エグゼクティブサマリ
安達慶高氏(以下、安達):Solvvy代表取締役社長の安達です。これより決算説明をします。
まず、全体のサマリーです。1つ目は、第2四半期としては過去最高の売上を達成しました。住宅領域は順調に推移しました。非住宅領域については、GIGA保証で前期からの運営正常化対応が当第1四半期まで影響したものの、現在は一定収束したことにより、回復トレンドに向かっています。
2つ目は、経常利益は10億円を超え、半期の計画を達成しました。なお、通期業績に関しては据え置きとしています。
3つ目は、成長戦略についてです。住宅領域で推進している成功モデルを標準化するかたちで、新たな領域に展開しようと考えています。
4つ目は、財務戦略についてです。3億円の自己株式取得を決定しました。
FY2026 2Q 連結決算 概要
2026年6月期第2四半期業績ハイライトについてご説明します。まず、第2四半期連結決算の概要です。第2四半期期間では、売上高が17億4,100万円、営業利益が3億5,500万円、経常利益が6億6,700万円となり、いずれも前年同四半期を上回りました。
第2四半期累計の売上高は32億7,600万円で、前年同期比109.9パーセントとなりました。営業利益は5億5,700万円で、前年同期比83.4パーセントとやや減少していますが、第1四半期におけるGIGA保証の遅れが大きく影響したと考えています。一方、経常利益は10億4,400万円で、前年同期比121.9パーセントとなり、半期計画を達成しました。
四半期ごとの売上高推移
四半期ごとの売上高推移のトレンドについてです。過去の実績をご覧いただければおわかりになると思いますが、当社は基本的に下期偏重型で、後半になるほど売上高が伸びる傾向にあります。現時点では、第4四半期に売上高がかなり集中する見込みです。
特に、中古住宅向け保証商材、すなわち既存住宅向けの商材が非常に好調で、業績を牽引しています。下期にはさらに伸びると予想しています。
FY2026 2Q 連結決算 セグメント別
セグメント別の業績です。第2四半期期間の売上高については、HWT(HomeworthTech)事業が10億800万円で前年同四半期期比113.8パーセント、EXT(ExtendTech)事業が5億6,800万円で前年同四半期期比112.7パーセント、LFT(LifeTech)事業が1億5,700万円で前年同四半期期比145.7パーセントとなりました。
第2四半期期間の営業利益については、HWT事業が4億800万円、EXT事業が3億9,100万円、LFT事業が4,500万円となり、いずれも前年同四半期期比を上回る結果となりました。
第2四半期累計の売上高については、HWT事業が19億6,100万円で前年同期比113.5パーセントとなりました。一方、EXT事業は9億8,800万円で前年同期比87.8パーセントと若干減少しています。
また、第2四半期累計の営業利益については、HWT事業が7億7,800万円で前年同期比127.5パーセントとなりました。一方、EXT事業は6億3,100万円となり、前年同期を下回りました。ただし、GIGA保証については第2四半期から運営正常化対応が進捗し一定収束しており、回復トレンドに移行しています。
簡単ではありますが、第2四半期の状況をご説明しました。
私たちが考えるストックビジネスコンサルティング
当社のビジネスモデルと成長戦略について簡単にご説明します。当社は現在、ストックビジネスコンサルティングを提供しています。最近、世の中では「モノからコトへ」という認識が広まりつつあります。具体的には、商品を売り切るだけではなく、販売後の既存顧客をいかに活性化・収益化していくかが重要なテーマとなっています。
特に「箱物」と呼ばれる住宅領域は、売り切り型のビジネスが主流でしたが、現在は単なる売り切りではなく、お客さまの貴重な資源として活用することが重要視されています。
これをテーマとしたコンサルティングサービスが、当社が考えるストックビジネスコンサルティングです。具体的には、クライアントが所有する既存顧客の情報、技術、ノウハウといった資産の価値を向上させ、活性化・収益化するための提案や支援を行います。一過性の売上から脱却し、LTV(顧客生涯価値)を最大化する会員型ビジネスの構築を提案しています。
私たちの提供サービス
ストックビジネスコンサルティングを実現するために、独自のエンゲージメントプラットフォーム「会員型ビジネスOS」をクライアントに提供・販売し、運用しています。
「会員型ビジネスOS」はデータベースを基盤とし、保証アプリやポイントなどの各種機能を統合したプラットフォームで、最終的には最適なOne to Oneマーケティングの実現を目指しています。
会員型ビジネスによって実現するもの
クライアントの自社商圏において、通常のBtoCビジネスでは、商材ごとに個別のリサーチやブランディングを行った上でマーケティングを実施する必要があります。
しかし、「会員型ビジネスOS」をご活用いただくことで、自社商圏の形成を支援し、会員型ビジネスを実現できます。会員組織化によってクライアントと顧客の関係性を構築・強化し、低リスクかつ高精度なクローズドマーケティングを行うことが可能となります。
会員型ビジネスを加速するソリューション
