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インテリジェント ウェイブ、上期売上高10.8%増 決済領域が堅調、品質対応を進め利益率の回復へ

本日の目次

川上晃司氏(以下、川上):みなさま、おはようございます。株式会社インテリジェント ウェイブ代表取締役社長の川上です。本日はご多忙の中、当社の決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

さっそくですが、2026年6月期上期決算についてご説明します。本日のご説明内容はスライドのとおりです。

2026年6月期上期 業績サマリー

2026年6月期上期決算の状況です。概況として、主力の決済領域が堅調に推移し、売上高は前年同期比10.8パーセント増の83億5,200万円、営業利益は前年同期比2.1パーセント増の8億7,500万円となりました。

売上高は前年同期比10.8パーセント増の成長率となりましたが、第2四半期にはFEPシステム更改に伴うハードウェア売上が多く計上されています。この影響を除けば、第1四半期に引き続き堅調に推移したと評価しています。

利益については第1四半期に続き、品質対応の影響を受け、前年同期比2.1パーセント増の伸びにとどまりました。期初計画に対しては、売上高はほぼ計画どおり確保していますが、利益は品質対応の影響により計画には届きませんでした。売上高と利益の詳細については、後ほどご説明します。

受注に関しては、前年にはクラウドサービスやセキュリティで複数年契約案件を複数受注していたため、受注高・受注残高ともに減少しました。受注高は前年同期比44.6パーセント減の70億6,500万円、受注残高は前年同期比12.7パーセント減の190億2,400万円です。

2026年6月期上期 売上高(事業領域別)

事業領域別の売上状況です。決済領域では、クラウドサービスを中心に増加しました。

また、既存顧客のFEPシステム更改や、昨年1月に開始した金融機関向けインフラ運用サービスなどにより、売上が増加しています。

セキュリティ領域は、大手顧客へのセキュリティ製品の導入などにより増加しました。

2026年6月期上期 売上高(製品カテゴリ別)

製品カテゴリ別の売上状況です。システム開発は、数年来の大型案件が終息に向かっていることもあり、前年同期比では減少していますが、この減少を織り込んだ計画の水準は確保しています。

クラウドサービスは、顧客数の増加や既存顧客による機能追加などにより増加しています。

他社製品については、概況でお伝えしたとおり、FEPシステム更改に伴うハードウェアの売上が計上されています。

2026年6月期上期 営業利益

営業利益についてです。前回の決算説明会でもお伝えしたように、クラウドサービスを提供する一部顧客への品質対応の影響により、保守を含めた決済領域全体の売上総利益率が低下し、1,800万円の増加にとどまりました。

この品質対応の問題については、たいへんご心配をおかけしております。これまでの決算説明会でもお伝えしてきましたとおり、当社にとっては今後の決済領域の成長を見据えた重要なスキームであること、また、ご採用いただいている顧客においても戦略的な案件として位置づけられていることから、システム開発は当然のことながら、システム要件外の対応も含め、慎重に進めています。

その結果、終息に向けた取り組みに遅れが生じています。2月6日現在、最後の調整を進めており、当月中にはサービスインする予定です。

また、決済領域では現在、FEPシステムの新バージョンへの移行を順次進めています。立ち上げに伴い一定程度負荷が高まっている状況ではありますが、それ以外の案件に関しては、利益面で特段の問題は発生していません。

セキュリティ領域については、前回に続き売上総利益率が低下していますが、この領域の成長戦略に関しては、後ほど詳しくご説明します。

販管費については、コーポレート機能を強化したこともあり、前年同期比で増加していますが、計画の範囲内です。

2026年6月期上期 営業利益推移

営業利益の推移です。詳しくは後ほどご確認ください。

受注高(製品カテゴリ別)

受注高の状況です。先ほどもお伝えしましたが、前年はクラウドサービスやセキュリティ、金融機関向けインフラ運用サービスなど、ストック型の複数年契約案件を複数受注したことにより、受注高全体は減少しています。

