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アクシス、6期連続増収増益で過去最高の業績を達成 2026年12月期も業績更新を見込み、累進増配も継続予想

目次

小倉博文氏(以下、小倉):株式会社アクシス代表取締役会長執行役員CEOの小倉博文です。本日はご多忙の中、2025年12月期決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。それではご説明を始めます。

本日は2025年12月期の決算実績、トピックス、2026年12月期の通期業績見通しの後、社長の横田から中期経営計画についてご説明します。

決算サマリー

2025年12月期の決算実績です。まず、決算サマリーについてお話しします。売上高は81億3,400万円で前期比9.4パーセント増、営業利益は8億8,800万円で前期比12.4パーセント増、営業利益率は10.9パーセントで前期比0.3ポイントの上昇となりました。

当社は上場以来6期連続で増収増益を達成しており、2025年12月期は過去最高の業績を記録しました。なお、配当は1株当たり46円で、期初予測に対して1円の増配となっています。

損益計算書サマリー

損益計算書のサマリーです。売上高は前期比9.4パーセント増、営業利益も前期比12.4パーセント増と、過去最高の業績を達成しました。公共社会インフラの案件を下期に受注できたことで、第4四半期も良い業績を残すことができました。営業利益率は、高収益案件へのシフトが進んだことにより、前期比0.3ポイント増となっています。

営業利益 増減益要因分析

営業利益の増減要因分析についてです。スライドグラフの左側にある薄い青色の棒グラフは増収効果を示しており、4億4,400万円の増加となっています。一方で、中央付近のグレー色の棒グラフは減益要因を示しており、4億1,000万円の減少となっています。これは、エンジニア採用や高スキル人材の獲得、営業体制の強化などによるものです。その結果、2025年12月期の営業利益は8億8,800万円と前期比で増加しています。

四半期業績推移

四半期別の売上高・営業利益の推移です。スライドのように、売上高は第4四半期に過去最高を記録しました。第3四半期と比べ1億6,000万円増加しており、非常に良い結果だと考えています。営業利益も第4四半期に過去最高を更新し、当第1四半期を上回りました。

事業別売上高・主要KPI

事業別売上高と主要KPIについてです。まず、事業別の売上高についてです。当社は2つの事業を展開しています。システムサービス事業は前期比9.6パーセント増、ITサービス事業は前期比6.3パーセント増となり、売上高全体では前期比9.4パーセント増と堅調に推移しています。

次に、主要KPIについてです。システムサービス事業の受注残高は前期比20.3パーセント増と、大幅に積み増すことができました。また、ITサービス事業の主力である「KITARO」の契約台数は前期比8.0パーセント増となり、1万台に近づいています。

一方、システムサービス事業の社員1人当たり売上高は前期比で若干マイナスとなりました。これは、当該KPIに該当する社員のうち、売上に直結しない人員の異動が若干名あった影響です。ただし、これは当社の業績に直接影響するものではないと考えています。

事業別業績 システムサービス事業

事業別の業績についてご説明します。システムサービス事業では、第2四半期に公共案件の失注があったものの、第3四半期から第4四半期にかけて公共社会インフラの案件をしっかり受注した結果、最終的な売上高は前期比9.6パーセント増となり、過去最高を記録しました。

受注残高についても非常に良い水準で、前期比20パーセント以上の増加となっています。2025年12月期を通じて、平均的に19億円以上の受注残高を積み上げており、今後についても非常に明るい材料になると考えています。

事業別業績 システムサービス事業

従業員1人当たり売上高は前期比で若干下がっています。スライド左側に記載しているとおり、ITサービス事業からシステムサービス事業への人員異動が原因です。この異動により、直接売上を上げる人員が減少した結果、1人当たりの売上高が下がりました。ただし、これは組織変更によるものであり、大きく懸念することではありません。