エンゲージメントプラットフォームは、販売や運用のみならず、会員型ビジネスを加速させる幅広い伴走型支援ソリューションを提供し、クライアント企業のビジネスを支援します。具体的には、コンタクトセンターの運営やサイバーセキュリティ対策、コンテンツの企画・配信、サブスクリプションサービスの組成の他、トレンド商材に保証や分割払いを組み合わせるなどがあります。単なるプラットフォーム提供にとどまらない、クライアントに寄り添った幅広い支援を行っています。
エンゲージメントプラットフォームにはさまざまなパーツが含まれており、ニーズに応じて提供することで会員組織化を実現します。例えば、お客さまと長期的な関係を構築するために、保証、アプリ、ポイントなどを活用した仕組みを提供しています。
一方、構築した会員組織は、仕組みの提供だけでは収益化に至りません。そのため、活性化を促進する手段として、コンテンツの配信やサブスクリプションサービスを提供しています。
そして、幅広い商材群を提供し、金融サービスも織り込むことで、最終目標である収益化を実現します。さらにクライアントが保有する既存顧客を守るためにデータベースの保護といったセキュリティサービスも提供します。
お客さまのニーズに応じて、エンゲージメントプラットフォームを丸ごと提供して会員組織の構築を支援したり、全体の中の一部、例えばサブスクリプションサービスのみ、もしくはデータセキュリティのSaaSのみを提供することで、会員組織の活性化と収益化を実現しています。
会員情報集約を通じたデータベースマーケティングへ
当社の主力は保証サービス事業ですが、保証はエンゲージメントプラットフォームを構成するソリューションの1つにすぎません。例えば、クライアントと長期的な関係を構築する仕組みとして保証を提供したり、アプリを提供することがありますが、この場合、保証はソリューションの1つとして位置づけています。
お預かりしたデータベースを収益化する際に、保証をコンテンツとして活用することがありますが、この場合、保証はクライアントと長期的につながり続ける仕組みであると同時に、収益化の仕組みでもあります。
具体的には、お客さまからお預かりしたデータベースをクライアントと連携して活性化・収益化するというモデルを推進しています。これはプロフィットシェアを採用しており、特に住宅領域では非常にうまく機能している状況です。
クライアント支援事例
スライドは、クライアント支援事例をご紹介しています。ある大手マンションデベロッパーさまに対し、「オーナーズクラブ」というアプリおよびポイントを提供し、会員組織を構築するとともに、さまざまなシステムを導入し、最終的にリフォーム事業の運営でマネタイズする仕組みを提供しています。
このように、クライアントと一体となって実現する取り組みを行っています。
今後のビジネス展開
今後のビジネス展開としては、住宅領域で提供しているエンゲージメントプラットフォームを、住宅領域以外の業界にも積極的に提供していきます。
今後のビジネス展開
スライドに記載しているとおり、住宅領域ではデータベースマーケティング(DB)がすでに本格化しており、現在の収益の柱となっています。
この取り組みをカルチャーセンター領域に横展開しようと考えています。経営統合したメディアシークが提供している市場の6割から7割のシェアを占めている「マイクラス」というカルチャーセンター向けの基幹システムを軸に、ストックビジネスコンサルティング、すなわちエンゲージメントプラットフォームを提供することで、次なるマネタイズの機会を狙っています。また、大学領域への横展開も推進しています。具体的には、アクセンチュアと共同で大学アプリを提供する取り組みを進めています。
カルチャーセンター領域や大学領域ではリスキリングをテーマに掲げ、ストックの活性化・収益化を目指します。
当社業績構造と今後の成長イメージ
当社の業績構造は、BtoBビジネスとBtoCビジネスの2つから成り立っています。今後の成長イメージとしては、BtoB/BtoC双方の商材充実を通じて収益を確保していく考えです。
BtoBでは、主に仕組みを構築し、エンゲージメントプラットフォームの一部機能を提供しています。例えば、サブスクリプションサービスを提供したり、仕組み全体を提供することもあります。さまざまな商材をBtoBで提供し、クライアントを着実に増やしていきます。その上で、クライアントが持つBtoCのお客さまを活性化し、収益化を図るという2段構えの収益構造を取っています。
現在はBtoBの分野で、住宅の第1層と第2層の両面で数値を達成しています。まずは第1層のクライアントを他の領域で開拓し、BtoBtoCの領域に進めていくモデルを試行中です。
【再掲:2025年8月13日公表】新中期経営計画【2026.6期~2028.6期】
中期経営計画については、当初の見込みどおり進めていく予定です。今後3年間で50億円を目指したいと考えています。
質疑応答:EXT事業における第1四半期の業績と課題の詳細について
質問者:基本的な内容ではありますが、業績についておうかがいします。
EXT事業については、前期第4四半期に見込める範囲で織り込んで特別損失を計上したと思いますが、当第1四半期で少しつまづいた要因は何でしょうか?
