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インテリクス Research Memo(10):2031年5月期に売上高800億円、経常利益35億円を目指す(2)

■インテリックスホールディングスの今後の見通し

(2) 注力テーマ
同社は、グループ全体の注力テーマとして「ヒト」「テクノロジー」「ファイナンス」の3つを掲げ、それぞれの取り組みを推進していく。

a) ヒト
「ヒト」については、将来の成長を担う若手社員を中心に採用・育成を継続的に強化していく。同社は2023年まで経験のある中途社員を中心に採用活動を行っていたが、2024年以降は新卒採用を従来の数名から20名超に増やすなど積極採用する方針に改めた。持続的成長を実現する経営基盤を構築するためにはプロパー社員を育成していくことが重要と考えているためで、採用・育成面の強化、エンゲージメントや定着率向上のための環境整備に取り組んでいる。今後も新卒採用を積極的に行うことで、在籍者に占める新卒採用社員の割合を2025年の24.8%から2031年には55.6%に引き上げていく。

なかでも、LTVの最大化に向けて重要となる顧客とのタッチポイント強化に向けて、内装工事の企画設計・施工を担うインテリックス空間設計の事業規模を拡大すべく、人員規模を現在の71名から年間5名程度の純増ペースで増員していく。また、施工については外部協力会社を活用しているが、高齢化による事業承継を課題としているパートナー企業もあることから、今後はこうした企業をグループ化し、施工能力の維持拡大を図ることも視野に入れている。

そのほか、不動産関連会社や金融サービス会社との連携による新たなビジネス機会の創出にも取り組んでいく。2025年11月に業務提携の検討開始を発表した全国保証は独立系住宅ローン保証会社として保証債務残高でトップ企業である。業務提携として3つのテーマで検討が進んでいる。具体的には、「FLIE」で物件の購入を検討している顧客向けに、全国保証の顧客データベースを活用した事前審査サービスを提供する。これにより、顧客は購入可能額が把握でき物件購入の判断や物件選択が容易になり、成約率の向上につながる効果が期待できる。また、全国保証が保有する不動産物件情報の提供による仕入れチャネルの多角化や、リースバック事業における資産流動化のための不動産ファンドの出資元として全国保証が加わることで、同事業の拡大に寄与することが期待できる。

また、2026年1月に資本業務提携を発表した(株)みらいホールディングスは、マンスリーマンション運営の業界大手であるほか、不動産クラウドファンディングの運営やホテル・温浴施設の運営などをグループ会社で幅広く展開している企業で、今回は300百万円のマイノリティ出資を行った。業務提携の内容としては、同社が保有する居住用物件の借り上げや、ホテル施設の運営、内装工事施工、物件情報の共有化などによる保有不動産の最適運用を図ることと、FLIEのサービス(スマートロックシステムなど)をみらいホールディングスが運営するマンスリーマンション等に試験導入することなどが決定しており、そのほかの協業についても今後協議を進めていく。

b) テクノロジー
「テクノロジー」の面では、「FLIE」の不動産売買プラットフォームのサービスを拡充し、不動産流通市場における人手不足の課題解決に取り組んでいくほか、ビッグデータの活用によって不動産価格変動の予測精度や顧客志向分析による販売確度の向上を図り、精度の高い仕入ノウハウの構築と事業回転率の向上によって収益性及びキャッシュ効率の向上を目指す。また、AIの利活用による設計スピードと精度の向上に取り組むほか、省エネを実現するリノベーション・室内環境の技術開発に取り組むことで業界トップのプレゼンスを実現していく。

c) ファイナンス
「ファイナンス」においては、省エネ性能や高品質なリノベーションマンションに利用しやすい新たな住宅ローンの仕組みを全国保証と共同で開発し、省エネ型リノベーションマンションの普及拡大を推進していくほか、流動化スキームの活用や再生住宅パートナーによるパートナー共同事業の拡大によりキャッシュ効率を向上させ、投資資金の早期回収と成長投資を加速していく。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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