2つ目のポイントは主力の金融機関、特に銀行の売上高が前期比2.0パーセント増と堅調に増加しました。

3つ目のポイントは、公共社会インフラが前期比11.0パーセント増と順調に伸びています。情報通信についても前期比13.8パーセント増と増収傾向が続いており、現在の状況は非常に良好だと考えています。

事業別業績 ITサービス事業

もう1つの事業であるITサービス事業についてです。他社サービスへの技術支援が前期比で若干減少したものの、主力サービスである「KITARO」が順調に成長したこともあり、売上高全体は前期比6.3パーセント増となっています。

スライド下のグラフをご覧ください。オレンジ色の折れ線グラフは「KITARO」の契約数の推移を示しており、第4四半期も順調に増加しています。一方で、契約台数1万台を目標としていましたが、わずかに未達となっています。現在、大口商談が複数進行中ですが、決着に時間がかかっている状況です。今後は、しっかりと結果を出していきます。

FY2025重要施策振り返り:システムサービス事業

2025年12月期の重要施策の振り返りを簡単にします。まず、システムサービス事業についてです。「ITコンサルへのシフト」、すなわち上流工程へのシフトは順調に進んでいます。

「成長性の高い領域の拡大」では、「Salesforce」などの分野が進展したことに加え、「コミュニケーション・インサイト」というAIプラットフォームの推進を開始し、成長しています。

「既存領域の成長」および「クラウドビジネス事業の拡大」についても、順調に進んでいると認識しています。

FY2025重要施策振り返り:ITサービス事業

ITサービス事業における重要施策の振り返りです。「『KITARO』サービス」では、契約台数1万台を目標としていたものの、若干未達となりました。しかし、大きなマイナスではないため、順調に進んだと考えています。

「サービス開発支援」については、直近で新しいサービスをリリースしたものの、予定より少し遅れた影響もあり、ななめ下向きの矢印としています。

「新サービスの提供」では、「ルートラベル」をリリースしました。

「DXコンサルティング」については、中小企業のIT部門のBPOが順調に進んでいると考えています。

B/Sの状況

B/Sの状況です。増加した現預金については、投資計画に入れているM&Aや、AIなど各方面への成長にしっかりと投資していきます。また、自己資本比率は75.4パーセントと、非常に安定性の高い水準を維持しています。

トピックス-1

2025年12月期のトピックスを簡単にご紹介します。1つ目は、「ルートラベル」という位置情報アプリをリリースしました。これは「iPhone」と「Android」に対応しており、移動ルートの記録機能とリアルタイムでの位置情報共有機能が特徴です。ユーザーからさまざまなフィードバックをいただいているため、今後は機能強化を進める方針です。

2つ目は、空間認知能力の評価に関する独自の特許技術を保有するdo.Sukasuとの間で、「KITARO」を活用した業務提携を締結しました。do.Sukasuの空間認知技術を「KITARO」にしっかりと反映させ、危険予測を含む交通事故リスクの低減などを推し進めていきます。

トピックス-2

3つ目は、「スポーツひのまるキッズ」の活動に10年以上協賛しており、親と子の絆をスポーツを通じて高める活動に貢献しています。2025年には9つの大会とイベントに協賛しました。

4つ目として、CSR関連のトピックスがもう1つあります。中学校や高等学校に通う子どものための児童養護施設を運営する社会福祉法人青少年福祉センターに、10年以上継続して寄付を行っています。スライドの写真のように、青少年福祉センターから定期的に状況報告やお礼の手紙をいただいています。

トピックス-3

5つ目は、2025年11月30日に開催された湘南投資勉強会主催の個人投資家向け会社説明会に登壇しました。当日は120名を超える投資家のみなさまにご参加いただき、さまざまなディスカッションができました。説明会終了後も投資家のみなさまと意見交換を行い、有意義な時間となりました。

6つ目は、当社のデジタルコンサルティング部門が「彩の国ビジネスアリーナ」に出展しました。当部門では、中小企業のIT部門のBPOを引き受ける「ITサポート」というサービスを展開しており、しっかりとご説明しました。