また、それがどのように解消され、第2四半期以降は通常の状態に戻ったのかについても、可能な範囲で具体的に教えていただけますか?
安達:前期に28億円の引当を計上しましたが、これは将来的に発生し得る修理の可能性を精密に計算して算定したものです。当然ながら、28億円の範囲内に収めるための体制を整える必要がありましたが、前期末の段階では完全に整備されていませんでした。そのため、第1四半期は修理や受付などの業務をコントロールする体制の構築に大部分の力を注ぐこととなり、結果として、第1四半期の初期段階では営業活動がほとんどできていない状況でした。
要するに、前期の引当を確実に達成するための体制づくりに多くの時間と労力を費やしたというのが実情です。営業活動が本格的に開始されたのは第1四半期の後半からになります。
質問者:引当するべき額を計上したものの、特別損失が発生したということでしょうか? それとも、御社は直接修理しないが、そのプロセスを手配する部分が抜けていて、期初段階でその対応に想定外の人員を取られたことが要因となり、第1四半期のEXT事業はトップラインを上げることができなかったということでしょうか?
安達:おっしゃるとおりです。
質問者:作業面で余分なコストがかかったわけではなく、御社の固定費、具体的にはマンパワーが営業活動に向けられず、対応に追われてしまった結果、結局2ヶ月ほどトップラインが上がらなかったということですね?
安達:そのとおりです。
質疑応答:事業環境について
質問者:事業環境は、家庭用の蓄電池が中心でしょうか? 事業環境自体は変化していませんか?
安達:蓄電池には大きなニーズがあります。特に家庭用は太陽光と蓄電池の設置率が引き続き高い状況で、ニーズは依然として非常に高いと考えています。
質問者:事業環境は特に変化していないということですね?
安達:そのとおりです。
質疑応答:EXT事業の上期売上計画未達の要因について
質問者:事業環境は特に変化していないものの、第1四半期の遅れなどが要因となり、EXT事業では上期売上計画の12億6,100万円を達成することは難しいという認識なのでしょうか?
スライドのとおり、当初12億6,100万円だった計画から3億円弱下振れし、9億8,800万円で着地しています。これはほぼ第1四半期の影響と考えてよろしいでしょうか? 第2四半期については、期初に想定したレベル感で収益を確保しているという理解でよろしいでしょうか?
安達:そのとおりです。当初はNext GIGAマーケットを推進する予定でしたが、計画を見直すこととなりました。
質問者:そうだったのですね。
安達:はい。Next GIGAマーケットを半年前にある程度見込んでいましたが、特別損失を計上している中でリスクが非常に高まったことや、保険会社の引受が非常に厳しくなっていることから、当社からの積極的な提案は行っていません。
質問者:子どもたちの使用状況によっては影響が出ることがわかったため、Next GIGAマーケットの推進を見直すこととなり、その結果としてトップラインの落ち込みにつながったとの理解でよろしいでしょうか? そのような影響も一部含まれていますか?
安達:そのとおりです。
質疑応答:HWT事業の上期営業利益計画未達について
質問者:HWT事業は順調とのことですが、営業利益は8億2,500万円の計画に対して7億7,800万円と、わずかに未達でした。これは気にするレベルではないという理解でよろしいでしょうか?
安達:計画を少し下回りましたが、誤差の範囲と考えています。
質問者:特別なことは起きていませんか?
