2025年12月期決算説明
植原大祐氏(以下、植原):株式会社ダイレクトマーケティングミックス代表執行役社長CEOの植原です。本日はお忙しい中ご参加いただき、誠にありがとうございます。2月13日に発表した2025年12月期通期決算についてご説明します。
目次
当社のビジネスモデルおよびコアコンピタンス、2025年12月期通期決算、2026年12月期決算の見通し、中長期成長戦略の順にお話しします。
DmMiXグループとは
ビジネスモデルです。ダイレクトマーケティングミックスは、2007年に前身となる会社を創業しました。
人材不足や営業パフォーマンスの向上といった、企業が直面している自社だけでは解決の難しい課題に対して、高い営業力とマーケティング力を武器に課題解決を行い、クライアント企業の収益最大化を実現する「営業ソリューションプロバイダー」として、トップライン向上に貢献しています。
営業・マーケティングのプロフェッショナル集団
当社は創業以来、アウトバウンドコールを核とする「ダイレクトマーケティング」を中心に営業ソリューションを提供し、クライアント企業に代わってエンドユーザーとの接点を担っています。エンドユーザーとの直接的な対話を通じて真のニーズを明確化し、顧客生涯価値を高めることで、クライアント企業の収益最大化に貢献しています。
近年では、従来の事務処理を中心とするインバウンドセンターについて、AI化が進展する中で、人による付加価値の高い対応が求められる領域をターゲット市場としています。さらに、クライアントのニーズが多様化する中で、営業マーケティング戦略の策定などのコンサルティング業務から、それに付随するバックオフィス業務まで、幅広くBPOサービスを提供しています。
DmMiXが果たしてきた役割
当社は通信インフラセクター、とりわけモバイルキャリア市場とともに成長を遂げてきました。
スマートフォンの普及期において、モバイルキャリア各社は新規ユーザーの獲得を目的に、対面型のショップを中心とした販売チャネル展開を行っていました。その後、普及が一巡し、新規ユーザーの獲得余地が限定的となる中、狙いは既存ユーザーへのアップセルやクロスセル、ARPUの向上、ユーザーのロイヤル化による離脱抑止などに移行しました。
その結果、企業が既存ユーザーに能動的にアプローチする機会が必要となり、効率的なアプローチ手段としてアウトバウンドコールによる営業が重視されました。このような状況の中で、当社の業容は急速に拡大してきたのです。
当社は、この拡大の中でセールスマーケティングに関する膨大なデータやノウハウを蓄積し、これらが当社の競争優位性の源泉となっています。市場の成長とともに、アウトバウンドコールでしかアクセスできない受動的なユーザーが増加しており、この傾向は通信インフラセクターにとどまらず、他の業種にも広がりを見せています。
当社はこれまで培ってきたデータとノウハウを最大限に活用し、こうした領域におけるクライアント企業の課題解決に貢献しています。
アウトバウンドの競争優位性
祖業であるアウトバウンド領域では、属人性の高い営業プロセスを標準化することで、ダイレクトマーケティングミックスグループとして独自の「売れる仕組み」を確立してきました。
その「高生産性」と「高品質」を両立した「売れる仕組み」を支えているのが、スライドに示した3つのコアコンピタンスです。次のスライドより順に詳しくご説明します。
多様なプロダクトと人材をマッチングさせ活かす仕組み
1つ目は「人材マネジメント」です。当社では、全拠点を人口が集中する都市部に設置することで、人材確保の効率化を図っています。
また、全拠点が複数商材を扱う「マルチプロダクツ・センター」で、1つの拠点で多様なプロジェクトを取り扱い、多様なチャネルで展開していることで、さまざまな人材に対応する仕組みとなっています。
「マルチプロダクツ・センター」においては、労働可能時間が短く、戦力化しにくい人材にも活躍の場を提供できるため、「選ばない採用」が実現可能となります。当社はこれを徹底することで、常に多様な人材を確保しています。
このように、多様なプロダクトと人材をマッチングし続けることで、他社では戦力化が難しい人材も戦力化し、クライアントの要望に応じた機動的な増員や配置変更を可能としています。これにより、競争力の源泉である高い生産性とスケーラビリティを生み出します。
徹底的な営業品質の管理