一方で、システム開発の受注については、大手カード会社向けの更改案件を複数確保し、全体では34億8,400万円と、前年同期比で微増となりました。先ほど触れた品質対応の影響により一部で機会損失が発生した面もありますが、コンディションを整え、引き続き提案力を強化し、案件の創出に努めていきたいと考えています。

受注残高(製品カテゴリ別)

受注残高の状況です。先ほどの受注高の説明と同様に、受注残高も縮小しています。

一方、現在はFEPシステムの更改需要をしっかり確保しています。また、FEPシステムの新バージョン移行もすでに複数受注し、開発に着手しています。さらに、不正検知分野でも複数の大型更改案件を受注し、下期から開発を開始します。

参考)ストック/フロー別の売上高・受注残高

参考までに、ストック・フロー別の受注残高の推移となります。受注残高は複数年契約案件の受注の影響で全体では減少していますが、フロー型の受注残高については、品質問題を抱えながらも、タイミングを見計らいながら受注活動を推進した結果、2025年6月期第2四半期と比較して増加しています。

通期計画に対しては十分な水準とは言えないものの、引き続き新規案件の確保に注力し、受注残高の積み上げを図っていく方針です。

2026年6月期 業績予想

2026年6月期の業績見通しについてご説明します。通期の見通しは依然として厳しい状況ですが、期初の業績予想からの変更はありません。

2026年6月期 業績予想進捗

上期実績を反映した事業領域別の通期計画に対する進捗状況です。下期については、先ほど受注高の説明でお伝えしたように、大手カード会社のシステム更改案件が始まる予定です。

加えて、フロー型開発案件のさらなる積み上げと生産性向上により、売上総利益率の一層の向上を目指し、計画達成を目指していきます。

セキュリティ領域では、下期に上期以上の高い目標を掲げています。現在進めている成長戦略に基づき、早期に成果を出せるよう、質と量の両面で取り組みを強化していきたいと考えています。

株主還元

株主還元についてです。中間配当は期初計画どおり、1株当たり17円としました。期末配当についても変更していません。

上期振り返りと現状認識

続きまして、中期経営計画の進捗状況についてご説明します。

まず、上期を振り返ると、増収増益を確保したものの、品質問題の影響がなければ、収益機会や受注機会をさらに伸ばせたと考えています。下期については、営業や開発のコンディションを整え、機会創出の最大化に努めていきたいと考えています。

当社の現状と課題については、スライドに記載のとおりです。課題としては大きく3点あります。

1点目は「決済案件の規模拡大と多様化に対応する開発体制・開発環境の最適化」です。この点については、近年の業容拡大に伴うリソースの逼迫、開発部門の最適配分、インフラや開発環境に関するコスト構造などに課題があると考えています。

2点目は「決済ソリューションの付加価値向上と領域拡大」です。決済ソリューションの提供価値拡大およびFEPや不正検知分野以外への領域拡大に、まだ課題があると考えています。

3点目は「セキュリティ領域の成長戦略」です。自社製品「CWAT(シーワット)」の商品性や、セキュリティ事業全体の規模の停滞が課題だと考えています。

次ページからは、当社の現状と課題認識について、「収益基盤の強化」「決済ソリューションの付加価値向上と領域拡大」「セキュリティ領域の付加価値向上と販売体制の強化」の3つの観点からご説明します。

収益基盤の強化(品質強化と生産性向上)

まずは、収益基盤の強化についてです。

品質強化に関しては、今回の品質問題を受け、個別案件にとどまらず、会社全体で課題を分析し、制度や体制の是正策を策定し、実行に移しています。また、AIなどを活用したレビュー精度の向上や、社員教育プログラムの再構築にも取り組んでいます。

さらに、システム運用とインフラ基盤の集約および効率化も進めています。この件について、従来はスライドの図にあるように、案件ごとに個別でインフラ構築とシステム運用を行っていました。しかし、事業規模の拡大に伴い、これらを全社的に集約し、標準化および自動化を進める方針へと転換しました。