安達:住宅事業は極めて順調だと認識しています。お客さまからの反応も良く、最近では、これまで保証を前面に押し出した営業スタイルから、よりストックビジネスコンサルティングを重視した方法へ移行しています。
現在は、まさにエンゲージメントプラットフォームの販売に注力しています。具体的には、先ほどお伝えした「モノからコトへ」という中で、「保有している既存顧客をもっと有効活用しましょう」「ここから顧客紹介を増やしましょう」「リフォームを増やしましょう」といった切り口で提案を行っています。
さらに、そこからさまざまなソリューションを提供しており、その中の1つが保証です。場合によってはアプリ、あるいはサブスクリプション商材など、多様な商材も含まれています。そのような切り口によって、従来に比べてよりコンサルティング型、もしくはデータベースマーケティングに近いアプローチを採用しています。これは、先ほどお話ししたクローズドマーケティングの一例でもあります。
また、事業者には「商圏の価値を高めましょう」という提案も行っています。これは、従来の保証を軸に展開していた時には、価格競争が比較的激しかった部分を補完するものです。
この事業は、15年から16年続けていますが、同業他社も参入し、価格競争が始まっていました。しかし、その切り口から入ることで価格競争は起きにくくなり、より深い関係を構築できます。まさにお客さまと一体となって収益を上げる、「新しい事業をつくりましょう」という取り組みが進んでいる状況です。そのため、非常に良い反応や手応えを感じています。
前期下期ごろからこのやり方に切り替えたところ、如実に成果が表れ始めています。反応も良く、「まさにこれが当社のやるべき方向だ」「まさにこれがエンゲージメントプラットフォームだ」となり、住宅領域以外の分野にも展開しようという流れが生まれています。
住宅領域のお客さまのロイヤリティが非常に高いため、さまざまな商材を提案しても反応が良く、またデータを活用することでOne to Oneマーケティングとしてお客さまのニーズに合った商品を提供できています。この結果、非常に高い効率と契約率を実現できる仕組みとなっています。
当社としては大きな手応えを感じているため、さまざまな領域に横展開し拡大していきたいと考えています。そのような意味では、住宅事業は極めて順調に推移していると思います。
質疑応答:下期の挽回策とEXT事業の売上見通しについて
質問者:上期の売上高・営業利益は若干ビハインドし、未達となりましたが、通期見通しは据え置くとのことでした。これは、挽回できるとのご判断によるものと思いますが、どの部分を挽回できるとお考えでしょうか?
先ほど、下期について中古住宅向けの保証商材に関するお話がありましたが、この点については、下期の挽回策としてどのような点に注目すべきでしょうか?
安達:ここはまさにデータベースマーケティングに関わる部分で、クライアントが保有しているデータベースに多様な方法でアプローチし、既存のお客さまに対してさまざまな商材を提供しています。
中古住宅のお客さまにご利用いただける保証サービスを数多く提供していますが、反応が非常に良好であるため、そこをしっかり確保すれば十分に達成可能と見込んでいます。
質問者:期初は手応えがそこまでなかったため、これが挽回の1つの大きな柱になるということでしょうか?
安達:期初からある程度は見込んでいました。当社の期末である6月に向けてさまざまなお客さまと折衝を行い、最初の7月から10月は企画して商品を作るなど、いろいろと準備を進めてきました。
実際に営業を開始するのは11月以降になりますので、今まさにご案内からクロージング、受注を行っているところです。その後契約獲得、入金については4月から6月がメインとなる予定です。毎年このような流れで動いています。そのような理由で、期初からある程度は見込んでいました。
事前にリサーチを行い、反応を見ながら商材を検証していますので、「これぐらいの率でこれぐらいは獲得できる」という点については、当社として把握しています。ある程度は見込みを立てたかたちで、調整しながら進めていました。
質問者:上期の売上高・営業利益の下振れ分は下期に挽回できると見ているということですね。
ちなみに、EXT事業の通期売上高予想は19億2,300万円となっており、達成するには下期に約13億円の計上が必要となります。この点について、挽回は可能なのでしょうか? それとも、売上構成比が変化する見込みなのでしょうか? EXT事業は下振れの可能性がある一方で、先ほどお話があったHWT事業で挽回が可能と判断し、特別な対応は行わないというご判断なのでしょうか?
安達:EXT事業については、GIGA保証の数字を考慮していないため、若干下振れる可能性があると考えています。ただ、それ以上にHWT事業が伸びると見込んでおり、そこで挽回できると考えています。
質問者:HWT事業で保証サービスが最も大きな構成比を占めているものの、保証サービス以外の売上が下期にかなり立ち上がるということでしょうか?