2つ目は「ナレッジ」です。常時2,500名以上のアウトバウンド専任スタッフを擁し、日々アウトバウンドに特化したノウハウを蓄積しています。また、クライアント自身の営業リソースとして機能する立場だからこそ、クライアントと同等またはそれ以上に厳格なコンプライアンス体制を構築し、リスクを徹底的に排除しています。
具体的には、オペレーターに対する徹底的な教育プログラムを実施するだけでなく、お客さまからお申し込みをいただいた際に、オペレーターとは別の品質管理部門の専任スタッフが直接お客さまにお電話し、不適切な対応がなかったかを確認しています。さらに、モニタリング部門が音声でお客さまとのやり取りを確認し、品質管理部門の確認内容をダブルチェックすることで、品質を担保しています。
このように二重、三重のチェック体制を敷くことで苦情やトラブルを未然に防止する当社のコンプライアンス体制は、日本を代表するナショナルクライアントや自治体、公共セクターのクライアント企業からも絶大な信頼をいただいており、品質管理部門のサービスを独立して受託するケースもあります。
高い生産性をもつ人材を育成する仕組み
3つ目は「やりきる組織風土」です。当社は、独自の教育評価体制を導入し、あらゆる層を生産性の高い人材に育成します。
プロダクトごとに最適なトークスクリプトを作成し、徹底した品質管理を行うなど、盤石な教育体制で生産性を向上させます。さらに、ランキングを毎日開示し、成果に応じた高いインセンティブを設計するなど、徹底的な成果主義を採用しています。また、縦横のコーチングを促進する評価体系を取り入れています。
これは、高収益を生み出せる組織だからこそ実現可能な仕組みで、高い生産性と高いインセンティブが好循環を生み出しているのです。このような仕組みを通じて、労働時間にかかわらず個々人に合わせた働き方が可能となり、柔軟なキャリアパスの選択を実現しています。
徹底的にアップサイド追求可能な受託報酬設定
「やりきる組織風土」を支えるもう1つの仕組みとして、徹底的にアップサイドを追求可能な受託報酬体系を設定しています。
当社が受託する多くの案件では、成果報酬型の報酬体系を採用しています。これは、獲得件数や成約数など営業成果に応じて報酬が決定するインセンティブ型の契約で、現場のオペレーターやSVが結果を出すほど評価される設計となっています。この仕組みにより、現場では常に目標を上回る成果を目指す文化が根づいており、結果として当社全体で収益の最大化を図ることが可能です。
また、クライアント企業のニーズや案件の性質に応じて、固定報酬型の契約にも柔軟に対応しています。営業プロセスの各場面において最適な報酬設計を提案および実行できることも、当社の強みです。
2025年12月期 決算ハイライト
2025年12月期決算についてお話しします。2025年12月期の決算ハイライトはスライドのとおりです。売上収益は、不採算案件の整理などの減収要因があったものの、アウトバウンド、ハイブリッド、DXフルフィルメントの主力3ドメインの伸長により、前年比8.3パーセントの増収となりました。
営業利益は、収益構造の最適化や価格交渉が奏功し、前年比48.7パーセント増という大幅な増益を達成しました。経営指標としているEBITDAは、2024年に実施したコスト構造改革に伴う使用権資産の減価償却が減少したことを背景に、前年比8.2パーセント増で着地しました。ただし、実質的なキャッシュ創出力は期初の想定どおり堅調に推移しました。
営業利益率の回復について
営業利益率の回復についてご説明します。営業利益率は3つの要因によって着実な回復を実現しています。
1つ目は、高収益ドメインの売上比率の拡大です。高付加価値なアウトバウンド、ハイブリッド、DXフルフィルメントの主力3ドメインに注力し、これらの領域の売上比率が高まったことで、グループ全体の収益性が大幅に向上しています。
2つ目は、収益構造の最適化です。過去に収益性が十分でなかった案件について、段階的に価格交渉を進めてきましたが、2025年12月期におおむね完了しました。その結果、収益性の高い事業の比重が一段と高まり、ポートフォリオ全体が最適化された状態となっています。
3つ目は、高い生産性を背景とした価格転嫁の実現です。人件費の高騰に対し、他社が価格転嫁に苦戦する中、当社は圧倒的な生産性を背景に、大手顧客を中心に価格交渉を実施しました。2023年はコストが先行したことで一時的に利益率が低下しましたが、2024年以降は適正価格への改定が進み、利益率はV字回復の軌道に乗っています。
2025年12月期 通期業績サマリー