2026年12月期 通期業績見通しサマリー

2026年12月期の通期業績見通しをご説明します。まず、サマリーです。売上高は94億4,400万円で前期比16.1パーセント増、営業利益は10億円ちょうどで前期比12.6パーセント増、営業利益率は10.6パーセントを見込んでいます。7期連続の増収増益を達成し、過去最高を更新したいと考えています。なお、配当予想については1株当たり57円と、累進配当を予定しています。

通期業績見通し

事業の通期業績見通しについてご説明します。売上高については、システムサービス事業で前期比16.5パーセント増、ITサービス事業で前期比8.6パーセント増、全体では前期比16.1パーセント増を見込んでいます。

2026年度事業計画における重点施策 システムサービス事業

2026年12月期事業計画における重点施策についてご説明します。まず、システムサービス事業です。システムインテグレーション事業では、ITコンサルティング、すなわち上流工程へのシフトを進めていきます。また、成長性の高い領域の拡大も継続して推進します。既存領域の成長については、エンドユーザー率の拡大などを通じて利益率の向上を図ります。

クラウドに関連するクラウドインテグレーション分野も拡大していきます。当分野はシステムインテグレーション全体に広がりつつありますが、今後のデファクトスタンダードになっていくのではと考えています。

2026年度事業計画における重点施策 ITサービス事業

ITサービス事業の重点施策です。「KITARO」については、2025年12月期末の目標であった契約台数1万台から、2026年12月期末に1万800台を目指しています。サービス開発支援については、「KITARO」の技術を活用し、お客さまへの開発支援業務をさらに拡大していく方針です。

新サービスの提供については、すでに「ルートラベル」などをリリースしていますが、今後はスピードをさらに上げ、順次新しいサービスをリリースしていく予定です。DXコンサルティングについては、先ほどお話ししたとおり、前期に「彩の国ビジネスアリーナ」に出展しました。中小企業のIT部門のBPOを主力に契約を拡大していきます。

株主還元

最後に、株主還元についてです。2026年12月期の配当性向は、前期からさらに5パーセントほど引き上げる予定です。1株当たりの配当は、2025年12月期の46円に対して11円増加し、57円を予想しています。配当方針として累進配当を採用しているため、配当実績を確実に積み上げていきます。

引き続き、24日に公表した中期経営計画について、社長の横田からご説明します。

デジタルで社会に貢献する

横田佳和氏:代表取締役社長執行役員COOの横田です。2026年12月期から2029年12月期の中期経営計画についてご説明します。「Go Beyond ~SIの先へ、価値共創パートナーへの進化~」としています。

経営理念

スライドには、当社の経営理念を4つ挙げています。「デジタルで社会に貢献する。」ために、「全社員の物心両面の幸せを実現する」「公明正大に判断し、素直な心で全力で取り組む」「全社員が同じベクトルを持つことに努める」「事業を通して社会・人類に貢献をする」ことを掲げています。

Top Message

「企業と社会が必要とする『価値共創パートナー』へ」をキーワードに、中期経営計画「Vision2027」策定以降、生成AIをはじめとするAI技術やローコード開発が可能なSaaS型業務プラットフォームの急速な普及により、顧客業務のデジタル化が進展しました。また、お客さまのニーズが拡大するとともに、技術も高度化が進んできました。

当社は創業以来、顧客のニーズを的確に捉えサービスを提供してきました。この急速な変化に対応するため、「Vision2027」を超える新たな中期経営計画「Go Beyond」を策定することとしました。また、これを確実に実行するため、執行体制の一部を変更することとしています。

新たな中期経営計画「Go Beyond」では、顧客価値向上、企業価値向上、さらに社会的価値の向上を中期経営方針とし、お客さまおよび社会が必要とする「価値共創パートナー」を目指していきます。