安達:基本的には保証サービスがメインです。先ほどの「Solvvy Engagement Platform」については、アプリ提供やポイント制度導入により、仕組みとして長期的につながりを保てるようにしています。保証やポイント制度の提供だけでなく、データベースを守るためのセキュリティシステムを提供することもありますが、これらの収益は微々たるものです。
エンゲージメントプラットフォーム「会員型ビジネスOS」を提供しながら、最終的にはどこで収益を上げるかというと、やはり保証が収益化しやすく、当社の得意分野であるため、最終的に保証で収益を上げることがメインになると考えています。
質問者:繰り返しになり恐縮ですが、本来の保証サービスとは分割して収益計上を行うことがメインであり、急に注力したからといって売上や利益が急増するものではないと思います。ただ、20年保証などを導入するようになってからは比較的その取り組みが期間損益に合致するようになり、利益が大きく増加したのではないでしょうか? 現在取り組まれている分野については、どのように考えればよろしいでしょうか?
安達:ミックスになると思います。具体的には建物保証と同様に、一部はアドミンフィーを先に収益として受け取れる部分があり、その他は分割計上となる場合が多いです。
すなわち、単なる分割計上にとどまらず、ある程度収益を先に受け取れる仕組みになっています。新しく商材を導入する際には、少し先に収益を得られる設計にしています。
質問者:HWT事業については、売上高44億9,100万円、営業利益20億6,200万円に対して、今後若干の上積みが見込めるという認識でよろしいでしょうか?
安達:上積みを予定しています。
質問者:単純にエクステンドの低い下振れ分をどこまで消せるかというイメージですか?
安達:おっしゃるとおりです。
質疑応答:「会員型ビジネスOS」の対象について
質問者:成長戦略について少し補足いただきたいと思います。先ほどのプレゼンテーションで、単なる保証だけではなく、お客さまとの接点を広げることで、より幅広い収益を得る、すなわち深掘りや横展開を進めるという意味だと理解しました。一方、「会員型ビジネスOS」の「会員」とは、具体的にどのような方を対象にしているのでしょうか?
安達:例えば住宅領域では、住宅事業者が過去に引渡したお客さまを会員組織化することになります。会員組織化とは、お客さまの個人情報の問題に配慮しながら、さまざまなかたちでアクセスできるようにし、しっかりと同意を得た上でOne to Oneマーケティングを可能にする仕組みです。
例えば、お客さまにメルマガを送る際に「どのメルマガを見たか?」「どの商材を販売したときに、どのような反応があったか?」などのかたちで、まさにOne to Oneマーケティングが実施できるようなモデルだと思っています。
質問者:会員費の徴収などでしょうか?
安達:会員費は徴収しませんが、お客さまとつながる仕組みとして、例えばアプリを登録していただく、ポイントを登録していただく、保証に申し込んでいただく、あるいはいろいろなかたちで会員組織の規約に同意していただくことで、会員になっていただきます。
会員になっていただくことで、さまざまなプロモーションを実施したり、お客さまにもメリットがあるサービスを提供できます。一般的なBtoCよりも明らかに反応が良く、契約率も圧倒的に向上します。
住宅事業者が単体で自分たちの会員組織やマーケティングを展開しようとすると、規模が小さすぎるため、コストが見合いません。しかし、当社は基本的に同じモデルを横展開しながら、会社ごとに若干のカスタマイズを加えつつ展開します。
例えば、住宅事業者のお客さまについては、築年数ごとにニーズがだいたい決まっています。「築2年以内ならこのようなニーズがある」「築5年ならこのようなニーズがある」といった具合です。
質問者:水回りが壊れるなどですね。
安達:そうです。「こういう商材を売ったらこういう契約を取れる」という住宅のデータベースに基づいて、それらのデータを活用しています。ただし、クライアントが自社独自でアプリやポイント制度を構築することは、過剰となります。
そこで、小商圏でも簡単に構築できる仕組みとして提供している「Solvvy Engagement Platform」を、小規模な事業者向けに展開しています。
当社が提供している仕組みは汎用性が高く、大部分が共通化されているにもかかわらず、事業者からは、自分たち専用にカスタマイズされているように見える仕組みになっています。よく例に挙げるのは、「セブンイレブン」のカレーパンや「ローソン」のカレーパンは、実際はどちらも山崎パンが製造しているという話です。それがまさに「僕らはそういう黒子的な仕組みを提供したいよね」のような形式になっており、そのようなかたちで提供しています。
質問者:工務店などでは自前ですべて行うことは難しいので、非常にニーズがあるのでしょうね。
安達:家電量販店などのように大きな商圏を持つ企業は、自社で取り組むケースも多いですが、このような仕組みはロイヤリティが高い一方で、非常に小さなマーケットには効率が課題となります。
中堅の工務店の場合、年間数十棟から百棟程度の売上規模しかない場合があります。これは世間的に見ると小さな商圏です。そのため、こうした商圏内での囲い込みやロイヤリティを高める施策、例えばプロモーションを行うなどといった対応は、小規模事業者にとって独自で行うのは難しい状況です。
当社は、小さな商圏に対してもプロモーションの実施や、専用のサブスクリプション商品の提供を行っています。また、さまざまな活性化施策や収益化に向けたソリューションを、お客さまが選べる形式で提供しています。このような取り組みを通じて、多くの工務店に対して小さな商圏を複数作り出しながら、サービス展開しています。
質問者:御社の場合、戸建てがほとんどなのでしょうか?
