クリエートメディックとは?
今澤修氏:クリエートメディック株式会社、代表取締役社長の今澤です。
本日は、2025年12月期決算概要、中長期経営計画の取り組み、資本コストや株価を意識した経営の取り組み、今後の株主還元方針についてご説明します。
まず、当社の会社概要からご説明します。
当社は、カテーテルの開発から製造、販売までを一貫して行うグローバル医療機器メーカーです。現在、海外に3つのグループ会社を保有しており、全売上の33.8パーセントを海外売上が占めています。国内が約66パーセント、海外が約34パーセントという構成比です。
主力事業のシリコーンカテーテル
私たちの最大の強みは、生体適合性に優れたシリコーン製カテーテルにあります。この領域において、泌尿器・消化器分野では高いシェアを誇っています。 製品ラインナップは100種類以上に及び、国内外の生産拠点での徹底した品質管理と、市場ニーズを即座に汲み取る機動的な製品開発力が、当社の成長を支えるエンジンとなっています。
2025年12月期実績 決算ハイライト
さて、ここからは2025年12月期の決算実績についてご説明します。
結論から申し上げますと、国内販売と輸出販売が非常に堅調に推移し、売上高は前年比プラス4.5パーセントの136億1,700万円となりました。内訳は自社販売が新製品と原価高騰を背景にした価格改定により好調でした。海外販売は欧州向け輸出販売が好調の一方、中国において微減となりました。
そして利益面ですが、売上の増加に加え、価格改定の効果がしっかりと寄与したことで、営業利益は前年比プラス45.1パーセントの10億500万円という大幅な増益を達成することができました。
販管費は人件費が給与賞与の処遇改善により増加も、退職給付費用の減少により減少となりました。また、経費は研究開発費がプラス2,400万円となりましたが、前期の本社移転にかかる消耗品費・減価償却費の減少により全体でも減少しました。
営業外・特別損益では、円安の影響により為替差損が増加し経常利益はプラス31.7パーセントの9億8,800万円、前期の本社売却による特別利益が剥落したため当期純利益はマイナス15.1パーセントの7億1,300万円となりました。
売上・利益ともに当初の計画を上回る良い結果が出せたと考えています。
2025年12月期実績 売上推移
売上の内訳をもう少し詳しく見ていきましょう。
まず、当社の売上構成比の大部分を占める「自社販売」についてです。こちらは、主力の泌尿器系製品が堅調だったことに加え、新製品の立ち上がりが非常に好調でした。価格改定の効果も相まって、前年比プラス7.7パーセントの77億3,400万円となり、会社全体の売上を強力に牽引しています。
一方で「海外販売」についてです。欧州市場は好調に推移したものの、売上構成比の大きい中国市場においては、各省が医療費削減のため入札により一括して調達する「集中購買」が泌尿器系製品を中心に実施された影響を受け、売上が減少しました。その結果、海外販売全体としては前年比マイナス0.2パーセントの45億9,800万円という着地になっています。
2025年12月期実績 営業利益の増減分析
営業利益面での増減分析をしますと、自社販売と輸出販売を中心とした売上数量の増加に加え、価格改定もあり利益を押し上げました。その他、若干の為替変動などありますが、営業利益全体としては順調な積み上げができています。
2025年12月期実績 B/S(貸借対照表)
続いて、貸借対照表についてご説明します。
資産は横浜キャピタルとの事業提携に伴う転換社債により資金調達を行う一方で、借入金の返済や自社販売の新製品上市に伴う製品・原材料等の増加により現預金が減少し、資産合計は201億4,300万円とプラス9,500万円の微増となりました。
2025年12月期実績 C/F(キャッシュフロー)
次にキャッシュフローについてのご説明です。
営業キャッシュフローは棚卸資産の増減および法人税の支払による減少を、当期利益の増加がカバーしプラス5億3,000万円となりました。
投資キャッシュフローは主に生産設備への設備投資による支出のためマイナス5億7,300万円となりました。
財務キャッシュフローは横浜キャピタルの転換社債により資金調達を行う一方、借入金の返済や配当金の支払い、自己株式取得によりマイナス6億円となりました。
中長期経営計画 概要
続いて、中長期経営計画と成長戦略についてお話しします。
私たちは10年後の2034年に向けた経営目標として、営業利益30億円、営業利益率15パーセントを掲げています。この高い目標を実現するために、2030年までは既存事業にとどまらない「新たな事業の追求」を行い、海外の新市場開拓を進めます。
そして、2027年経営目標は営業利益13億円、営業利益率8パーセントを掲げており、施策としては国内製品ポートフォリオ再構築をはじめとした収益構造の改善策を進めていきます。