システムサービス事業では、金融、公共社会インフラ、情報通信を中心に事業拡大を進めてきました。これらをさらに深耕するとともに、新たな産業分野への進出を図り、当社マーケットの拡大を目指します。また、AIやSaaS製品など成長性の高い技術領域に注力し、顧客単価が高いシステムサービス上流工程やデジタル基盤、ネットワーク構築などへビジネスのウエイトをシフトしていきます。

ITサービス事業では、モビリティを中心としたクラウドサービスや、IT部門のBPOをはじめとする「あったら便利・助かる」を展開していきます。「仕事が楽になる」「安心して利用できる」といったニーズに応えるサービスを提供していきます。そして、生成AIをベースとした当社のAIプラットフォーム「コミュニケーション・インサイト」のサービスも拡大していきたいと考えています。

さらに、中期経営戦略である「経営基盤強化」「投資戦略」に基づき、継続的に高成長を続け、高収益を上げることが可能な企業へと進化していく所存です。

前中期経営計画 Vision2027

前中期経営計画「Vision2027」についてです。システムサービス事業の売上高は、計画の100億円に向けて順調に増加しています。ITコンサルティングおよび成長性の高い技術領域を担う人材育成についても、計画どおり進捗しています。

ITサービス事業のサービス売上高は順調に増加していますが、技術支援売上高の成長鈍化や、売上に貢献するクラウドサービスの育成が遅延しています。今後の成長の基盤となる経営基盤の強化や成長投資を着実に実行しています。M&Aはまだ成約には至っていませんが、継続して取り組んでいます。

人材投資についてはおおむね計画どおりに実施しており、従業員数は2022年12月期末の430名から2025年12月期末には545名と順調に増加しています。

Go Beyond(経営指標1)

中期経営計画「Go Beyond ~SIの先へ、価値共創パートナーへの進化~」についてご説明します。経営指標として、売上高200億円を目指し、プライム市場を意識した成長を継続していきます。

2029年12月期には売上高140億円以上、営業利益16億円以上、営業利益率12パーセント以上、ROE18パーセント以上、配当性向40パーセント以上を着実に達成したいと考えています。

Go Beyond(経営指標2)

2つ目の経営指標についてです。スライド左上に記載のとおり、年平均成長率(CAGR)は14.5パーセントと高い成長を維持していく計画です。

上段中央には、高付加価値領域を50パーセント超に拡大するという目標についてご説明しています。2029年12月期では上から順に、ITコンサルティング、システム企画、ノーコード・ローコードのアプリ開発、デジタル基盤・ネットワークなどがあります。このうち、当社では濃色部分を高付加価値領域として定義し、伸ばしていく方針です。

上段右上には、高収益が見込めるエンドユーザーとの直接取引の割合を30パーセント超に拡大すること、そして、大手SIerとの取引も着実に増加させる考えを記載しています。

スライド左下のグラフは業種別の売上高を示しています。システムインテグレーションの主力産業である金融、公共社会インフラ、情報通信を中心に拡大を図るとともに、製造業など他の産業にも注力します。

右下の表は、人材強化についてです。コンサルティング系の資格取得者を120名以上、成長性の高い技術領域の資格取得者を350名以上、AI系の資格取得者を100名以上と設定しています。

当社を取り巻く市場環境

当社を取り巻く市場環境についてです。それぞれの分野で1.2倍から3.7倍まで成長するという統計が出ています。特に、スライド右上の国内IT投資額(製造業)は約2.4倍、右下の国内AIシステム市場規模は約3.7倍の成長が予想されています。これらは、当社にとって非常に追い風になると考えています。

2029年の目指す姿

2029年の目指す姿についてです。中期経営方針として、次の3つを挙げています。

1つ目は「顧客価値向上」です。求められるニーズを満たす確かな技術でサービスを提供していきます。

2つ目は「企業価値向上」です。収益性の高い高付加価値サービスを増やし、企業価値向上を目指します。

3つ目は「社会的価値向上」です。社会課題の解決と社会への還元を通じて、存在価値の高い企業となります。

これら3つの方針を基に、目指す姿である「価値共創パートナー」へと進化していきます。

経営戦略

経営戦略は3つあります。

1つ目は「事業戦略」です。システムインテグレーションの主力産業の深耕と未開拓産業への展開、成長性の高い技術領域やサービスの拡大、AI活用による事業の高度化を推進します。