安達:いいえ、マンションも多いです。先ほどお話ししたように、会員組織として「オーナーズクラブ」を構築したのは大手デベロッパーさまです。
最大手企業には、当社の商材の一部を提供する場合もあれば、「オーナーズクラブ」全体の運営を任されて仕組みづくりからすべてを担当するケースもあり、会社さまによって異なります。
質問者:マンションだと管理会社が入り口として影響力があると思いますが、それでもマンションにはチャンスがあるのでしょうか?
安達:マンション管理会社は、意外と個人の専有部には関与しません。どちらかといえば、管理会社ではなくデベロッパー側が取りまとめるという流れがあり、管理会社ではあまり積極的な策を打てないという状況です。
質問者:この部分は取り組み始めたばかりかもしれませんが、手応えはあるということですね。今後業績にどのようなインパクトを与え得るのでしょうか?
安達:手応えというよりも、以前からこのモデルを進めており、今回それを明確化しました。これまでにもOB顧客に対する施策を打ち、収益化ソリューションを提供していました。部分的にはすでに展開していたのですが、今回「ストックビジネスコンサルティング」という言葉で定義づけて、明確に方向性を示しました。
このビジネスモデル自体は、前期もしくは前々期からある程度進めており、収益においてもかなりの部分を占めていました。OB顧客は引渡し済みのお客さまを指しますが、このOB顧客からの収益の獲得は一定の成果を上げている部門でした。これをさらに進化させ、さまざまな商材を提供していくかたちで事業を進めています。保証以外の新たな商材も今後増えていくと思います。
例えば、収益的には大きくありませんが、AironWorksといった企業向けの情報保護関連商材を提供したり、事務受託を行ったりするなど、幅広く収益化を図っています。
ただし、保証が最も大きな強みであることは間違いありません。ここが大きく利益を生み出す部分であるため、保証を軸にしながらその他の関連商材を増やし、収益化を図ることを考えています。
質問者:大きく差別化されてくると思いますが、今後データが非常に重要になってくると思います。この場合、さまざまなデータがあるため一概には言えないかもしれませんが、どのようなものをイメージすればよろしいでしょうか?
安達:データとは、まさに顧客情報を指します。お客さまの名前、住所、家族構成、さらに過去の履歴、例えばどのようなサービスを申し込んだか、どのようなものを閲覧したかといった情報を蓄積したものがデータベースです。
当社では、このデータベースをクライアントに提供するとともに、それに対してさまざまなアプローチを行い、データベースを活用した収益を最大化する取り組みを進めています。
質疑応答:住宅設備保証事業における競争状況について
質問者:「競争が激しくなっている」といったご発言がありましたが、実際に起きていることなのでしょうか?
安達:例えば保証事業だけを見た場合、特に住宅設備の保証の観点で見ると、やはり競合が出てきています。それに伴い、どうしても価格が下がってくる部分があるのは事実です。
質問者:競合としては、非上場となった企業がありますよね?