中長期経営計画 海外戦略
中長期経営計画達成のための最重要施策が、インドおよび東南アジア事業の推進です。特にインド・東南アジアは市場規模が急速に拡大しており、シリコーン製カテーテルの泌尿器・消化器分野の国内シェアの強みを活かし市場を開拓します。具体的な数値目標として、2034年度までに海外売上比率50パーセント、海外売上高100億円の目標を掲げています。
重点施策① 連結グループ増益確保に向けた取り組み
中長期経営計画における2025年12月期の進捗状況をご説明します。
重点施策1つ目である連結グループ増益確保に向けた取り組みでは、2027年12月期に営業利益率8パーセントを目標としています。
2025年12月期は、事業ポートフォリオの強化や、泌尿器製品のサプライチェーンの見直しを進め、採算性の見直しを図りました。また、グループ会社の製造機能最適化により収益構造モデルを変化させることで長期的・安定的な生産体制に向けて準備を進めています。また原材料や為替による原価高騰を背景にプライシング策を実施しました。
その結果、営業利益率は7.4パーセントとなりました。
重点施策② 海外事業の強化
重点施策2つ目である海外事業の強化では、2027年12月期に海外売上高57億円を目標としています。
2025年12月期は海外事業戦略を高める体制強化を進めました。また、インド販売体制構築に向けた現地法人設立準備などを進めています。
東南アジアは、タイ・ベトナム・マレーシアの製品浸透に向けた市場調査を開始しました。
重点施策③ 新規事業の立ち上げ
重点施策3つ目である新規事業の立ち上げでは、2027年12月期にM&Aアライアンスの推進2件を目標としています。
2025年12月期は泌尿器・消化器の基盤事業強化に向けたアライアンスでは、当社と相手先との強みを活かした協業により新製品の共同開発や生産のコストダウン、両者の販売提携など、事業シナジーの創出に向けて検討を進めています。また、将来に向けた新たなヘルスケア領域やアグリの事業も探索を開始しました。
以上が、中長期経営計画の概要と2025年12月期の取り組みとなります。
2026年12月期計画 連結業績予想
次に、進行期である2026年12月期の通期業績予想についてです。
連結業績としては、売上高は前年比プラス2.5パーセントの139億6,000万円、営業利益はプラス5.5パーセントの10億6,000万円を計画しています。
売上高の内訳として、自社販売については新たな新製品3品目の発売を予定しており、従来品とあわせて新製品の営業活動も強化していきます。
また、海外販売について、輸出販売は欧州におけるMDR(欧州医療機器規則)の切替が進み、堅調な推移と予想しています。一方、中国販売は集中購買が国家レベルに拡大する予定であり、今後の対応策を進めています。
その他、先ほど申し上げたインド販売会社の設立、そしてタイ・マレーシア・インドネシアといった東南アジアへの本格参入により、海外事業のさらなる成長を目指していきます。
OEM販売においても2024年に発売した新製品が好調を維持しており、2026年もさらなる伸長を見込んでいます。
2026年12月期計画 営業利益増減内訳
利益面は、国内販売を中心とした販売数量の増加に加え、販売価格の見直しを継続的に進めていきます。
一方で、外的要因としては中国における集中購買の影響が予想され、横浜キャピタルとの事業提携による製造機能の最適化や海外の新市場開拓など、将来の収益基盤強化にかかる投資費用が嵩む予定ですので、来期の営業利益は僅かな伸びとなる見込みです。
資本コストや株価を意識した経営
最後に、今回もっとも強調してお伝えしたい「株主還元方針」の改定についてです。
当社は、PBR1倍割れの解消に向け、資本コストや株価を意識した経営をより一層推進していきます。業績向上はもちろんですが、株主還元そのものを抜本的に強化し、さらにIR活動の充実を図ることで、企業価値の向上に努めていきます。
2026年12月期 株主還元方針の改定
具体的には、連結配当性向の目標を「50パーセント以上」へと引き上げます。さらに、中長期的な資本政策の指標として純資産配当率(DOE)を4パーセントまで引き上げていくことを目指していきます。また、将来の資本効率性の改善および企業価値向上に向けて自己株式の取得などの諸施策も機動的に実施していきます。
このような株主還元方針に基づき、当期の期末配当金を見直し、年間配当金は前期の39円から45円へ、そして次期、2026年12月期については、さらなる増配となる年間47円(中間配当20円、期末配当27円)を予定しています。
私たちは、グローバルでの成長と株主還元の両輪で、企業価値の最大化に努めていきます。今後のクリエートメディックに、ぜひご期待ください。