■電算システムホールディングスの会社概要
1. 沿革
同社は、2021年7月に単独株式移転により、独立系総合情報処理サービス企業である(株)電算システムの完全親会社として設立され、東京証券取引所プライム市場及び名古屋証券取引所プレミア市場に上場している。電算システムが保有する(株)ソフトテックス、(株)DSKペイメント(2024年5月に(株)DSテクノロジーズから商号変更)、ガーデンネットワーク(株)、(株)ゴーガ、(株)ピーエスアイ、(株)システムエンジニアリングの全株式を同社へ現物配当することにより、同社の直接出資会社とし、併せて、完全子会社である(株)システムアイシーを電算システムに吸収合併した。また、2021年7月に(株)マイクロリサーチを子会社化した。2022年3月には、システム開発の(株)CMCを完全子会社化し、十六フィナンシャルグループ(以下、十六FG)との合弁事業会社である十六電算デジタルサービス(株)(以下、JDDS)を設立した。2025年5月には電算システムが九州支店を開設し、同年8月には100%子会社のマイクロリサーチを同社が全株式譲渡によりグループから切り離した。2025年11月には、2024年10月に電算システムと業務提携したUnyteの全株式を同社が取得し完全子会社化(2025年12月からは子会社化)した。
2. 事業概要(グループ会社)
(1) 電算システム
同社グループの中核事業会社であり、情報サービス事業と収納代行サービス事業の2つの事業を展開している。独立系企業であるため、メーカーに縛られることなく「ワンストップサービス」の提案を行っている。
a) 情報サービス事業
情報サービス事業は、2025年12月期まで「SI・ソフト開発(Google事業含む)」「情報処理」「商品及び製品販売」「その他の収益(賃貸等)」の4つのサブセグメントで運営されていたが、2026年12月期よりストック型ビジネスへの注力姿勢から「クラウド・ライセンス」を独立させ、「情報処理」で市場シェア拡大の余地が大きいBPO事業推進の意志を込め名称を「BPO」に変更し、「SI・ソフト開発・商品販売」「クラウド・ライセンス」「BPO」「その他の収益(賃貸借)」に改編した。
同社のクラウド関連サービスは、Google関連サービスの売上高が多くを占めており、法人・教育機関向けのメールやカレンダーといったグループウェアをはじめ、データ分析や企業内ポータルサイトなど様々なGoogle関連ソリューションを提供している。GIGAスクール構想を支援し、教室での学びも支援する教育リソースである「Google for Education」を活用した遠隔学習支援プログラムに参加した。足元ではNEXT GIGAについてNECと連携し協業している。また、2022年9月にはアマゾン ウェブ サービス「AWS Solution Provider」認定の取得によりAWS関連ソリューションを、2025年4月にはSalesforceプラットフォームを共通基盤とした(一社)ERP Cloud 360 コンソーシアム参画によりセールスフォース・ジャパン販売パートナーとしての地位をそれぞれ強化し、独立系SIerとして、顧客要望に応じた柔軟な対応を実現する。
BPOでは、同社の情報処理システムや情報処理技術を活用し、主力の請求書作成代行のほか、郵便物関連作業や百貨店のギフト通販のデータ処理・発注作業などに対応する。さらに、単体業務にとどまらずバックオフィス業務、コールセンター等の業務代行、請求・入金管理業務なども受注しているほか、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)により業務を自動化し、人手不足の課題解決に貢献している。また、請求書作成代行ではインボイス制度要件にも対応した請求書の電子化を実現する「DSKマルチインボイスサービス」を提供している。単純に電子化するだけではなく、従来の紙媒体での郵送はもちろんのこと、PDFデータの配信やメール送信、FAX送信等、請求先個々の要望に沿った請求書の発行が可能なほか、請求書の作成から請求先への配信までをトータルでサポートする強みがある。
b) 収納代行サービス事業
収納代行サービス事業は、2025年12月期までの「収納・集金代行サービス」「オンライン決済サービス」「送金サービス」「収納代行周辺サービス」「その他の収益」の5つのサブセグメントを、2026年12月期には推進方針を背景に「口座振替」を独立させ、「コンビニ収納オフライン決済」「口座振替」「オンライン決済」「収納代行周辺」「その他の収益(後払いサービス)」に改編した。なお、国際送金の取りやめに伴い、送金サービスは「収納代行周辺」に統合した。
コンビニ収納オフライン決済は同事業の中核で、コンビニ等で支払える払込票サービス、ゆうちょ振替MT代行サービス、キャッシュレス決済サービス(PayPayやau Pay、銀行Payなど)、モバイル決済サービス「モバライ☆DSK」が含まれる。2025年1月にはコンビニ収納代行業務を拡大し、国税収納代行業務を受託、取り扱いを開始した。口座振替は銀行の口座振替サービスと「TREE PAYMENT」を主軸に、同事業のアクセルを握っている。オンライン決済には、クレジット決済サービスとコンビニペーパーレス決済サービスがある。コンビニペーパーレス決済は「PAYSLE」を中心に構成され、消費者がメールを介してコンビニエンスストア等の様々な決済窓口での支払いが可能で、ほかにも、顧客の希望するタイミング・手段で決済できる「TREE PAYMENT-つど払い-」を展開する。
収納代行周辺では、スーパーやドラッグストア等で払込票で支払える「Biz@gent(ビズエージェント)」を展開している。送金サービスは、2024年6月に「ウエスタンユニオン国際送金サービス」を終了し、国内送金(第二種資金移動業)で、日本国内の顧客への返金や送金業務を代行しており、イベント等の中止に伴う返金作業等で利用されている。その他の収益に分類される後払いサービスでは、拡大を続ける後払い決済サービス市場で「DSK後払いサービス」を展開する。また、口座振替不能時に資金を立替える「TREE PAYMENT口振 -100%入金保証型-」を提供している。
(2) ソフトテックス
歯科医院向けパッケージソフトの開発・販売、医療向けシステムの販売、情報処理サービス(データ入力)業務を中心に事業を展開している。「DENTALQueen(歯科電子カルテシステム)」は、患者登録、カルテ入力等の日常業務やレセプトチェックリスト、診療月報などの月次処理のほか、患者口腔情報、問診表作成・管理などの患者管理や補綴物維持管理お知らせ表、クレジット支払明細票といった補助機能など、様々な機能を併せ持つ。このほか、保育システム「園楽」を開発・販売し、サポートも行っている。ICタグ等での登降園受付、園児在園状況管理、園児及び世帯情報管理、日誌や検温記録等の日々の記録管理、身体測定や内科・歯科検診等の成長経過管理、個別指導計画管理(年案、月案)、保育要録管理、園内掲示板など、様々な機能を持つ。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)