注ぎ込んだ「経営OS」というかたちで世界中の企業に提供し、全世界の230万人のコンサルタントを代替することを目指しています。
①AIコンサルティングサービスの拡大
AIコンサルティングサービスの拡大についてご説明します。
先ほど触れたAIコンサルタント「グロービングくん」のように、ホワイトカラーの生産性を向上させることはもちろん、ノンコア業務でアウトソーシングを活用している企業に対し、さらにAIを活用して省人化を進めていきたいと考えています。その結果、人材が企画やコア業務にシフトしていくことを目指しています。
加えて、AI活用に必要なデータ整備や機能追加、技術のアップデートを積極的に進めることで、AIライフタイムマネジメントを実現するAIマネジメントという新たなビジネス領域も生まれてくると考えています。
このような3つのAIコンサルティングサービスを活用し、労働人口減少や低い生産性といった課題に対して、投下工数を削減しながら生産性を向上させることで、日本企業を再び成長軌道に乗せることを目指しています。
①AI/クラウド:数兆円~数十兆円規模の企業との共同開発推進
共同開発の進捗状況です。「スペンドインテリジェンススイート」については、前回ご説明した内容から大きな変更はありません。2026年7月に共同開発先へのリリースを予定しており、10月末までに基本設計フェーズを完了し、その後開発に進む予定です。
企画支援AIエージェント「グロービングくん」については、第1フェーズの必要機能開発が終了し、現在は50人規模の部署で実装を開始しています。企画推進においてAIが承認基準を設定し、一定の点数を超えない場合は上長との討議へ進めないような業務フローを設計しました。これにより、AIとの協働が推進されています。
先ほどの共同開発のクライアントの声にもありましたが、ここではプラスの効果が顕著に表れています。そのため、4月以降に全社展開を進めていく予定です。
「AI議事コン」については、AIを活用した会議の高度化に向けた基本機能の開発が終了し、業務適用をどのようなかたちで行うかを設計しながら導入を進めています。こちらも4月以降に複数部門へ展開する予定です。
②動的平衡マネジメント(1/3)“動的平衡経営” の創刊
動的平衡マネジメントについては、四半期に1回程度、『動的平衡経営』という機関紙を発刊しています。弊社のクライアント企業の経営者のみなさまにお読みいただけるブローシャーとして、弊社の考えをまとめて発信する活動を継続しています。
11月に軽井沢にて経営者合宿を開催 ②動的平衡マネジメント(2/3)特別経営合宿の開催
加えて、「特別経営合宿」も企画しました。昨年11月中旬に軽井沢で開催し、福岡伸一教授と一條和生教授に加え、厳選した約10名の業界経営者の方々にもご参加いただき、日本流経営を真剣に討論する場を設けました。
この場では、基調対談とラウンドテーブルを通じて討議を実施しました。動的平衡マネジメントとして、生命の原理と企業哲学を統合することや、AI時代における知識創造論をどのように構築していくかについて議論が行われました。
特に日本企業の特徴としては、「全員経営」や「現場主義×企業哲学×自律性」を重視してきた点が挙げられました。AIについては、思考(Think)と実行(Do)を結びつけ、知識創造のプロセスを加速する役割を担うというお話がありました。
ラウンドテーブルでは、現場を重視しながらどのように強化していくべきか、また経営者としてどのように企業を成長させるべきかについて議論しました。さらに、AIの導入に伴う人の役割の変化についても話し合いました。
参加された経営者の方々からは、当社が作成した経営理論を押し付けるような講義ではなく、「新しい経営理論を一緒に作っていく活動は、他にない唯一無二のものである」として非常に高く評価していただいたと考えています。
②動的平衡マネジメント(3/3) コンソーシアムの設立(案)
今後は動的平衡マネジメントをさらに広げるべく、経営者合宿の企画のほか、動的平衡マネジメントコンソーシアムを設立したいと考えています。設立目的は、日本企業内で自身の信念を持ちながら株主や外部と対峙できる経営者を育成することです。
各業界を代表する企業において10社から20社の会員企業を募り、そこから次世代の経営者候補となる方を2名から3名選出いただきます。このメンバーを対象に、年間6回程度の集合研修や課題ワークを通じて、より強い日本流経営を形成するための「講義×対話×実践」を軸とした年間育成プログラムを考えています。
現在は複数企業にご賛同いただいています。年間40人から60人程度の次世代経営者候補とのネットワーキングを構築することで、弊社の顧客リレーションの拡大に向けても非常に大きなインパクトがあると考えています。
中期的な成長イメージ
このような取り組みを加え、これまで成長してきたコンサルティングに加えて、AIやクラウド事業、動的平衡などにも積極的に投資を行います。コンサルティング事業は高収益化を追求し、AIエージェント・クラウドプロダクト・AIコンサルティングサービスを通じて非連続な成長を目指します。
