■飛島ホールディングスの中期経営計画の概要と進捗
1. 中長期経営ビジョン「未来を革新するStory」の主旨と概要
同社は2024年10月1日付で、単独株式移転により飛島建設の完全親会社として設立された。これに合わせて、飛島建設が2023年11月13日付で公表した「中長期経営ビジョン」を具体化した中期経営計画を含む「未来を革新するStory」を策定し、発表している。
この「未来を革新するStory」は、今までの飛島建設(グループ)から脱却して新しい姿に挑戦すること、つまり「革新への挑戦」を実践していくための計画である。そのためのグループビジョンとしては、「創業の精神」を時代と社会の変化に合わせて再定義し、その「DNA」を活かしつつ、未来の産業振興・発展を支える「なくてはならない企業」であり続けることを目的としている。
さらに、この変革(トランスフォーメーション)への道筋を示すためのプランとして「Innovate the future plan」を発表した。このプランは、未来に向けた革新を意識し、従来の枠組みや方法にとらわれず、新しい価値や可能性を創造していくこと(同社が変革していくこと)の道筋(過程)を示している。
加えて、同社グループの企業価値向上に向けた具体的なアクションプラン及び定量的目標を示すために「中期経営計画(~2027)」を策定して発表している。
「Innovate the future plan」は順調に進捗
2. 成長戦略「Innovate the future plan」
同社が発表した成長戦略「Innovate the future plan」では、変革へのトランスフォーメーションプロセスは「短期」「長期」、そしてそれをつなぐ「バトンゾーン」の3つの側面からアプローチしていくことを掲げている。下記の図は、それぞれの事業がこのプロセスにおいてどのように変革していくかを表したものだ。
3. 「中期経営計画(~2027)」の進捗
(1) 定量的目標
同社では、上記の「Innovate the future plan」に加えて、企業価値の向上と持続的成長の実現に向けた具体的なアクションプラン及び定量的目標を「中期経営計画(~2027)」として発表している。この計画では、収益基盤の拡充、株式市場から求められる資本コストや株価を意識した経営、その実現に向けて経営ガバナンスの強化等を図り、「Innovate the future plan」の実現を進めている。
最終年度である2028年3月期の目標に対し、今期の予想は売上高1,400億円、営業利益が65億円となっていることから、現在までのところ計画に沿って順調に進んでいると言えるだろう。
(2) 企業価値向上へのアクションプラン
「中期経営計画(〜2027)」におけるアクションプランの実践にあたっては、ホールディング機能を活用し、資本効率・事業成長・サステナビリティへの適合の3つの視点で、事業ポートフォリオの不断の見直しを行い、企業価値の向上と持続的成長の実現を目指す。
具体的なアクションプランとして、「収益基盤の拡充」「資本効率の向上」「サプライチェーンの再構築」「企業文化の変革と人財戦略の再構築」「ガバナンスの強化」「安定的な株主還元」を掲げている。それぞれのプランに対しては「施策」と「定量的な目標」を定めているが、現在までのところ順調に進捗している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)