システム運用では、すでに環境構築を開始しており、標準化・自動化に向けた取り組みをいっそう進めていきます。また、当社のクラウドサービスにおいては、収益性向上を目指し、インフラと運用の効率化も併せて進めています。オンプレ開発側の効率化施策と併せて、全社横断での最適化を図っていきます。

さらに、大日本印刷株式会社(以下、DNP)が保有する決済システムについても、当社への集約に向けた検討を順次進めています。現在は運用業務の集約から具体的な検討に入っている段階です。

決済ソリューションの付加価値向上と領域拡大

次に、当社の決済ソリューションの付加価値向上と領域拡大の取り組みについてご説明します。

まず、主力のFEP製品は、クラウド対応の新バージョンの開発が完了し、対象となるサービスをご利用のお客さまにおいて、EOLの案内と同時に新バージョンへの移行を開始しています。

基本的にはお客さまのシステム更改のタイミングでの移行となりますので、移行が完了するには3年から5年くらいかかる見通しを立てています。

この新バージョンへの移行に伴い、当社の開発および運用の効率性が向上する見通しを立てています。また、新バージョンはクラウド対応の製品であるため、FEP分野におけるオンプレミスでのオープン化に対応する技術者育成を進めるとともに、開発体制の強化も並行して進めています。

不正対策の高度化および決済領域における提供価値の拡大については、決済事業者間連携の取り組みとなります。

不正対策では、イシュアにおける不正検知精度の向上と業務負荷軽減を目的として、DNPの3Dセキュアシステムとの連動や、多数のイシュアが参加しているJCBさまの配送停止機能との連携強化に、現在も具体的に取り組んでいます。

また、決済領域における提供価値の拡大については、これまでは外部接続スイッチング機能や加盟店管理、不正検知といった業務プロセスを通じて、当社から機能や価値を提供していましたが、現在は当社のクラウドサービスであるFEPサービスやアクワイアリングサービスを掛け合わせ、新たなソリューションの検討を進めています。

これらの不正対策や新しい機能の掛け合わせによる価値提供の取り組みは、当社の決済ソリューションをクラウドサービス化したことで、決済事業者間連携の取り組みがスムーズに進展するとともに、当社サービス間や外部サービスとの連携も容易になってきました。できるだけ早期にサービス化し、収益に貢献できるよう取り組んでいきます。

セキュリティ領域の付加価値向上と販売体制の強化

最後に、セキュリティ領域についてです。
自社製品「CWAT」については、これまで新機能・新サービスの開発にはあまり取り組んでいませんでしたが、現在の環境を鑑み、製品導入の障壁を低減するための機能分割や、UI・UXの見直しによる運用負荷の軽減といった面で商品性の向上を図っています。7月にはリニューアルを予定しており、現在開発を進めています。

「CWAT」は内部情報漏えい対策製品としてご認識いただいているかと思いますが、昨今の経済安全保障の観点からも、これまで以上に提案の機会が増えると考えています。商品性をさらに高め、販売拡大を目指していきます。

さらに、海外での展開も進めています。スライドに記載のとおり、1月にはフィリピンのIT商社と販売代理店契約を締結しました。

またセキュリティ領域は、現在はエンドポイント製品を中心とした単品販売が主なビジネスモデルとなっていますが、このモデルの変革にも着手しています。エンドポイント製品中心のラインナップから、ネットワークセキュリティ製品のラインナップを拡充し、より包括的なセキュリティサービスを提供できるように取り組みを進めています。

さらに、当社の決済システム運用部隊と連携し、24時間365日のセキュリティ運用監視体制を構築しました。これにより、人材や体制に課題を抱える中堅企業を対象に、セキュリティサービスの提案を開始しています。こうした取り組みにより、セキュリティ領域の成長を着実に進めたいと考えています。

以上で、2026年6月期上期の決算説明を終わります。資料にはこのあと参考資料を添付していますので、お時間のある時にご覧いただければ幸いです。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:FEPのハードウェア販売の売上増加について

