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サカタインクス、営業利益は3期連続で過去最高 欧米パッケージインキ堅調でINX C&Aも寄与

目次

上野吉昭氏(以下、上野):サカタインクス代表取締役社長執行役員の上野です。本日はお忙しい中、ご参加いただき、誠にありがとうございます。

2025年12月期の決算について、ご覧のとおりの内容でご説明します。

2025年12月期 決算要点 (長期ビジョン 基本方針)

2025年12月期決算の要点です。

2025年は、事業拡大と収益力強化の期間と位置付ける「中期経営計画CCC-II」の2年目であり、2030年を目標とする長期ビジョンの中間点でもありました。

2025年12月期 決算要点

2025年の業績については、主力であるパッケージ用インキの販売は、特に欧米市場において堅調に推移し、加えて、買収したINXC&A社についても、計画どおり業績に貢献しています。

米国の関税問題については、早期に適切なプライシング戦略を実行した結果、影響は限定的となりました。

これらの結果、営業利益は3期連続で過去最高を更新しました。

2026年の業績予想は、引き続き成長地域におけるパッケージ用インキやサステナブル製品の拡販に加え、衣・食・住分野でのインクジェットインキ、さらに次世代ディスプレイやセンサーなどをターゲットとした新たな画像表示材料などの拡販を進めることで、今期も増益を目指していきます。

株主還元については、10億円の自己株式取得を実施したことに加え、配当については、予定より、5円増配し、2025年の年間配当は1株あたり95円とします。

なお、2026年については、年間配当をさらに増配し、1株あたり100円とする予定です。

また、本日新たに10億円の自己株式取得も発表しました。また、トピックスとして、2025年11月に持株会社体制への移行を発表しました。

持株会社体制への移行

当社のさらなる成長のために、資本コストを上回る収益を継続的に創出し、成長市場へ、資本効率を重視した戦略的な投資がこれまで以上に重要となっています。

また、当社はこれまで、地域に根差したビジネス展開を進めることで、多くのお客さまから信頼をいただき、着実に業績を拡大してきました。

一方で、近年ではグローバルに事業を展開されるお客さまも増加しており、当社としても、地域の枠を超えたグループ一体での連携を強化し、機動的にお客さまのニーズに対応する機会が増えています。

このような取り組みをさらに推進していくためには、グループ全体のガバナンスを強化し、迅速な意思決定と高度な監督機能を実現することが不可欠であると考えています。

そのため当社は、持株会社体制への移行および監査等委員会設置会社への移行が必要であると判断し、今回の発表に至りました。

事業拡大・収益力強化に向けて

当社の事業について、あらためてご説明します。

スライドのグラフが示すとおり、当社の売上および利益は、いずれも順調に拡大しています。

当社は、人口増加や、経済成長によって中間層が拡大する海外の成長地域を中心に、パッケージ分野やメタルインキの拡販に注力しています。

加えて、産業用インクジェットインキをはじめとするデジタル領域は、用途の広がりを背景として、今後も大きな成長が期待できる分野です。

さらに、サステナブルな包装需要の高まりを受け、米国企業の買収を通じて拡大を進めているコーティング剤事業も、当社の成長を加速させています。

こうした取り組みを着実に推進し、2030年の長期ビジョンの達成に向けて、事業拡大と、収益力の強化を図っていきます。

コーティング剤事業領域の拡大

当社が、新たに注力している事業の一つが、機能性コーティング剤事業です。

現在、パッケージ業界では、欧州を起点に、PPWRなどをはじめとした環境規制の強化を背景とする、サーキュラーエコノミーに対応した新たなパッケージへの期待が高まっています。