2つ目は「経営基盤強化」です。人材基盤の強化、事業基盤の強化、働き方改革を進めます。

3つ目は「投資戦略」です。M&A、人材投資、サービス開発・設備投資を実施します。

事業戦略

1つ目の「事業戦略」についてです。「顧客領域の拡大」「技術領域の拡大」「AI戦略」が相互に連携・補完し合うことで、売上拡大と利益率向上を実現し、持続的な成長と企業価値向上を目指します。

スライド左側が「SI主力産業の深耕と未開拓産業への展開」、右側が「成長性の高い技術領域やサービスの拡大」、中央に「AI活用による事業の高度化」を配置しています。このうち、AIの活用については、昨年7月にリリースしたAI技術を活用したソフトウェア「コミュニケーション・インサイト」を中心に拡大していきます。詳細は後ほどご説明します。

事業戦略 1.SI主力産業の深耕と未開拓産業への展開

1つ目の「SI主力産業の深耕と未開拓産業への展開」についてご説明します。当社が強みとしている業務特化システムインテグレーションをさらに深化させることを目指しています。金融、公共社会インフラ、情報通信分野の業務知見と現場対応力を基盤に、さらなる深耕および他産業への展開を図っていきます。

スライド左側には、金融、公共社会インフラ、情報通信といった当社の得意領域を記載していますが、これらをさらに拡大し、他の分野での成長を目指していきます。これら3つの技術を基盤として、製造業やこれまで進出していない未開拓産業への展開を図ります。その際は、営業力が非常に重要になると考えています。

加えて、スライド右側に記載しているとおり、売上単価の高いITコンサルティングなどの上流業務や、基盤・ネットワーク構築といったインフラ分野へのシフトを進めることで、トータルシステムインテグレーションを実現していきます。

具体的には、現在主に活動しているアプリケーション開発や運用・保守については、ノーコード・ローコードの開発へシフトしていきます。さらにここを中心として、上段のITコンサルティングや伴走支援、システム企画・設計、下段のデジタル基盤やネットワーク分野でも売上拡大を図りたいと考えています。

事業戦略 1.SI主力産業の深耕と未開拓産業への展開

これらの戦略によって強固な組織基盤と2つの推進力を活用し、確実な事業成長および収益拡大を実現します。

スライド左側の「営業強化」に記載しているとおり、当社のシステムインテグレーション主力産業における深耕営業や未開拓産業における顧客獲得、社内連携の強化による業務スピードの向上、提案力の強化(顧客ニーズの把握)が重要であると考えています。

スライド右側の「アライアンス強化」では、当社と共に事業を推進している協力会社との関係を強化する必要があると考えています。戦略的パートナーシップの構築として、当社が専門性を持って取り組む事業への協力をいただけるパートナーの確立、アライアンス戦略の共有として、当社の方針をお伝えし連携して事業を進めることを重要視しています。さらに、新規アライアンス先の開拓を進め、パートナー比率を50パーセント以上に拡大していくことを目指しています。

「営業強化」と「アライアンス強化」の基盤となるものが社員の採用・育成です。新卒採用については毎期50名以上、キャリア採用では即戦力となる人材の獲得を目指し、上流工程を担える人材や成長性の高い技術を持つ方を積極的に採用していきます。一方で育成においては、キャリア別研修や資格取得補助といった取り組みを継続して実施していきます。

事業戦略 2.成長性の高い技術領域やサービスの拡大

2つ目の「成長性の高い技術領域やサービスの拡大」についてご説明します。

成長性の高い技術を習得することで、組織のケイパビリティを強化し、顧客ニーズへの対応力を高めていきます。当社では、成長性の高い技術領域として、SaaS・ワークフロー、ERP、AI、クラウド、データ分析を掲げていますが、これらの技術者を積極的に増やしていく考えです。