安達:そうです、まさにその会社などが競合先となります。ただし、どこの競合先も基本的には「ベタづけ」、すなわち住宅事業者が費用を負担して保証するという方式を狙っている場合が多いです。当社としては、必要に応じて同様の方式を採用する場合もありますが、お客さまに保証費用を負担していただくこともあり、状況に応じてケースバイケースで対応しています。
価格面での競合は、たてつけが少し異なるものの、間違いなく存在します。
質疑応答:EXT事業の今後の成長について
質問者:いずれにしても、HWT事業をより深掘りしていく流れになるのかと思います。一方で、EXT事業については先ほどのお話では大きな問題は起きていないようですが、今後の成長という意味で少し心配な点もあります。こちらについてはいかがでしょうか?
安達:GIGA領域については、ようやく落ち着いてきており、現在終息に向けて取り組んでいるところです。
再生可能エネルギー領域については引き続きニーズがありますが、市場としてはそれほど大きくないため、どこまで伸びるかがポイントです。ただし、同領域は当社の強みでもあるため、引き続き注力して成長を目指します。また、現在産業用のニーズもあり、クライアント数では個人向け再生可能エネルギー蓄電池が多い状況ですが、これから産業用にシフトしていく方向で進めています。
再生可能エネルギー以外の領域では、医療関連や新しい分野への進出も検討しています。具体的には、製造業や再生可能エネルギー以外の領域、さらには先ほど触れたカルチャーセンター領域などが挙げられます。
住宅以外の保証が、このEXT事業のもともとの趣旨です。住宅については保証を含めて対応していますが、住宅以外の領域の保証については、さまざまなかたちで現在探索を進めています。また、再生可能エネルギー以外の領域にも、積極的に展開しようとしています。
質問者:産業用や医療用など、幅広い分野で可能性を追求されているように思いますが、「蓄電池だけじゃない、GIGAだけじゃない」とのお話があったものの、今後の柱となるものが現時点ではまだ見えていないように感じます。
安達:保証だけでは逆に難しい部分もあります。そのため、入り口として「Solvvy Engagement Platform」を推進しようとしています。この中で保証を含め、例えば保証が難しい場合でもSaaSを導入するなど、商材を展開できる仕組みを整えています。
保証だけに依存してしまうと、保証が成立しない場合には展開が終わってしまいます。そのため、新しい領域への展開として、「Solvvy Engagement Platform」に注力しています。特にカルチャーセンターや大学領域などの分野は保証ニーズが少ないため、異なるアプローチが求められます。
カルチャーセンターや大学領域は、システムのニーズや会員の活性化ビジネスとして、リスキリングによる会員の活性化、収益化のニーズが非常に高いといえます。そのため、これらがマネタイズポイントになると考えています。保証ではなく、これらのニーズに応じてマネタイズポイントが変わってくる可能性があると思います。したがって、領域によってどのようなニーズがあるかは大きく異なります。
このように、保証が適用される領域とそうでない領域がありますので、それを見極めながら進めていきます。現在は、保証ニーズとは異なる特性を持つ可能性があるカルチャーセンター、大学といった次の焦点となる領域に注力しています。
質問者:コンテンツに関連した話題になると、また少しフェーズが変わってくる印象がありますね。
安達:現時点では具体的にお話ししづらい部分もありますが、リスキリングなど、いくつかのコンテンツや商材が候補として挙がっています。これらの商材の可能性を確認しながら、進めていこうと考えています。
質疑応答:メディアシーク統合後の事業展開とSolvvyへの影響について
質問者:メディアシークの事業がどのように展開され、それがSolvvyにどのように反映されているのでしょうか? 現時点では、御社の事業にはあまり関与していないのでしょうか?