日本においても、循環型社会を形成するための法体系が整備され、リサイクル包材の拡大が見込まれています。

このような流れが、今後もグローバルに拡大すると想定しており、リサイクルの促進にも寄与するコーティング剤事業に、大きな成長ポテンシャルがあると考えています。

新規事業開発ロードマップ – エレクトロニクス領域強化戦略と進捗

新規事業の取り組みの一つとして、エレクトロニクス分野での展開が着実に進展しています。

昨年には、電子回路などにおける日本最大の国際展示会に出展し、多くのお客さまから高い関心をお寄せいただきました。

その結果、特に半導体デバイス周辺で使用される、電子部材などに関わる材料開発が有望であると認識し、お客さまとの密な技術的アプローチを通じて、具体的な開発を進め、事業の確立を目指しています。

通期連結業績

白藤貴幸氏:取締役執行役員の白藤です。私からは、2025年の実績、2026年の業績予想、そしてセグメント別の概況および今後の戦略についてご説明します。

まず、2025年の実績からご説明します。

昨年の世界経済は、欧州のみならずアジアにおいても地政学リスクが懸念される状況が続いたほか、米国の関税問題が各国経済に少なからず影響を与えました。これにより、物価上昇を背景とした個人消費の低迷が見られ、全体としては販売数量の伸びが低調な一年となりました。

2025年については、売上高2,576億円、営業利益152億円、経常利益153億円、親会社株主に帰属する当期純利益116億円となりました。

2025年12月期 前期比 要因別増減

売上高、営業利益の要因別増減をご説明します。

まず、売上高については、国内における機材販売を戦略的に縮小したことにより一部減少があったものの、米州、欧州におけるパッケージ用インキの拡販や、機能性材料におけるインクジェットインキの需要増加と拡販に加え、衣・食・住分野向けの新製品展開が寄与し、また画像表示材料については、生産設備の増強によりコスト競争力が向上したことで、販売が伸長したことなどにより、121億円の増収となりました。

営業利益については、米国において人件費高騰に伴うコストの増加があったものの、米州や欧州でのパッケージ用インキの拡販、日本および米国での価格改定効果、ならびにアジアでのサプライチェーン戦略などにより、これらのコスト増を吸収することができたことに加え、コーティング剤事業も計画どおりとなり、営業利益は20億6,000万円の増益となりました。

セグメント別 実績 (売上高・営業利益)

各セグメントの実績について、全体の概要はご覧のとおりです。詳細は後ほどご説明します。

連結貸借対照表

連結貸借対照表については、ご覧のような結果となりました。

キャッシュフロー計算書

キャッシュ・フロー計算書については、ご覧のような結果となりました。

通期連結業績予想

通期予想についてご説明します。

今後の世界経済については、地政学リスクやインフレ動向が引き続き意識されるものの、当社が主力とするパッケージ市場においては、食品や日用品をターゲットとするエッセンシャルなマーケットとして、全体としては緩やかな成長が続くものと想定しています。

2026年については、売上高2,760億円、営業利益170億円、経常利益178億円、親会社株主に帰属する当期純利益は118億円を予想しています。

2026年12月期 前期比 要因別増減 予想

売上高および営業利益の増減要因についてご説明します。

売上高については、インキおよび機能性材料の拡販に加え、コーティング剤事業の売上拡大を着実に推し進めることにより、増収を見込んでいます。

営業利益は、事業投資の拡大や、DXの推進、インフレを背景とした人件費などのコスト上昇を想定しています。一方で、グループ全体での拡販効果に加え、事業構造改革の推進による効率化などにより、これらのコスト増を吸収し、4期連続での最高益更新を目指していきます。

セグメント別 予想

セグメント別の業績予想については、ご覧のとおりです。

事業環境認識

セグメント別の概況と戦略についてご説明します。

昨今の世界情勢における大きな変化を受け、当社を取り巻く事業環境も大きく変化しており、原材料調達や製品供給に関するリスクの高まりに加え、環境規制の強化やサーキュラーエコノミーへのシフトなど、さまざまな課題が顕在化しています。

当社は、これらの変化を、「成長に向けた機会」と捉え、サステナブルなパッケージに対応した研究開発および製品展開を進めたことで、収益拡大につながっています。

印刷インキ・機材 (日本)