通期の業績サマリーです。売上収益は主力の3ドメインが牽引し、前年比8.3パーセントの増収となっています。営業利益は、収益構造の最適化が成果を上げ、前年比48.7パーセント増加し、期初予想比では118.5パーセントと大幅な増益を達成しました。
EBITDAは、2024年に実施したコスト構造改革に伴う使用権資産の縮小などによる減価償却費の減少が影響し、前年比8.2パーセント増で着地しています。
2025年12月期 通期 B/S及びC/F
連結ベースでのバランスシートとキャッシュフローです。2025年12月期は、2件のM&Aを実施したことによりのれんが増加しています。負債の部では、M&Aに伴う資金調達に加え、シンジケートローンのリファイナンスを実施したため、非流動負債が増加しています。
2025年12月期のM&A振り返り
2025年12月期に実施した2件のM&Aを振り返ります。まず、昨年10月に株式会社サイヨウブおよびマネーペディア株式会社を完全子会社化しました。
このM&Aにより、従来の営業BPOに加え、新たに採用代行やRPO(Recruitment Process Outsourcing)と呼ばれる分野を事業ポートフォリオに組み込んだほか、既存の保険領域ではインフルエンサーマーケティングに参入するなど、順調に事業基盤を拡張しています。
結果として、安定した収益基盤を維持しつつ高い成長性を持つ事業領域の獲得を実現しました。本件によるシナジーの詳細は後ほどご説明します。
2026年12月期通期業績予想
2026年12月期の決算見通しについてご説明します。2026年12月期の計画として、売上収益は240億円、営業利益は23億5,000万円、当期利益は17億5,000万円、EBITDAは36億円を見込んでいます。
売上収益は、主力の3ドメインがいずれも堅調に伸長することに加え、2025年12月に実施したM&Aが通期の業績に寄与することを見込み、前年比5.8パーセントの増収を計画しています。営業利益は、増収効果に加え、収益性の向上を目指すことで、前年比10.2パーセント増と2桁増益の計画です。
自己株式取得について
決算と同時に発表した自己株式取得についてご説明します。資本効率の向上と株主還元のさらなる充実、ならびに機動的な資本政策を確保することを目的として、株式総数150万株、総額3億円を上限とする自己株式の取得を実施します。
これにより、配当と自己株式取得を合わせた2025年12月期の総還元性向は46.5パーセントとなり、目標として定める40パーセントを達成しました。
資本政策について
資本政策についてです。2025年12月期の期末配当は、期初予想の6円を上方修正し、1株当たり7円とします。2026年12月期の期末配当については、当期利益の大幅な伸長を背景に、さらなる増配となる1株当たり9.5円を予定しています。
今後の資本政策の方針としては、短中期的にはROE10パーセント以上の維持とさらなるアップサイドの追求、中長期的な投資回収フェーズでは20パーセント台の実現を目指します。中長期経営ビジョン「DmMiX Vision 500」の最終年度である2030年12月期に向け、利益成長の加速と資本効率の最適化を両立させ、さらなる企業価値の向上を追求していきます。
セグメント別の業績動向と戦略
スライドはドメイン別の業績見通しおよび事業戦略です。マーケティング事業は、祖業であるアウトバウンドに加え、クライアントニーズの多様化を背景に、2020年以降、ハイブリッドおよびDXフルフィルメントといった新たなドメインで急速に業容を拡大してきました。
特に、ハイブリッドおよびDXフルフィルメント領域は、高付加価値のアウトバウンド領域を含むより広範囲な顧客課題に対応できる領域で、付加価値を維持しながら事業規模を拡大できる将来性の高い分野と捉えています。また、新領域のオンラインFPも成長が期待されます。
一方で、公共セクターを中心とするインバウンドは、中期的には慎重な見通しを維持しています。引き続き、採算性の高い案件や当社の運用ノウハウを活かせる領域に的を絞って事業を継続していく考えです。
リサーチ・その他およびオンサイト事業については、横ばいの推移を想定しています。一方で、新規セクターであるRPOにおいては、広告および営業の強化によりデジタル領域の採用代行の成長を加速させるとともに、他領域の強化を進め、さらなる成長を目指していきます。
投資計画及び進捗