司会者:「FEPのハードウェア販売が計画を上回ったように見えますが、これは上期への前倒し計上でしょうか? それとも、案件規模の拡大による上乗せでしょうか?」というご質問です。

川上:上期への前倒しも事実ですが、案件規模の拡大という観点もあります。下期については、規模拡大に対してしっかりと対応するとともに、上期への前倒し計上の影響が残らないように取り組んでいく所存です。

質疑応答:品質問題への対応に伴う業績への影響について

司会者:「品質問題への対応は今月いっぱいかかるとのことですので、第3四半期の業績にもまだ影響は残るという認識でよろしいでしょうか?」というご質問です。

川上:みなさまにご心配をおかけしている点はご指摘のとおりで、第3四半期までは影響が残ると考えています。

ただ、最終段階に入っており、今月にはリリースを予定しています。具体的には今月末ではなく、それよりも早いタイミングで計画しています。そのため、第3四半期にも一定程度の影響は残りますが、全体に影響を及ぼすというわけではありません。

コンディションとしては、我々のタスクはすでに終了しています。今後の提案活動や開発に対するリソース配分、環境整理なども順次対応が進んでいるため、売上総利益率の向上には一定程度の手応えを感じています。

質疑応答:FEPのクラウド化に対する顧客動向の現状と見通しについて

司会者:「FEPはオンプレミスが主流との認識ですが、クラウド化に対する顧客の動向について、現状と見通しを教えてください」というご質問です。

川上:当社のFEPについては、これまでもご案内しているとおり、オンプレミスとクラウドのハイブリッドで提供しています。

これまでクラウド対応やオープン化に対する需要をしっかりと捉え、複数の受注を獲得してきた実績もあります。一方、外部環境的にはクラウドにおける品質や利用料の観点から、ハードウェア更改の需要も引き続き堅調です。そのような状況を踏まえ、両面で対応していきたいと考えています。

当社の強みはFEPであると考えています。幅広い選択肢を通じ、お客さまの価値向上に貢献していくとともに、FEPのクラウド化により、新しい機能の提供や、他のサービスとの連携など、新たな価値の拡大も図っていきたいと考えています。

質疑応答:DNP決済システムの当社への集約について

司会者:「システム運用とインフラの集約に関して、DNPの決済システムの運用も御社に集約するという話がありました。もう少し具体的に教えていただけますでしょうか?」というご質問です。

川上:DNPも決済サービスを提供しており、DNPの決済システムのインフラについては、当社と似たような対応を行っています。これを、DNPグループ全体として効率化を図るという観点から、当社が得意とする運用業務を集約していくところからまず着手しています。

いずれは決済領域全体の当社への集約も視野に入れながら対応していきたいと考えています。DNPグループとしては、決済サービスにおける生産性の効率化や収益性の向上を図る施策の1つであると考えています。

質疑応答:セキュリティ領域の海外展開について

司会者:「『CWAT』の海外展開の話がありましたが、具体的に、今後はどのくらい海外で売っていこうと考えているのでしょうか? 海外でのニーズや販売体制などについても教えてください」というご質問です。

川上:セキュリティ領域の海外展開においては、当社の自社製品である「CWAT」を軸に展開していきたいと考えています。

現在は市場探索フェーズに近い状況です。以前に台湾のお話をお伝えしましたが、フィリピンにおいては、一定程度の情報漏えい対策製品の需要があることを確認できました。

またこれらは、当社が単独で展開するのではなく、現地の有力なITサービスを提供する企業や商社、セキュリティを扱う企業といった有力なパートナーと連携し、販路を拡大するとともに、価値を提供していきたいと考えています。

単体での販売はもちろん、「CWAT」の機能を提供し、現地の有力パートナーが提供するサービスに組み込むことも視野に入れて進めていきます。

フィリピン市場については、かなり具体的な進展が見込めると考えています。現地で「CWAT」の技術支援スタッフを育成するスキームが整いつつあるため、これを軸としてフィリピン市場をしっかりと立ち上げたいと思います。その成功事例をもとに、他の東南アジア諸国への展開を図りたいと考えています。

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