具体的なセグメント別の状況についてご説明します。

はじめに、日本セグメントについてです。

2025年の実績については、物価上昇による食料品への個人消費が冷え込んだ影響を受け、パッケージ用インキの販売は低調に推移しました。

また、円安の影響に加え、人件費や物流費の採算是正を理由とした原材料価格の上昇、さらにはインフレ対応による賃金のベースアップなど、コスト上昇要因もありました。

一方で、一昨年から粘り強く取り組んできた価格改定の効果や、不採算事業の整理を含む事業構造改革の効果が着実にあらわれ、営業利益は、前期比55パーセントの大幅な増加となりました。

2026年の業績予想については、トルエンフリーや、PFASフリーの環境配慮型製品拡販による、新規顧客の獲得を進めていきます。

あわせて、価格改定や、不採算品目の削減をはじめとした構造改革を進めていくことで、売上高は微減となるものの、営業利益は増加を見込んでいます。

印刷インキ (アジア)

アジアセグメントについてご説明します。

2025年については、米国関税の影響、各国における不安定な地政学的要因が経済活動にマイナスの影響を与えました。

こうした状況下においても、パッケージ用インキの販売数量は前年並みにとどまったものの、売却した中国のオフセットインキ事業の売上がなくなった影響により、売上高は3パーセントの減少となりました。

一方、営業利益については、アジア統括会社が主導するサプライチェーン戦略の効果に加え、下期にかけて経済の回復基調と拡販により、販売数量が前年を上回ったことから、営業利益は69億円、20パーセントの増加となりました。

次に、2026年の業績予想については、昨年下期からの販売回復基調が継続すると見込んでおり、特に主力市場であるインド、インドネシア、ベトナムにおける需要拡大と拡販を想定しています。

また、2026年中にベトナムへ新たなメタルインキの生産ラインを導入する予定であり、今後はアジア地域におけるメタルインキの生産拠点として位置づけ、拡販を加速していきます。

印刷インキ (米州)

米州セグメントについてご説明します。

2025年の実績は、人件費の高騰が継続したものの、消費は底堅く推移し、パッケージインキおよびメタルインキの販売が堅調に伸長しました。また、INX C&A社を含む米州コーティング剤事業が好調に推移した結果、米州セグメント全体の収益力向上に寄与しています。

その結果、営業利益は52億円となり、大幅な増益を達成しました。

次に、2026年の業績予想については、北米で、引き続き人件費の上昇圧力が想定されるものの、パッケージおよびメタルインキの拡販や、コーティング剤を含めたトータルパッケージング・ソリューションの提案力強化に取り組んでいきます。

南米においては、ブラジル新工場の本格稼働に伴い、生産能力の増強、中南米諸国における販売体制の拡大を実施し、一層の拡販体制の強化を進めていきます。

以上を踏まえ、2026年は売上高1,095億円、営業利益55億円と、引き続き増収増益を見込んでいます。

印刷インキ (欧州)

欧州セグメントについてご説明します。

欧州市場は、最も環境規制が厳しい市場であり、水性化、低VOC、脱墨性など、高度な環境対応力が求められるエリアです。当社は、こうした特性を踏まえ、環境配慮型インキの提案を継続的に強化してきました。

2025年の実績は、パッケージ用インキを中心に販売が堅調に推移しました。メタルインキについては、一部をベトナムへ生産移管したことにより、数量は減少したものの、欧州域内でのメタルインキ販売は着実に伸長しました。

2026年の見通しについては、欧州統括会社を中心に販売体制の再構築を進めており、成長余地の大きい東欧、中東、アフリカ地域への販売拡大に取り組んでいきます。

すでにポーランドおよびトルコに現地法人を設立しており、これらを拠点として、欧州におけるプレゼンスのさらなる向上を図ることにより、売上高は240億円、営業利益は3億円を見込んでいます。