安達:非常に活用されています。どのようなサービスを提供する場合でも、システムと一体になっています。例えば、「Solvvy Engagement Platform」を販売する際にも、必ずなにかしらのシステム、例えばアプリやデータベース基盤の導入がセットになります。それがないと導入ができないためです。
マネタイズは保証が中心ですが、その保証を取るためにはシステムを組み込む必要があります。具体的には、まさにエンベデッドファイナンスとして、システムを統合した形式で保証やファイナンスを提供しています。ただし、それはシステム受託によるマネタイズではありません。
メディアシークはSIerであり、従来はシステム受託でのマネタイズを基本としてきた会社です。ただ、当社としては、メディアシークのシステム受託を取得しても、正直なところ大きく伸びるわけではなく、ある程度の成果は出るものの、収益貢献は限定的と考えています。
そのため、システム受託は一部継続しつつ、最終的なマネタイズポイントとしては、金融や保証などをうまく関連させて収益を上げていこうと考えています。
特に新しい分野を開拓する上では、システム会社と一体になることが非常に大きなアドバンテージとなります。反対に、それがないと、クライアントに提案しても保証だけではまったく響かない状況です。しかし、例えばSIと連携して提案を行うと、顧客から非常に良い反応を得られることが多いです。クライアントのシステムに組み込むことは可能であり、根幹から取り組むことで非常に幅広く展開できます。
これまでも当社は、OB顧客からの収益化をテーマにして取り組んできました。旧日本リビング保証は、かつては保証に特化していましたが、そこから徐々に方向性を変え、ストックをいかに収益化するかという方向へシフトしてきました。
その過程でメディアシークと統合し、「当社はどのような会社か?」を再定義し、「ストックビジネスコンサルティングが当社のテーマである」と再評価しました。これには非常に大きな意義があったと考えています。
「Solvvy」という商号は、「Solve with idea,Solve with you」として、「v」を2つもち「w」は「with」として、お客さまとともに課題を解決するという意味を持っています。また、「ともに解決する」という観点から「お客さまの課題を聞き、足りない部分を補いながら一緒に収益を作っていく」という考え方で取り組んでいます。
メディアシークとの統合を経て、会社の再定義を行い、現在に至っています。その結果として、大きく事業の幅が広がったと実感しています。
確かにメディアシークの売上は、もともとシステム受託が主軸でした。しかし、この統合により保証事業との連動性が生まれ、非常に大きなシナジー効果を得られています。そのような点でも、統合の価値は非常に高いと考えています。
質疑応答:住宅設備保証事業と成長戦略について
質問者:上場された時に、新築住宅の設備における10年保証について感銘を受けました。IPOの際にも「11年目で実家の風呂釜が壊れた」というお話をさせていただきました。10年できっちりと区切るというのが非常に印象的なビジネスモデルで、「良いところを突いているな」と強く感じたことを今でも覚えています。
ただ、20年保証や先ほどの中古住宅のお話、「GIGAスクール構想」のタブレットのお話など、「おいしい」領域以外の分野にももう少し手を広げないと、成長が難しくなってきているのではないかとも感じています。この点についてはどのようにお考えでしょうか?
安達:設備保証は、非常にニーズがあり、良い商材であることは間違いありません。創業時から変わらず続けている事業であり、とても良い商材だと認識しています。
しかし、それだけでは収益的に厳しい面もあると考えています。例えば、建物保証を始めたりしていますが、設備に比べて建物は耐用年数が長く、設備は寿命が短いという特性があります。そのため、建物は20年保証でもまったく問題ありません。
保証の年限や内容は、対象物に応じて調整しつつ、保険会社とも連携を図りながら対応しています。重要なことは、良い商材やニーズがあれば特定の領域にこだわらず柔軟に事業を展開することだと考えています。そのため、まずはどのようなニーズがあるのかを見極め、それに基づきさまざまな保証サービスや機能サービスを展開していく方針が基本になると思っています。
質問者:先ほどのタブレットなどの話題を踏まえて、もう一度住宅にしっかり回帰していくことが、リスクを踏まえても一番良い方向性であるという考え方ですね?
安達:住宅以外の分野も取り組んできましたが、一周まわってやはり住宅が最も良いマーケットだと感じています。
実は、再生可能エネルギー領域も、家庭用で住宅のリフォーム領域に近い位置づけとなります。これまで当社は新築住宅だけを扱ってきましたが、中古領域やリフォーム領域など、幅広い分野があります。再生可能エネルギーの分野もリフォーム領域に該当するため、さらに広がりを見せる可能性があります。
したがって、この分野をさらに広げたり、中古領域をさらに開拓できるのではないかと考えています。住宅領域の中でも深掘りを進めていくことで、関連する領域が広がっていくので、住宅はもう一度しっかりと注力し、より強化すべきだと考えています。
質疑応答:経常利益や株主還元の方針について
質問者:経常利益と親会社株主に帰属する中間純利益について、当初計画に合わせたという表現は適切ではないかもしれませんが、経常利益や営業外収益を少し捻出されたように感じます。今後もこのような施策を意識して実施されるのでしょうか? また、自己株式取得など、株主に配慮した取り組みもされていらっしゃいますが、今後も同様に進めるご予定でしょうか? 売上高と営業利益に注目しがちですが、一般的な、特に個人投資家は当期純利益を重視します。
安達:そのような意味では、今回は約10億円に調整したというわけではなく、たまたまそのような結果になったというのが事実です。自己株式取得も、株主への配慮の一環であり、今後もさまざまなことを考えていきたいと思っています。