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地主、純利益が過去最高益かつ中計を前倒し達成 新中計発表、更なる利益成長へ 来期は増収増益・増配予想

2025年12月期決算概要 損益計算書

西羅弘文氏(以下、西羅):地主株式会社の西羅です。2025年12月期の決算および2026年12月期の業績予想、そして、新たな中期経営計画について説明します。よろしくお願いします。

はじめに、2025年12月期の決算について説明します。こちらは損益計算書です。売上高は763億円、営業利益は86億円、経常利益は71億円、当期純利益は73億円となりました。当社が重視する当期純利益は、過去最高益を達成するとともに、現・中期経営計画における当期純利益目標である70億円を1年前倒しで達成することができました。

2025年12月期決算概要 貸借対照表

続いて貸借対照表です。2025年12月期末の総資産は1,463億円と、前期末比309億円の増加となりました。これは主に、仕入の加速により販売用不動産が86億円増加し、792億円となったことに加え、長期賃貸事業として取得した案件を固定資産として計上したためです。自己資本比率は34.1パーセントと、財務規律の約30パーセント程度と同水準となっています。

仕入の進捗 仕入(契約ベース)

仕入について説明します。2025年12月期の仕入契約件数は115件、契約額は1,420億円となり、期初の仕入目標700億円以上を大幅に上回りました。

仕入の加速

2022年の社名変更を契機に、「テナント業種の多様化」「事業エリアの拡大」、本日より新たな名称を「JINUSHIリースバック提案」とした「土地のセール&リースバック提案」という3つの成長戦略を推進しています。東証改革、投資家要請、建築費等の上昇といった社会の変化も追い風となり、仕入が加速しています。

今後は、継続的に年間1,000億円以上の仕入を実現するとともに、常に前年度を上回る仕入を目指します。

2026年12月期連結業績予想

続いて、2026年12月期の業績予想です。

売上高1,000億円、営業利益120億円、経常利益90億円、当期純利益80億円を計画しています。増収増益の計画であり、6期連続の増益を目指します。

2026年12月期連結業績予想(利益計上タイミング)

当期純利益の想定です。当社は当期純利益の持続的な成長を重視しています。これまでの実績として、5期連続で期初予想を平均15.3パーセント上回って着地しています。2026年12月期においても、業績予想を上回る着地を目指しており、利益は主に第4四半期に計上する計画です。

株主還元

株主還元です。当社は累進配当を掲げ、利益成長とともに増配を目指しています。2026年12月期には、1株当たり配当金を20円増配し、130円とする予定です。引き続き、利益成長とともに増配を目指していきます。

中期経営計画(2026-2028)

ここからは、新たな中期経営計画について説明します。

2026年12月期を最終年度とする現・中期経営計画について、「当期純利益の目標70億円を1年前倒しして達成したこと」および「地主プライベートリート投資法人(以下、地主リート)の運用資産規模3,000億円の2026年12月期中の達成が確実であること」を踏まえ、2026年12月期から2028年12月期までの3ヶ年を計画期間とする新たな中期経営計画を策定しました。

最終年度である2028年12月期の目標は、「当期純利益100億円以上」「運用資産規模5,000億円以上」としました。目安とする経営指標は、ROE15パーセント程度、自己資本比率30パーセント程度です。株主還元については、引き続き累進配当を掲げ、利益成長とともに増配を目指します。

中期経営計画(2026-2028) 成長戦略

成長戦略について説明します。新たな中期経営計画においても、これまでと同様に仕入の拡大と売却先の多様化により、持続的な成長を目指します。

3つの成長戦略と仕入を加速する機会

まず、仕入についてです。継続的に年間1,000億円以上の仕入を実現し、常に前年度を上回る仕入を目指します。具体的には、新たに開発する新規開発と、企業のCREニーズを捉えた「JINUSHIリースバック」の両輪により、仕入拡大を進めます。

これまでどおり、3つの成長戦略である「テナント業種の多様化」「事業エリアの拡大」「JINUSHIリースバック提案」は変わりません。社会の変化を捉えながら、引き続き仕入拡大と利益成長に注力します。

成長戦略 JINUSHIリースバック提案

特に足元では、東証改革や投資家要請により、企業におけるCRE戦略の見直しが加速しています。これまで「土地のセール&リースバック」とお伝えしてきましたが、「JINUSHIリースバック」と新たな名称を定め、当社独自のサービスとして認知向上を図ります。