また、これらを基盤として、DXコンサルティングからのクロスセルや、SIer・コンサルティングファームとの連携を図り、金融、公共社会インフラ、情報通信、その他の製造業など、さまざまな産業へ展開し、拡大していく方針です。

事業戦略 2.成長性の高い技術領域やサービスの拡大

リスキリングにより上流工程やコンサルティング人材を強化し、IT技術者のスキルアップを図っていきます。ITコンサルタントやプロジェクトマネージャー系の人材を120名以上、フルスタックエンジニアを350名以上、AIエンジニアを100名以上確保する計画です。

事業戦略 2.成長性の高い技術領域やサービスの拡大

ITサービス事業については、クラウドサービスの拡充として、「モビリティ×データ活用×AI」を連携し、強固な業務プラットフォームへの進化を目指しています。

このうち、モビリティサービスについては、「KITARO」を含めたお客さまのニーズに応える機能拡張、業種特化型サービスの提供、自動車以外の移動体サービスの開発、データ活用およびデータ可視化機能の強化・サービス化を進めていきます。また、「ルートラベル」やそれ以外の社会課題解決型サービスの企画検討・リリースを積極的に行っていきます。さらに、個人向け位置情報サービスをはじめとする各種サービスの機能も拡張する予定です。

次に、DXコンサルティングの強化についてご説明します。現場を知るDXコンサルティングとして、ボトムアップ型のサービスを提供していきます。このうち、DX支援(業務支援サービス)では、IT部門のBPOとして「まるっとアクシス」「ITサポート」の契約拡大を目指します。一方、DXコンサルでは、システムサービス事業とのクロスセルを強化するとともに、質の高いコンサルティング人材の育成を進めます。

また、先ほどご紹介したAIプラットフォーム「コミュニケーション・インサイト」を利用したサービスの提供を拡大していきます。

事業戦略 3.AI活用による事業の高度化

3つ目の「AI活用による事業の高度化」についてご説明します。

AIを横串の共通基盤とし、「顧客価値の向上」「AI組み込みによるサービス高度化」「開発・運用の生産性・品質向上」の3領域で事業を高度化していきます。新サービスの創出や社内の標準化を一体的に進めることで、付加価値と収益性の向上を目指します。

「顧客価値を高めるAI活用」では、業務理解に基づいたAI活用提案を通じて、お客さまの業務効率化や高度化を実現していきます。また、「AIを組み込みサービスを高度化する」では、既存および新規サービスにAIを組み込み、付加価値の高いサービスへと進化させていきます。「生産性と品質を高めるAI活用」では、AIを活用して従来の開発・運用・管理業務をより高度化し、全社的な生産性向上と品質強化を図ります。

経営基盤強化

経営基盤の強化についてです。「人材」「事業」「働き方」の3つの軸を強化し、強固な経営基盤の構築を目指します。

1つ目の「人材基盤の強化」では人的資本の最大化とエンゲージメントの向上を、2つ目の「事業基盤の強化」では企業価値向上の基盤となる体制の強化を、3つ目の「働き方改革」ではデジタル活用による生産性革新をそれぞれ推進していきます。

サステナビリティ

サステナビリティについてです。当社グループは、持続可能な社会の実現に向けて、基本方針として4つのPHILOSOPHYを軸に掲げ、中期経営計画の3つの方針に沿って企業活動を継続することで、企業価値を高めるとともに社会の持続可能性に貢献していきます。

4つのPHILOSOPHYはスライド左下に記載のとおりです。中期経営計画の3つの方針である「顧客価値向上」「企業価値向上」「社会的価値向上」に基づき、継続的に取り組んでいきます。

財務目標(ROE、資本コスト関連)

