■要約
1. 新築マンション開発を主柱にアパートメントホテルなども手掛ける
京橋アートレジデンスは、不動産開発創造事業とESG関連事業を展開している。不動産開発創造事業では新築マンション開発事業を主軸にリノベーション再販やアパートメントホテル※1の開発といった事業を手掛け、ESG関連事業では賃貸資産や太陽光発電施設の保有運営を行っている。このうち主柱の新築マンション開発事業では、東京23区内の住環境のよい立地を厳選し、機能やデザイン性、居住性にこだわった、4~5階建てで8~20戸というニッチで高付加価値な小規模の資産形成用一棟収益マンション※2を開発~販売している。3~10億円という購入しやすい価格帯で提供しているうえ安定した事業収益をもたらすため、資産形成を目的とする富裕層や一般事業法人、内外投資家といった顧客に好評である。
※1 アパートメントホテル:キッチンや家電を備え、一般住宅のように生活できる宿泊施設。賃貸住宅とホテルの中間的な機能を持つ。長期滞在型ホテルやサービスアパートメントとも呼ばれる。
※2 収益マンション:毎月一定の賃金収入のある不動産としてのマンション。
2. ネットワーク、商品力、事業展開力といった強みを背景に高い収益性
同社の強みは、ネットワークや商品力、事業展開力にある。TOKYO PRO Market上場後は信用と認知度が高まってネットワークが拡大したことで、不動産仲介業者に加えて富裕層を顧客に持つ銀行や証券会社、税理士事務所の紹介による仕入・販売が増加した。また、同社の一棟収益マンションは、資産形成目的の顧客にとって手頃な価格、東京23区内で厳選された希少性の高い立地、機能やデザイン性、居住性、防音性といった商品としての優位性を持つほか、グループ企業や協力会社を活用した企画力、協力会社に対する監理力、1年半~2年という短期間で仕上げる推進力といった事業展開力も強みとしている。こうした強みを背景に、同社は企画開発から建築、賃貸募集、販売の全プロセスに関与する一貫開発体制を構築し、高い収益性を有している。
3. 一棟収益マンションの好調により、2026年11月期も引き続き大幅な増収増益見込み
2025年11月期の業績は、売上高が8,318百万円(前期比26.7%増)、営業利益が1,512百万円(同59.7%増)と好業績だった。一棟収益マンションに対する強い需要が追い風となって販売戸数も販売価格も上昇し、大幅増収につながった。営業利益は、高採算の案件が多かったことから売上高を上回る伸びとなった。期初予想に対しても、販売価格が想定以上に上昇したため、実績は予想を上回った。また2026年11月期の業績については、売上高10,929百万円(前期比31.4%増)、営業利益1,870百万円(同23.7%増)を見込んでいる。一棟収益マンションの好調継続で、前期に引き続き大幅増益を見込むが、さらなる成長へ向けてリノベーション再販やアパートメントホテルの事業化も推進する。
4. アパートメントホテルとリノベーション再販の事業化で中長期も高成長持続へ
同社は新築マンション開発事業を引き続き強化するとともに、アパートメントホテルとリノベーション再販の事業化による多角化を進め、中長期的に高成長を持続する計画である。新築マンション開発事業では、東京23区を中心に開発を月2棟のペースへと増やす。特に新宿など知名度の高いエリアでの供給を増やすとともに商品ラインナップを強化し、資産形成用一棟収益マンションのマーケットにおける地位確立を目指す。リノベーション再販では、同社の企画力が生かせてニーズが高いマンションの一棟リノベーションを強化する。アパートメントホテルは、大阪でホテル事業用地を取得するなど広範なエリアを対象に急展開を目指す。資金調達の多様化が課題になるが、一般市場へのステップアップ上場も一手と思われる。
■Key Points
・東京23区中心にニッチで高付加価値な小規模の資産形成用一棟収益マンションを販売
・一棟収益マンションの開発~引渡しが急増中、2026年11月期も大幅な増収増益継続へ
・アパートメントホテルとリノベーション再販の事業化により中長期の高成長持続へ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)