また、営業部門と財務部門が連携した専門チームを立ち上げ、金融機関やPEファンド、事業会社のCFOなどへのアプローチを強化しています。

特にCRE戦略については、企業トップの経営判断にも大きく左右されます。当然、私もトップ外交を行い、提案を積極的に進めていきます。

成長戦略 売却先の多様化

売却先の多様化についてです。新たな計画では、運用資産規模5,000億円以上の実現を掲げました。これまでどおり地主リートを柱に、機関投資家の個別ニーズに対応した底地の中長期運用を担う「地主ファンド」、一般投資家向け不動産金融商品である「地主倶楽部」を通じて、さまざまな投資家のみなさまのニーズにお応えします。

4年間の進化

最後に、この4年間を振り返ります。

私が社長に就任してからのこの4年間で、当期純利益は2.4倍、地主リートの運用資産規模は1.9倍、仕入額は3.1倍、取引テナント数は1.8倍、1株当たり配当金は2.2倍へと成長させてきました。

これからは、新たな中期経営計画のもと、当社は次のステージを目指します。

「JINUSHIビジネス」は、まだまだ大きな可能性を秘めています。どうぞご期待ください。

質疑応答:仕入目標について

質問者:仕入目標について教えてほしいです。年間1,000億円の仕入を確保しつつ、前年度の1,420億円以上を目指すということですが、どう考えればよいでしょうか? 見通しについてコメントをお願いします。

西羅:仕入についてですが、前期の1,420億円は、いろいろな案件のタイミングが重なった結果です。今後も前年度を上回る仕入を目指していきますが、年度により一定の増減は発生します。それよりも、安定的かつ継続的に年間1,000億円以上の仕入を実現するという方針です。

その実現に向け、「テナント業種の多様化」「事業エリアの拡大」「JINUSHIリースバック提案」といった施策を地道に続けることが重要です。東証改革や投資家要請、建築費等の上昇などの、社会の変化を捉え、継続的に年間1,000億円以上の仕入を実現するとともに、常に前年度を上回る仕入を目指していく考えです。

質疑応答:中期経営計画の当期純利益目標について

質問者:新たな中期経営計画では、2028年12月期の当期純利益目標を100億円以上としています。年間1,000億円の仕入が3年間継続できた場合、この金額が達成可能と考えてよいでしょうか?

西羅:年間1,000億円の仕入を継続的に実現していけば、純利益100億円は達成可能と考えています。これまでも、純利益の持続的な成長を目指してきましたし、これからも確実に達成していこうと考えています。

質疑応答:地主リートの拡大について

質問者:地主リートの拡大についてお聞きします。新たに「地主ファンド」を組成されたことで、底地の売却先への不安は、ほぼ解消されたと思います。一方、売却後のストック収益の観点から、確実に運用報酬を得られる地主リートの拡大が重要だと思います。仕入が年間1,000億円以上続くのであれば、地主リートへの売却も同程度が望ましいと思いますが、もしそれが難しいならば、その理由についてお聞かせください。

西羅:地主リートは、我々グループの大きな武器です。現状では、年間500億円から600億円程度の取得能力を有していますが、更なる取得能力の拡大を地主リート側も強く意識しています。足元では、10年連続で増資を実現し、トラックレコードを積み上げてきたことから、長期に安定した資金運用を志向する年金投資家の開拓に注力しています。

また、地主リートや地主ファンド以外の売却先として、外部への売却もあります。現在の金利上昇局面にあっても、当社の商品を3パーセント前後の利回りで購入したいという方も大勢います。地主リートの成長を重視しながらも、外部売却も活用し、順調な利益成長を目指していきたいと考えています。

質問者:現時点で、地主リートが毎年1,000億円の取得を行うのは難しいのでしょうか? 

西羅:これまでの実績からすると、すぐに1,000億円というのは、少しハードルがあります。いきなり1,000億円を目指すのではなく、地主ファンドやブリッジ機能等を活用しながら、着実に成長していく考えです。

質疑応答:フロービジネスについて

質問者:2026年12月期の案件売却についてうかがいます。決算説明資料15ページに、フロービジネスの売上総利益の推移があります。2026年12月期の予想は、販売用不動産残高の水準を踏まえればクリアできそうです。一方、会社計画の売上高1,000億円から逆算すると、フロービジネスの利益率が下がるようにも見えます。利益率の低下について、どのように捉えればよいでしょうか?