なお、これら欧州での取り組みは、欧州セグメントの拡大にとどまらず、グループ全体のグローバル展開を牽引する上でも、重要な役割を果たすものと考えていることを次のスライドでご説明します。

印刷インキ (欧州)

欧州は世界の環境規制の発信拠点でもあり、欧州に本社を置くブランドオーナーやコンバーターから、リサイクルを前提としたパッケージングソリューションが強く求められています。

また、ここで求められる環境規制は、米州、アジア、日本へと波及していくため、欧州でのビジネスは、収益への貢献にとどまらず、グローバル展開のための起点といえます。

機能性材料

機能性材料セグメントについてご説明します。

2025年は、水性タイプの産業用インクジェットインキ販売量は減少したものの、比較的単価の高いUVタイプの販売が伸長しました。既存分野に加え、注力している衣・食・住の新規分野での拡販や、新規プリンターへの採用も着実に進みました。

また、画像表示材料は、需要が比較的堅調に推移したことに加え、中国において、ブラックマトリクスの生産を強化したことにより、販売数量が増加しました。

これらの結果、売上高は前期比5パーセントの増加となったものの、研究開発費や体制強化に伴う経費増加により、営業利益は約9パーセントの減少となりました。

2026年の予想については、販売好調なインクジェットインキの大幅な拡販と、画像表示材料において中国での生産体制の強化によって、コスト競争力を高めることで、売上高302億円、営業利益32億円の増収増益を見込んでいます。

投資実績および予定額(非連結含む)

設備投資についてご説明します。

当社は、2024年から2026年までの3年間で、累計250億円規模の設備投資を計画しています。

設備投資については、引き続き成長ドライバーである米州およびアジアを中心に、生産能力の増強と供給体制の最適化を進めていきます。

また、戦略的投資については、欧州における、生産・販売・技術サポートの一体運営を進め、成長余地の大きい地域での拡販に向けた投資を実行していきます。

引き続き、成長市場におけるシェア拡大と収益基盤の確立につなげていきます。

企業価値向上のための取り組み施策 【キャッシュアロケーション】

上野:資本政策と株主還元について、再び私よりご説明します。

本日、「資本コストと株価を意識した経営の実現に向けて」の資料も更新しました。その中から企業価値向上に向けた資本効率化の取り組みについて、要点を抜粋してご説明します。

まず、キャッシュアロケーションについて、グラフの薄い色の部分が、3年間の中計の計画値を示しており、濃い色の部分が中計2年間の実績となります。

ご覧のとおり、各項目とも概ね3分の2まで進捗しており、計画どおりに推移していることがおわかりいただけるかと思います。

また、バランスシートの改善も着実に進んでおり、成長投資への活用とあわせて、総還元性向50パーセント以上という目標の達成に向け、株主のみなさまへの還元も継続的に実施していきます。

次のスライドでは、企業価値向上に向けた昨年の主な取り組みについて、ご説明します。

企業価値向上のための取り組み施策 【2025年に実施した資本政策】

2025年に実施した資本政策として、政策保有株式については、目標として掲げていた50パーセント以上の縮減を達成しました。

また、金融機関が保有していた当社株式の売り出しを実施した結果、個人株主比率は約5ポイント向上しました。

これにより、株式の流動性向上も期待しています。さらに、株主還元の拡大にも取り組んでいます。

株主還元

2025年の年間配当については、期初に予定していた20円の増配に加え、さらに5円増配し、95円とします。これにより、配当性向は40パーセントとなっています。

また、2025年は10億円の自己株式取得も実施しており、配当とあわせた総還元性向は49パーセントとなりました。

2026年の年間配当については、さらに5円増配し、100円を予定しているほか、10億円の自己株式取得についても、本日発表しました。これらにより、総還元性向50パーセント以上の達成を見込んでいます。

今後も、このような一貫した資本政策を通じて、最適な資本構成の追求と企業価値の最大化を目指していきます。

2025年12月期の決算説明は以上です。ありがとうございました。

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