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ドーン Research Memo(1):2026年5月期中間期は増収増益で、通期は11期連続の増収増益を見込む

■要約

ドーンは、地理情報システム(GIS)を活用したシステムの開発・販売を行う企業である。中央省庁や地方自治体、電力会社などでの採用実績が多く、信頼性が要求されるシステムに定評がある。GISエンジンソフトのライセンス販売や受託開発を長年にわたり事業の柱としてきたが、近年は防災や防犯関連のクラウドサービスで業績を伸ばしている。主力の「NET119緊急通報システム」は全国の消防団体で採用され、人口カバー率で7割を超え、安定期に入っている。もう1つの主力商品である、消防向けの映像通報システム「Live119」が拡大期に入り人口カバー率で5割を超えた。また、映像通報技術を応用した映像通話システム「Live-X」、災害情報共有サービス「DMaCS」、自治体向けの「防災アプリ」も好調に推移している。2024年7月には、エッジAI技術を所有する(株)tiwakiと資本業務提携を行った。

1. 2026年5月期中間期の業績概要
2026年5月期中間期の業績は、売上高が646百万円(前年同期比1.7%増)、営業利益が206百万円(同7.6%増)、経常利益が213百万円(同9.4%増)、中間純利益が148百万円(同7.8%増)と、順調に増収増益で折り返した。売上高に関しては、前年同期に大型案件の影響があり、SI初期開発売上(約93百万円)からの反動等が減少要因となったものの、ストック型収益であるクラウド利用料の順調な増加に加え、ライセンス販売において消防防災を中心に新規・更新受注があるなど増加要因が上回り、増収となった。営業利益は同7.6%増と堅調だった。収益性の高いクラウド利用料が伸びたことを主因に売上総利益が同7.0%増加したのに対し、販管費は同6.0%増と人件費等が増加したものの相対的に伸びを抑制した。結果として、営業利益率は31.9%と高い水準を維持した。

2. 2026年5月期の業績見通し
2026年5月期の業績は、売上高が1,700百万円(前期比3.3%増)、営業利益が610百万円(同6.3%増)、経常利益が617百万円(同5.7%増)、当期純利益が435百万円(同4.1%増)と、期初予想を据え置き11期連続の増収増益を見込んでいる。2026年5月期は第2次中期経営計画の初年度であり、継続テーマである「Gov-tech市場の深耕」において既存事業の安定的な拡大を図りつつ、新たな成長軌道への第1歩を踏み出している。強固な基盤を持つ「NET119緊急通報システム」を維持しつつ、主力の映像通報システム「Live119」を拡大させる。営業利益に関しては、人的資本の強化に伴う採用活動費・人件費等の増加を織り込み、やや低めの伸びを予想しているが、同社はクラウド利用料を中心としたストック型の事業モデルを構築していることから、業績予想の下振れリスクは低いと弊社では見ている。同社の業績は、年度末である3月に納期を迎える受託開発プロジェクトが一定のボリュームを占めるため下期偏重となる。中長期的な観点では、エッジAI技術・特許技術と既存クラウド技術・サービスの融合によるサービスの進化が期待できる。また、強固な財務基盤を維持しているため、さらなるM&Aによる技術領域の拡大の可能性がある。

3. 戦略・トピックス
警視庁を通じて提供する防犯アプリ「Digi Police※」に、2025年12月より、新たに「国際電話ブロック機能」を搭載し、提供を開始した。この機能により、海外からの不審な電話を自動的にブロックし、利用者が振り込め詐欺や国際的な特殊詐欺に巻き込まれるリスクを大幅に軽減できるようになる。近年、海外からの不審な着信による詐欺被害が増加しており、特殊詐欺に利用された電話番号の多く(6割から8割)が海外からの国際電話番号であると報告されている。新機能は、1) 海外番号の自動検知・ブロック、2) 利用者自身での番号登録不要、3) 詐欺被害防止に直結、を特徴としており、同類のアプリと比較して速報性に優れ、利用者の負担がないため、深刻な社会課題の解決に貢献するとともに、同社アプリの利用地域の拡大も期待できる。

※ 警視庁の防犯アプリであり、犯罪発生情報の配信に加え、女性や子供の安全を守る「痴漢撃退」や「ココ通知」を搭載し、その他にも利用者に当事者意識を持たせるコンテンツ等も充実している。

4. 株主還元策
同社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題として位置付けており、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、累進配当を基本方針としている。この方針の下、好調な業績を背景に連続増配を続けており、2025年5月期の配当金は前期比4.0円増の24.0円、配当性向17.6%となり、10期連続の増配となった。2026年5月期の配当金は前期比2.0円増の26.0円、配当性向18.1%と、11期連続の増配を予定している。業績の拡大による安定的な増益とともに、将来的には配当性向の上昇余地もあるため、増配ペースが上がる可能性もあると弊社では見ている。また、2026年1月からは自己株式取得(上限200百万円、上限100,000株)を前期の約2倍の規模で行っており、還元性向の向上が期待できる。

■Key Points
・独自技術を強みに、安心・安全分野の公共クラウドサービスで安定成長
・2026年5月期中間期は、クラウド利用料がけん引し増収増益
・2026年5月期通期は、ストック中心の収益基盤により、11期連続の増収増益を見込む
・防犯アプリ「Digi Police」に振り込め詐欺や国際的な架電被害を未然に防止する新機能搭載
・2026年5月期の配当金は11期連続の増配予定。自己株式取得を倍増、株主還元の向上を期待

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

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