スライドは設備投資の計画と進行状況です。2025年12月期の設備投資において、工具器具備品等の費用が大きい主な要因は、「Windows 10」のサポート終了に伴うパソコンの入れ替えです。2026年12月期は新規の大型投資を予定しておらず、既存備品のリプレイスを中心とした限定的な設備投資を計画しています。
また、2025年12月期は、前年に一部の採算性の低い拠点を撤退したことに伴い使用権資産が減少した結果、減価償却費および償却費は前年比で減少しました。2026年12月期は、パソコンの入れ替えによる有形固定資産の増加に加え、M&Aで取得した無形固定資産の償却が本格化することから、減価償却費および償却費が増加する見込みです。
現状の事業ドメイン
中長期成長戦略についてお話しします。スライドは現状の事業ドメインを示しています。祖業であるアウトバウンドに比べ、クライアントニーズの多様化によりハイブリッドおよびDXフルフィルメントのドメインが2020年以降に拡大してきました。
ハイブリッドおよびDXフルフィルメントは、高付加価値のアウトバウンド領域を含めた幅広い領域を捉えたもので、高付加価値業務を維持しながら業容の拡大が期待できる有望な分野と認識しています。
2025年3月31日に発表した中長期経営ビジョンでは、アウトバウンド、ハイブリッド、DXフルフィルメントの3つを注力ドメインと定め、2026年12月期を目途に当該戦略を実施することで収益力の向上や財務体制の強化を図り、当社グループの企業価値向上に取り組んでいく方針です。
2025年12月時点での主力3ドメインの売上構成比は、前年比7.1ポイント増の87.3パーセントとなり、全体の約9割にまで拡大しました。
注力ドメイン1:アウトバウンド
各ドメインおよび注力ドメインについて簡単にご説明します。1つ目はアウトバウンドです。スライド左側に売上推移、右側に戦略を記載しています。
通信インフラ領域における回復基調が継続していることに加え、既存案件が着実に進んだ結果、売上収益は前年比5.1パーセント増となりました。このドメインは当社にとって強固な収益基盤で、計画どおりに着実に実績を積み上げることで、全社の安定的な成長を下支えしています。
なお、金融セクターとの連携については、今後具体化する段階でさらなる高成長が期待されるテーマです。ただし、いったん2026年12月期の計画には織り込まず、あくまで堅実な前提で見込んでいます。
アウトバウンドは引き続き安定収益の中核として、着実な成長を続けていく考えです。
注力ドメイン2:ハイブリッド
2つ目はハイブリッドです。ハイブリッドドメインでは、企業の顧客接点をコストセンターからプロフィットセンターへ転換するというニーズを捉え、売上収益は前年比30.4パーセント増と大幅な成長を実現しました。
2030年を最終年度とする「DmMiX Vision 500」で設定した目標に対する進捗率は114.8パーセントと、計画を大きく上回っています。この背景として、オンライン接客をはじめとするソリューションが着実に浸透し、導入企業が拡大していることが挙げられます。
ハイブリッドは全社のトップライン成長を牽引する重要なドメインとなっています。2026年12月期においても、チャネル統合やDXニーズの高まりを追い風に、ソリューションのラインナップを拡充させながら引き続き2桁成長を目指していく方針です。ハイブリッドは今後の成長ドライバーとしてより一層注力していきます。
注力ドメイン3:DXフルフィルメント
3つ目は、DXフルフィルメントです。金融決済や本人確認といったDXサービスが順調に拡張していることに加え、これらの領域におけるBPOニーズを着実に取り込んだ結果、売上収益は前年比25パーセント増と高い成長を達成しました。また、「DmMiX Vision 500」発表時に掲げた目標に対しては107.9パーセントの進捗で、超過達成しています。
すでに社会実装フェーズに入っている顧客企業の事業拡大に伴い、業務量の増加や支援領域の拡張が進み、計画に対して順調に進捗しました。2026年12月期は、新規サービスの企画段階からの参画をさらに強化し、サービスが拡大フェーズに入った際の需要を一手に担える体制の構築を進めていきます。
DXフルフィルメントも、ハイブリッド同様に引き続き2桁成長を目指していきます。
株式会社サイヨウブについて
M&Aした2社についてご説明します。まず、サイヨウブについてです。当社はこのM&Aにより、従来の営業分野においてBPOで培ってきた豊富なノウハウを、新たな事業領域である採用代行、いわゆるRPOの領域へ展開、拡大します。