財務目標についてです。中期経営計画の財務目標として、ROE18パーセント以上を掲げています。投資方針としては、ROE向上のために当期純利益の向上や財務レバレッジの向上を図っていきます。また、資本コストの低減に向けては、事業リスクの軽減、IR強化、ガバナンス強化などを進めていきます。

資本政策(配当政策)

資本政策(配当政策)についてです。事業成長を加速させることで、中長期的な株価上昇と利益成長による増配を目指します。配当性向は40パーセント以上とし、累進配当を基本に、毎期の利益成長に応じて増配を検討します。

具体的には、長期安定配当を基本とし、株主のみなさまへ還元していきたいと考えています。過去の実績においても継続して増配しており、今後も安定配当の維持と利益成長による増配および成長投資をバランスさせていきます。

キャッシュアロケーション

最後に、キャッシュアロケーションについてご説明します。持続的な企業価値向上を目指し、適切な資金管理を行うことを財務方針に掲げています。

成長投資としては、M&Aや人材投資、サービス開発投資、経営基盤の強化を進めます。株主還元については、配当性向40パーセント以上を維持しながら、累進配当や成長に伴う増配を実行します。これらについては、M&Aの実行状況や財務の健全性を考慮し、必要に応じて借入も活用する方針です。

成長投資については、総額80億円以上を計画しています。内訳として、M&Aに40億円超、人材投資に30億円超、サービス開発および設備投資に10億円超を充てる予定です。

以上で、新中期経営計画のご説明を終わります。

質疑応答:2025年12月期第4四半期の官公庁案件入札状況について

司会者:「2025年12月期第4四半期における官公庁案件への入札の取り組みと、その手応えについて、どのように認識されていますか?」というご質問です。

小倉:2025年12月期第4四半期における官公庁案件入札の取り組みについては、第4四半期の実績としてお示ししているとおり、好調に落札を進めることができました。

質疑応答:2026年12月期の事業環境について

司会者:「2026年12月期の事業環境について教えていただきたいです」というご質問です。

小倉:2025年12月期第4四半期が好調であった背景として、受注残高が前期比20パーセント以上増加していることを挙げましたが、前期中盤以降の営業体制強化の取り組みも第4四半期の結果に大きく寄与したと考えています。

2026年12月期については、整備した営業体制を基盤に、お客さまのIT投資が引き続き力強い状況にあると考えています。特に当社が得意とする金融分野においては、非常に堅調な需要が継続しています。当社はもともと金融に非常に強いという背景もあり、当分野をさらに強化する施策を内部で検討しています。

また、公共社会インフラについては、デジタルは未来に続く重要な社会インフラであることから、政府として予算をしっかり投入していく流れが想定されます。このため、政府の方針を踏まえつつ、引き続き全力で取り組んでいきます。

整備した営業体制に加え、前第4四半期のような受注残高の増加が2026年12月期も継続すれば、計画の達成は十分可能であると見込んでいます。なお、業績計画は、細かい積み上げを基に策定しています。

質疑応答:2027年12月期の営業利益目標について

司会者:「新中期経営計画の経営指標についてです。2027年12月期の配当から逆算すると、1株当たり利益(EPS)は198円程度となり、営業利益は12億円ほどになると考えています。『Vision2027』の営業利益目標は15億円でしたが、12億円に下方修正された背景を教えてください」というご質問です。

小倉:2027年12月期の営業利益目標が下方修正された根拠・原因は、ITサービス事業が想定どおりに成長していないことが挙げられます。一方、システムサービス事業については、想定に近い、あるいは想定以上の成果を上げつつあります。その結果、2027年12月期の営業利益目標が「Vision2027」の目標値を下回っています。マイナスとなっているのは、これらが理由となっています。

質疑応答:2027年12月期計画の蓋然性について

司会者:「2027年12月期計画の蓋然性と根拠について、補足説明をいただきたいです」というご質問です。

小倉:2025年12月期第4四半期に、今後の成長に向けた営業部門の立て直しなど、さまざまなテコ入れをしっかりと行いました。その結果が第4四半期の実績に現れており、2026年12月期第1四半期の成果にもつながっていくと考えています。