これにより、全世界のコンサルティング業界をしっかりと代替していけると考えています。
質疑応答:上方修正の背景について
司会者:「このタイミングで上方修正を実施した理由を教えてください」というご質問です。
田中:上半期業績が売上・利益のどちらも非常に好調に推移しているため、このプラス分を反映し、通期業績の修正として発表しています。
質疑応答:配当開始の理由とキャッシュアウト想定について
司会者:「配当を開始した理由とキャッシュアウト想定を教えてください」というご質問です。
田中:上半期の業績が非常に順調であることと、今後の成長も踏まえて配当開始を決定しました。従前ご承知のとおり、非常にキャッシュリッチなビジネスで回っています。
もちろん、今後の成長においてはM&Aも含めて実施していく予定であり、成長投資の観点からもキャッシュが必要な部分があります。それを前提とした上で、さらに残ったキャッシュを株主還元として出すことも考えています。
配当性向30パーセントという水準は、国内の競合企業を考慮しても遜色ない基準であると考え、こちらを目安に配当を行うことを決定しました。
質疑応答:調整後コンサルタント数について
司会者:「調整後コンサルタント数が第1四半期から増加していない理由を教えてください」というご質問です。
田中:AIを活用した効率化が進んでいることと、新卒社員が4月に多く入社したことが要因です。4月入社の新卒社員は、10月のタイミングで実際にクライアントから料金をいただくかたちでの稼働が始まっています。
コンサルタントの稼働数は194名でステイしていますが、その中でも稼働ベースのコンサルタント数は純増しているということです。第2四半期は中途採用の部分を調整する動きを取っています。
質疑応答:日本型経営の海外展開について
司会者:「海外展開について、日本型経営の紹介・伝道を込みにして推進するものと推測しますが、どのエリアから始めていくのが妥当と考えていますか?」というご質問です。
田中:海外展開については、まさにおっしゃるとおり、動的平衡マネジメントのように日本型経営の強みを活かした展開を考えています。
その中で親和性が高いと考えているのは、アジア圏、特に東南アジアのエリアです。また、ヨーロッパの企業にも長く続いている企業では、非常に強い経営モデルを指向されている企業も存在します。そのような企業も今後の対象になると考えています。
「日本型経営」と「欧米型経営」を2項対立のようにご説明していますが、実際には欧米企業の中にも、日本企業が持つ良さを取り入れている企業が多くあります。こうした企業を起点に、海外展開を進めていくかたちになると考えています。
質疑応答:国内外コンサルティングファームとの競合状況について
司会者:「御社の上場以来、コンサルティング企業の上場が複数件ありましたが、その後の競合状況の変化などについて教えてください」というご質問です。
田中:スライド左側の図のように、国内で上場しているコンサルティング企業は非常に単価が低い領域で活動されているところが多いと見受けられます。
一方で、弊社のビジネスについては、クライアントが弊社を競合として認識する場合、外資系のコンサルティングファームを想定されることが多く、日本国内の大手総合ファームと競合する状況は基本的には発生していません。
弊社は外資系のコンサルティングファームが手を引いたような「中に深く入り込んで事業価値を高めていく」領域で活動しています。したがって、競合状況に明確な変化はなく、需要も引き続き高い状態ですので、弊社の価値をしっかりと発揮できていると考えています。
質疑応答:共同開発型案件のコスト構造について
司会者:「共同開発案件は、PL上ではどのようなかたちで数字として反映されているのでしょうか? 売上高・粗利・経費などへの定性的なご説明でも構いませんので教えてください」というご質問です。
田中:共同開発型の案件については、基本的には他のコンサルティング案件と同様のコスト構造になっています。
弊社のコンサルティング部隊のコンサルタントが参画する部分と、AI事業のAIエンジニアが参画する部分があります。このうち、AIエンジニアが参画する部分だけが通常のコンサルティングと異なる要素で、コスト構造としては、AIエンジニアの分にもしっかりと利益を上乗せするかたちでクライアントにチャージをしながら進めています。
ただし、弊社内で今後横展開していく部分の開発などは、クライアントに請求するのではなく、弊社の投資として進めています。
質疑応答:AIの脅威について
司会者:「貴社のビジネスにおいて、AIはまったく脅威にならないということでしょうか?」というご質問です。
田中:弊社のビジネスモデルとして、今後も目指している世界観については、JI型コンサルタントが挙げられます。実際にクライアントの中に入り、クライアントと一緒に協働しながら事業価値を高めていく部分は、AIに代替されるものではなく、最終的な判断を下す場面で人として必要なものであり続けると考えています。