西羅:利益率については、従前よりお伝えしているとおり、「JINUSHIリースバック(土地のセール&リースバック)」という既存施設の土地を切り出す手法では、案件を取得した時点から借地料を得られるというメリットがある一方、利益率は新規開発と比較して低い傾向にあります。

このような要素もありますので、個別案件の利益率を過度に意識するのではなく、全体の仕入額を増やしながら、利益の額、当期純利益を順調に成長させていくことを、毎期意識しています。

質疑応答:地主ファンドについて

質問者:昨年、「地主ファンド」構想を発表されました。他の投資家からも引き合いがあるのか教えてください。

西羅:他社からも引き合いはあります。当社がリース会社とのブリッジスキームを始めた際には、最初に2社と取り組みを開始しました。その後、他のリース会社からの引き合いも多く、現在では、7、8社に増加しています。

「地主ファンド」についても同様のイメージを持っています。最初は、三菱HCキャピタルリアルティ社との取り組みとなりますが、当社が底地マーケットを創ってきた中で、当社と組みたいという投資家は多くいます。個別に、新たな地主ファンドを組成していこうというディスカッションも実際に行っています。

質疑応答:地主リートの競争力について

質問者:地主リートについて、年金投資家の開拓なども進め、年間500億円から600億円程度は問題なく取得ができるものの、まだ1,000億円の取得はハードルが高いという説明がありました。

長期金利の上昇により、一部の私募リートが資金調達に苦労している状況もお聞きします。地主リートについては心配しなくてよいのでしょうか? 地主リートであっても、早めに投資家にアプローチをするなど、対策を講じる必要があるのでしょうか?  地主リートのエクイティ需要をどのように集めていくのか、見通しについて教えてください。

西羅:もちろん、金利上昇の影響は意識する必要があります。一方で、毎年400億円から500億円規模で増資による物件取得が行える私募リートは、国内で61名柄ある中で、地主リートを含めて4つから5つの銘柄に絞られている状況です。

そのような環境下、地主リートには他にはない圧倒的な特徴があります。底地のみを投資対象とし、LTV(借入比率)が約30パーセント、運用資産規模が3,000億円、物件利回りでも4パーセント弱と、10年間の運用で積み上げてきた実績と貯金があります。

また、毎年、新規の投資家にもご参加いただいており、その結果、地主リートに対する評価が高まり、投資家の間で話題となっていると聞きます。既存投資家からの、ご紹介を通じて新たに投資をいただけるような事例も増えています。

環境の変化は、地主リートにとってはチャンスです。仕入もそうですが、地主リートの投資家に対しても、日々、地道にアプローチし、それを結果につなげていくことが重要です。今後も着実に成長させ、早期に運用資産規模5,000億円を目指していきます。

質疑応答:2026年12月期の仕入状況について

質問者:2026年12月期における現時点での仕入の状況についてうかがえますか?

西羅:さまざまなご相談をいただく機会が増加しています。新規開発においては、建築費の上昇などの影響を受け、住宅デベロッパーと共同開発する動きも引き続き継続しています。土地を当社で保有してほしいというテナントも増えており、「JINUSHIリースバック」についても、足下で多くの案件に関して議論をしています。

それらを着実に仕入につなげ、年間1,000億円以上の仕入を継続的に実現し、常に前年度を上回る仕入を目指し取り組んでいきます。

質疑応答:利益率について

質問者:2025年12月期の利益率についてうかがいます。決算説明資料15ページに売却に関する売上総利益や利益率が記載されています。例えば、地主リートに売却する場合と外部に売却する場合を考えると、外部が高値で購入してくれるケースなど、利益率が高くなる傾向もあるかと思います。2025年12月期の実績において、地主リートへの売却と外部売却の違いがあれば教えていただけますか?

西羅:当社が開発する商品は、地主リートが優先交渉権を持っており、地主リートを成長させ、運用報酬を積み上げていくことを重視しています。地主リートの成長とともに、日本の大地主を目指すことに変わりはありません。

一方、地主リートとの交渉過程で、条件や売却タイミングなどが合わない場合、外部に売るという判断も生まれます。地主リートへの売却と外部売却、これまでのトラックレコードではおよそ7割が地主リート、3割が外部売却です。個々の利益率は控えますが、外部への売却の方が、高い利益率となる傾向にはあります。

質疑応答:「JINUSHIリースバック」案件の回転率について

質問者:決算説明資料58ページに「JINUSHIリースバック」を拡大していくと記載されています。おそらく「JINUSHIリースバック」案件は今後さらに増加すると予想しています。また、提携先のククレブ・アドバイザーズ社との協業も期待できる領域と考えています。

「JINUSHIリースバック」案件は、仕入れてから売却するまでの期間は、従来の新規開発案件と比較して長くなるのか、短くなるのか、それともあまり変わらないのでしょうか? 

西羅:「JINUSHIリースバック」案件については、取得した時点から借地料が発生するため、利益計上を早く進めることが可能です。全体の仕入の状況や当期純利益の水準を見ながら、地主リートへの売却、地主ファンド、ブリッジスキームの活用、外部売却などを組み合わせ、利益計画を組み立てていきます。

質疑応答:インフレ条項の導入可能性について

質問者:最近では、オフィス賃料にもCPI(消費者物価指数)連動が広く導入されていますが、今後、御社においてもテナントとの定期借地権設定契約にインフレ条項を追加する可能性はあるのでしょうか?