2026年12月期業績予想は細かい実際の案件を積み上げた上で策定していることと同様に、2027年12月期の計画についても同じ観点で計画を立てており、計画達成に向けてしっかりと取り組んでいく考えです。

質疑応答:新中期経営計画前倒しの理由について

司会者:「新中期経営計画を1年前倒しで開始された理由についてご教示ください」というご質問です。

小倉:新中期経営計画のTop Messageに理由等を明記しています。「Vision2027」策定以降、AIに関連する技術、生成AIを含めて、AIそのものが非常に多くの影響をお客さまにもたらしてきました。また、「Salesforce」や「SAP ERP」のようなさまざまなSaaS型ERPは、ノーコード・ローコードを活用する製品へと進化するなど、普及と進展が大きく進捗しました。

このように、「Vision2027」策定当初と比べ、顧客のIT環境やニーズは大きく変化しています。そのような環境下でさらなる成長を目指すために、一刻も早く手をつけたいという思いから、1年前倒ししました。

「Vision2027」のさらに先を見据えて、新たな中期経営計画「Go Beyond」を策定しましたが、実効性を確保するために、当社内部の体制を確実に実行可能なものへと改めています。具体的には、現場の実行力を強化するため、新たにCTOとして担当役員を追加しました。

質疑応答:AI時代の本格化が事業に与える影響について

司会者:「AI時代の本格化により、『一部のソフトウェアアプリ開発やソフトウェアサービスが不要になるのではないか?』という声が聞かれます。こうした流れについて、御社はどのように見ていますか? 御社のソリューションや開発工程について、今後ネガティブな影響が及ぶ可能性はありますか?」というご質問です。

小倉:AI時代の本格化や、一部のソフトウェア企業におけるアンソロピック・ショックなどを受けて、当社の事業がネガティブな方向に大きく進むのではないか、というご意見が一部であることは承知しています。

AIがますます普及することでシステム開発が不要になるのではないか、といった一部の懸念も挙げられますが、当社はシステムインテグレーションの事業者です。システムインテグレーションとは、単にシステムを作るのではなく、お客さまが求めるものをシステムとして提供することが本質にあります。そのため、AIも活用してお客さまにどのようにサービスとして提供するかを考えることが当社の使命です。

いろいろなSaaS製品や、現在話題の「Claude」などについても、お客さまにシステムインテグレーションとしてそれらをどのように提供していくかを検討し、サービス展開していくことが重要です。選択肢が増えることでより多様なビジネスを展開できると考えており、この状況をネガティブに捉えることは一切ありません。

質疑応答:M&A候補企業の業態・規模感について

司会者:「M&Aにおいて、どのような業態・規模感の会社を候補に考えているか、可能な範囲で教えてください。まずは人材を補填する方向になりますか? それとも、業務領域を補完する方向でしょうか?」というご質問です。

小倉:規模感はさまざまですが、当社より規模が大きい企業は対象になりません。当社の事業として対応できる範囲になります。

対象とする業種については、例えば中期経営計画に記載しているシステムインテグレーション分野の主力領域、すなわち既存の金融、公共社会インフラ、情報通信などが含まれます。一方で、事業規模の拡大を図るために、新しい産業分野に強みを持つシステムインテグレーション会社をターゲットにすることも検討しています。

成長領域としては、提案・企画・コンサルティングなど、上流工程に特化し、産業別の専門性を持つ会社を考えています。デジタル基盤やネットワークに強みを有する会社の他、ITサービス事業を補完する新たなサービスや、今後成長が期待されるマーケットに対応したサービス・技術を持つ会社も対象となります。

小倉氏からのご挨拶

みなさま、本日はお忙しい中、当社の会社説明会にご参加いただき、ありがとうございました。今後とも、よろしくお願いします。

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