それ以外の、特に作業に近い部分に関しては、AIエージェントに置き換えられていくと考えています。その部分は弊社の主戦場にはしておらず、以前からお伝えしているとおり、弊社の人員構成はスタッフレベルとマネージャー以上が同数、むしろマネージャー以上のほうが多いという構成になっています。
その中でAIに代替される部分については、極力弊社が開発したAIエージェントで対応しています。そのため、AIに脅かされるというよりは、AIと協働しながら最適なかたちでクライアントに価値を提供することを目指し、これを逆にチャンスと捉えて動いています。実際に今は、それが実装されてきている状況です。
質疑応答:JI型コンサル事業の顧客規模について
司会者:「JI型コンサル事業において、売上10億円超えの超大口顧客が3社に増えている背景を詳しく教えてください」というご質問です。
田中:弊社のJI型コンサルティングは、非常に粘着性が高いという特徴があります。10億円以上の売上規模を持つクライアントにおいては、1つのプロジェクトだけで10億円を稼ぐのではなく、複数プロジェクトを並行しながら、年間で10億円以上の売上を上げています。
最初は1つのプロジェクトから始まり、そこから他の事業部や部署へご紹介いただき、それぞれの役員の方々とリレーションを築きながら進めます。その過程で、1年から2年をかけてアカウント規模を大きくしていくというモデルが基本的な進め方となっています。
その仕組みがうまく機能していることで、複数の役員のもとで複数のプロジェクトを実施し、年間売上10億円以上を達成するアカウントが形成されています。これにより、1つのプロジェクトが終了しても、次の新しい領域でしっかりと仕事をいただきながら、売上を継続的に伸ばしていくことを目指しています。
質疑応答:AI関連案件の特徴と導入事例について
司会者:「AI関連の案件において、お客さまはどのようなことを御社に期待して、どのような部分に満足されているのでしょうか? 具体的な事例などを交えてご説明いただくと理解しやすいです」というご質問です。
田中:弊社が提供しているAIエージェントは、あらかじめ完成したソリューションを使うのではなく、ビジネスの中にどう埋め込むかといったプロセスも含めて、一緒に作り上げるかたちで進めています。
企画の改善提案を行うAIエージェント「グロービングくん」は、単に答えを出すAIではなく、育成の観点を含めてレビューを行うAIエージェントです。一定の水準を超えないと、上長とのディスカッションや社内企画の承認プロセスに進むことができないといった業務設計を含め、業務内に組み込まれるAIエージェントを目指しています。
他社においても、単なるツールの導入だけではなく業務設計を含めて実施することで、実際に価値を提供するAIエージェントを作り上げることが弊社の特徴です。この点を高く評価いただいており、共同開発を含めた案件が増加していると考えています。
質疑応答:中期的な成長イメージについて
司会者:「中期的な成長イメージでは、2030年5月期からAIクラウド事業が急増するように見えますが、この背景は何でしょうか?」というご質問です。
田中:現在は進行中の共同開発で成長の種をまいていますが、それが着実に伸びていくことを見込んでいます。
また、先ほどAI-Xで目指す姿をお示ししたように、2030年頃に日本国内で労働人口の減少などが非常に重大な課題となるタイミングを迎えると考えています。このような状況の中で、AIの活用がさらに進むのではないかと見込んでいます。
そのような点をしっかりと捉え、単純な効率化だけではなく、実際のビジネスで活用されて価値を発揮できるAIエージェントを導入し、それを伸ばしていくことを目指していきたいと考えています。
質疑応答:共同開発案件におけるIPの取り扱いについて
司会者:「クライアントと共同開発したAIを外販する際は、クライアントと折半して利益を計上するイメージとなりますか?」というご質問です。
田中:弊社が保有するIPとクライアントが保持するIPを明確に切り分けた上で、共同開発を進めています。
我々が保有するIPについては、特許として出願しているものもありますし、特許として出願していないものも含めて活用しながら、外販プロダクトに変えていく必要があります。その上で外販プロダクトとして横展開を進めていきます。
したがって、弊社がAIエージェントなどのツールを販売する際には、クライアントと利益を折半するのではなく、弊社が保有するIPを活用して展開するかたちを考えています。
質疑応答:コンサル事業におけるアカウント拡大戦略について
司会者:「1億円から5億円規模のクライアントも実質大幅増ですが、これは営業を強化しているのでしょうか?」というご質問です。
田中:弊社は1つの案件を基にどんどん拡大を進める方針をとっています。このため、1億円から5億円といった売上規模のあるクライアントを増やしていくことは、次の5億円、10億円、さらには10億円以上のクライアントを創出する上で、非常に重要な部分になると考えています。
そちらも常に強化しながら取り組んでおり、順調に増えている点は非常に重要なポイントと捉えています。