西羅:金利上昇を踏まえ、インフレに対応した条項、例えば金利連動条項の導入を目指す議論は、社内で行っています。

一方で、当社の商品は長期安定性があり、手間がかからないことが大きな特徴です。アップサイドやキャピタルゲインを過度に狙わず、安心できる商品特性です。投資家のポートフォリオを安定させる下支えの商品として選ばれています。

この特徴を、十分にご理解いただいている方に投資いただいているため、魅力が薄れていくということはないと思います。むしろ、積み増しをされる方や、このような世の中でこそ、やはり安心感があると考えている方も非常に多いとお聞きしています。

質問者:実際に今年中にそうしたインフレ条項を導入できる可能性もあるのでしょうか? 

西羅:まだ少数ではありますが、導入済みの案件もあります。ただし、すぐに全体に行きわたるかというと、まだ少しハードルがあります。「JINUSHIリースバック」案件については、比較的導入余地があると捉えており、そのような議論を前提に交渉を進めています。

質疑応答:今後の増資の実施可能性について

(以下、個別IRミーティングでの質疑応答をご紹介します)

質問者:御社は、一昨年の2024年7月に公募増資されたと思います。その後、株価は軟調な時期が続きました。仕入増加は利益成長につながりプラスとなる一方、市場は更なる増資を懸念しているようにも見えます。継続的に、年間1,000億円以上の仕入を実現とありますが、例えば、新たな中期経営計画の達成には、資本調達・増資が必要な計画なのでしょうか?

西羅:増資は考えていません。一昨年の増資は、東証改革による「JINUSHIリースバック」案件の増加など、仕入拡大を見据えた財務基盤の強化が目的でした。仕入加速の時期が少しずれましたが、前期の仕入は1,420億円と加速し、増資による資金調達を活用できています。財務基盤は強化済みであること、加えて、仕入の加速に対応するため、地主ファンド構想も発表しました。増資はせずに、新たな中期経営計画の当期純利益100億円以上を達成可能です。

質問者:追加の質問ですが、自己資本比率30パーセント程度と示されています。どの程度を許容するのでしょうか。自己資本比率20パーセントは低すぎて、25パーセントくらいであれば問題ないなど、イメージを教えていただけますか?

西羅:イメージとして、自己資本比率30パーセントの上下5パーセント程度の変動は問題ないと考えています。ただ、リスク管理の観点からも、適正な水準としては、30パーセントは意識しています。

質疑応答:2026年12月期の四半期毎の利益推移について

(以下、個別IRミーティングでの質疑応答をご紹介します)

質問者:御社の利益は底地の売却益が6割から7割を占め、売却タイミングによって四半期の進捗率が年度によって大きく異なります。2026年12月期はどのような見え方になるのでしょうか? また、売却が翌期にずれ込む等のリスクはどう考えればよいのでしょうか?

西羅:2026年12月期は、決算説明資料11ページのとおり、主に第4四半期に利益計上を行う予定です。前期と比較すると、第2四半期までは前期比でも、業績進捗率でも低めとなる想定ですが、地主リートを中心に売却の確度は高いので、ご安心ください。

これまでも、期初計画を上回り着地しており、2026年12月期についても、当期純利益80億円を上回る着地を目指していきます。

質疑応答:2026年12月期の仕入の進捗について

(以下、個別IRミーティングでの質疑応答をご紹介します)

質問者:前期、2025年12月期の仕入は、第3四半期が581億円、第4四半期が553億円となっており、四半期での仕入500億円水準が可能なようにも見えます。2026年12月期も、毎四半期500億円、それに近しい仕入水準を期待してもよいのでしょうか?

西羅:仕入については、継続的に年間1,000億円以上の仕入を実現し、前年度を上回る仕入を目指していきたいと考えています。ご質問のとおり、前期の下期の実績だけ見ると毎四半期で500億円水準を期待されるのは理解できますが、仕入は波があります。年間を通して1,000億円以上の仕入を実現していく方針です。

質問者:追加の質問となりますが、前期1,420億円の仕入となった一方、2026年12月期の売上計画は1,000億円です。売値と仕入値の違いを踏まえると、600億円以上の余裕があるように見えます。将来の利益を生み出すための貯金と捉えてもよいのでしょうか?

西羅:前期の仕入1,420億円には、1年から1年半で売却を行う販売用不動産として仕入するものもあれば、長期賃貸事業として固定資産として仕入したものもあります。固定資産として仕入したものについても、仕入加速に伴い資産入替を企図した売却のようなケースもあります。いずれにせよ、将来の利益につながるという意味で、貯金と捉えていただければと思います。

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