サイヨウブはRPOの中でも歯科や医療を中心とした専門職領域に特化し、急成長している企業です。このM&Aにより、安定した収益基盤と今後の市場拡大が期待できる高い成長性を併せ持つ事業を獲得し、事業ポートフォリオを強固なものにできると考えています。
株式会社サイヨウブについて
今後は、この安定基盤を土台とし、ヘルスケア周辺領域へサービス展開することで、さらなる成長を目指していきます。当社は営業リソースなどをシナジーとして活用し、より多くの顧客を獲得することで、この事業のポテンシャルを最大限に引き出していきたい考えです。
マネーペディア株式会社について
マネーペディアについてです。このM&Aは、当社がこれまで強みとしてきた保険領域のBPOを、デジタル・インフルエンサーマーケティング領域へ拡張することを目的としています。
マネーペディアは、SNSインフルエンサーの影響力を活用したプル型の集客モデルを確立しており、その結果、低いCPAで高いエンゲージメントを実現しています。この仕組みを当社グループのBPOノウハウと組み合わせることで、顧客LTVの高い次世代型のBPOモデルを構築できる点が、今回のM&Aの最大の価値と考えています。
マネーペディアの事業内容は、オンラインFP相談サービス、保険代理業、Webメディア運営を中心としており、従来の足で稼ぐ対面営業モデルから脱却し、デジタル完結型の効率的な集客・成約プロセスを実現している点が大きな特徴です。
今後は、マネーペディアのデジタルによる集客力と、当社のBPO運用力およびスケール力を掛け合わせることで、保険領域における収益性と成長性のさらなる向上を目指していきます。
中長期経営ビジョン(DmMiX Vision 500)の進捗状況
2025年3月31日に策定した中長期経営ビジョン「DmMiX Vision 500」の進捗状況です。2025年12月期は、期初に示した業績予想を上方修正した水準をさらに超過達成し、配当についても増配を実現しました。
2026年12月期は、売上高240億円、営業利益23億5,000万円を計画しており、売上利益の成長と併せて、配当性向の向上やROEの上昇など株主還元と資本効率の改善を見込んでいます。今後も株主のみなさまへの利益還元と、持続的な企業価値向上の両立を図る方針です。
質疑応答:マーケティング事業の成長要因について
土井元良氏(以下、土井):CFOの土井です。「マーケティング事業の回復は、通信業界、とりわけ主力の通信キャリアA社の案件が主因と理解してよいでしょうか?」というご質問です。
植原:おおむねその理解で問題ありません。当社が携わっている通信業界では、通信キャリアA社(以下、A社)を起点に営業マーケティング投資が活性化すると、他のキャリアにも波及していく構造があります。
当社はA社に限らず、他のキャリアでもBPOを展開しています。そのため、A社が顧客獲得に向けた営業活動を強化している状況から、他の通信キャリアにも広がり、結果として当社のマーケティング事業が伸びている状況です。
また、ハイブリッドやDXフルフィルメントの分野がここ数年で非常に成長している点も挙げられます。さらに、人件費が高騰している中でも、それを上回る価格転嫁がクライアント企業でうまく進んだことなど、複数の要因で事業全体の成長につながっています。
質疑応答:既存領域における事業環境の変化について
土井:「スライドの業績動向について、既存領域は2025年12月期第1四半期から変化がありませんが、事業環境に変化がないということではないと思います。変わってきていることを挙げるとすると、どのようなポイントでしょうか?」というご質問です。
植原:特にDXフルフィルメントにおいて、中身や企業側の求める内容が変わってきています。採用難が起点となり、多くの企業で営業人員やサービスを運用するバックヤード人員などを自前で確保していくことが困難になっています。そのため、これまで自社で社員を増やして対応していたコールセンター以外の部分について、業務をまるごとBPO化しようとする動きが非常に増えてきている状況です。
当社も営業や顧客獲得などのマーケティング要素を含む部分に限らず、あらゆる面で企業をサポートできる総合的なBPOに対応していることが、現在のハイブリッドおよびDXフルフィルメントの成長につながっていると考えています。
質疑応答:2025年12月期の予算前倒しについて
土井:「第2四半期の決算説明会では、顧客の予算が前倒しで投入されているとのことでした。その後の顧客の動向を教えてください。やはり下期の予算の補充はなく、上期偏重で通期が終わったのでしょうか? また、その背景を教えてください」というご質問です。
第2四半期の時点では、例年よりやや前倒しで予算投下が行われているという感触が明確にありました。それは、それまで想定していなかったような案件で大型の発注をいただいたためです。それにより下期に大きな反動減が発生したのかというと、それほどの減少は見られず、発注ペースは維持されました。それが第3四半期での上方修正につながっています。
一方で、ビジビリティがそれほど高くないことや、予算執行自体が数年にわたる中期的な計画に基づいていない点については、特段の変化がありません。当社としては、このようにビジビリティが低い状況下でも確実に予算を使っていただいているという認識に変わりつつあります。
その背景としては、これらが新しい動きのため当社も保守的に捉えていました。しかし、営業マーケティングや具体的な獲得の面で、お客さまの危機感や「やらなければならない」という温度感が高まってきたと考えています。この傾向は、2026年12月期以降も継続する見込みです。
これに対し「それでもやはり顧客動向からすると、進行期も過去2年と同様、第1四半期の売上と利益がもっとも大きくなる見込みでしょうか?」というご質問です。
植原:四半期を比較するとそのようになるかと思います。ただし、昨年ほど顕著な第1四半期および上期への偏りは生じず、波が少し緩やかなかたちになると想定しています。
土井:アウトバウンド、ハイブリッド、DXフルフィルメントという3つの主力ドメインの中でも、特にアウトバウンドの第1四半期への偏重が大きい傾向が見られました。しかし、売上全体の中でハイブリッドやDXフルフィルメントのウエイトが高まってきていることもあり、季節性は残りますが、徐々に過去ほど顕著ではなくなってきています。
これが、ただいま植原がお伝えしたことの背景です。
質疑応答:金融セクターの売上・利益の規模について
土井:「金融セクターの案件の売上、利益の規模はどのようなものでしょうか?」というご質問です。
植原:金融セクターについて手元に正確な数字がないため、ざっくりとお答えします。取引先は保険会社、証券会社、金融機関など合計で10社前後あり、そこからBPOを受託しています。その売上高は全体の約10パーセント、営業利益も同じく約10パーセントを占めています。
通信と金融の融合については、さまざまな通信会社が金融関連の取り組みを強化しており、今後、盛り上がりを見せるのではないかと考えています。この分野が加速すると、通信および金融の両分野で経験を持つ当社としては、非常におもしろい展開となるのではないかと思っています。
土井:全体の約10パーセントを占める部分は、中身のウエイト自体は変化してきていますが、保険の代理店業務や金融機関の窓口業務といったかなり昔から存在する伝統的な業務です。
また、今後期待しているのは、通信キャリアにおける新しい金融商材のクロスセルといった、これまでにはなかった業務の拡大となります。
質疑応答:通信キャリアと金融の融合について
土井:「通信キャリアと金融の融合の動きが案件として顕在化するのは、どの四半期頃でしょうか?」というご質問です。
植原:予測ですが、今期中に何か具体的な動きがあるのではないかと思います。
ニュースや各社の発表では「力を入れていく」といった内容が見られますが、キャリア各社でそう簡単に大きく踏み出せるわけではないのが現状です。これは、提携する会社との役割分担の整理、担当部署の決定、ショップやコールセンターでの業務範囲の明確化など、縦割り的な課題や大企業ならではのスピードの遅さが影響しています。
ただし、特に通信キャリアA社において、今年中には証券から銀行も含めた展開で加速して結果を出していかなければならないという覚悟や勢いが強く感じられます。そのため、今年中に何か動きがあるだろうという予想です。
質疑応答:2026年12月期の当期利益の増益率が、営業利益に比べて高い理由について
土井:「2026年12月期の当期利益の増益率が、営業利益に比べて高い理由を教えてください。また、この要因は継続的なものですか?」というご質問です。
植原:グループ会社の組織効率化を目的とした子会社の清算に伴い、当該子会社が保有していた繰越欠損金を引き継ぐこととなりました。これにより、法人税等の負担が軽減され、2026年度の実効税率の一時的な低下と、当期利益の押し上げにつながっています。なお、これは今年度特有の一過性要因であり、次年度以降は通常水準に戻る見込みです。