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電算システムHD Research Memo(9):3ヶ年計画をリバイス、長期計画達成にM&Aも視野

■成長戦略

1. 長期計画「Challenge1000」
電算システムホールディングスは長期計画として「Challenge1000」を掲げ、ESG、SDGsの要素を加味しながら、2027年12月期に売上高1,000億円を目指している。これまで培った情報処理に関するノウハウと、IT技術とサービスを組み合わせることで生まれる「新しい価値の創造」を、「情報サービス事業」「決済サービス事業」「クラウドサービス事業」「新規事業」の4つの事業を通じて実現していく。

2. 3ヶ年計画
同社は現在、新事業創出に注力する段階にあることから、前中期計画(2025年12月期-2027年12月期)をリバイスする形で、2026年12月期-2028年12月期の3ヶ年中期計画を策定した。数値目標として、2028年12月期に売上高820億円(情報サービス事業:520億円、収納代行サービス事業:300億円)、営業利益46億円(情報サービス事業:25億円、収納代行サービス事業21億円)を目指す。長期計画「Challenge1000」の最終目標では2027年12月期に1,000億円の達成を目指しており、本中期計画の売上高目標である、2027年12月期の750億円、最終年度2028年12月期の820億円では未達となる。しかし、同社では長期計画の目標は変更せず、組織改編を跳躍台に計画達成に挑む。情報サービス事業では、高利益率を目指すクラウド関連事業や豊富な経験を有するBPO事業、需要の旺盛なAI・DX関連に集中し、収納代行サービスでは「TREE PAYMENT」を含む口座振替を強化するとともに「PAYSLE」を中心としたオンライン決済サービスを推進する。ブロックチェーン決済インフラ構築の2027年12月期以降の収益貢献を注視したい。

中期計画の達成に向け2026年12月期重点施策として、「DSK Transformation」「AI・DXの深化と拡張」「決済事業の進化と拡張」「人的資本経営」「その他の施策」を掲げた。「DSK Transformation」では、ストック型事業拡大に向けサービス型ビジネスの創出を目的に、「営業本部」を新設し、所属部署の枠を越えてアカウント営業となる体制を構築する。これにより、単一の案件にとどまらず、グループが持つ多様なリソースを顧客ニーズに合わせて最適に統合し、付加価値の高いソリューションをワンストップで提案できる体制をグループ全体に定着させる。ストック型事業については、2025年12月期にストック収益比率は前期比8ポイント増加した。主力のGoogle Workspaceに密接に連携し、社内ニュース、情報ナレッジ、ツールへのアクセスを1つの画面に集約するクラウド型社内ポータル(従業員エンゲージメントプラットフォーム)LumApps等を付加する等、パッケージソフトやツールの拡充を推進しており、2025年12月期以降、協業も含め6つのサービス(Google関連3、AI関連2、DX関連1)をリリースした。これにより、ストック収益を下支えする。ストック収益源となる収納代行サービス事業では、コンビニ収納代行サービスで価格転嫁が進み営業利益率は10%水準を維持しているものの、「TREEP AYMENT」等の口座振替や「PAYSLE」等により、オンライン決済の潮流に乗ることも重要と捉え、推進する。

「AI・DXの深化と拡張」では、技術力を生かした導入支援等の付加による課題解決型サービスの提供を強化する。AIは指数関数的な速度で進化するため、随時アップセルで提案するほか、顧客導入時にサポート体制やコンサルティングを提供することでLTVを上げる方針である。生成AI専門組織「Project Gen」を中心に据えた知識の共有による技術向上やサポート体制が、顧客との強いリレーションと利益率向上のカギになるだろう。加えて、業界特化型DXの提供を推進する。現時点では教育領域を中心に進めるが、民間企業に対しても大手を中心に顧客基盤を広げる方向性を持つ。「決済事業の進化と拡張」では引き続き収益力の強化に挑む。市場環境から値上げは回避不可のため、価格容認獲得の施策としてサポート体制の拡充や、効率化によるコスト削減策として払込票を紙からスマートフォン表示に変える計画を進めている。

「人的資本経営」に関しては、クラウド技術人材の育成を強化している。2025年12月期末時点のクラウド技術資格者はのべ545人(前期末比150人増)と大幅に増加した。Google関連はもちろん、AWSでも2025年8月に認定資格数が200に到達するなど、クラウドソリューション全体を網羅し、幅広い顧客ニーズに対応する体制を整えている。「その他施策」では、長期計画での2027年12月期売上高目標1,000億円の達成に向け、60億円の成長投資枠を設け、新事業の創出やM&Aを推進する。新事業については、既存事業の成長につながる方向性で、情報サービス事業ではWeb3関連やAI、クラウドを、収納代行サービス事業では付加価値となる新機能等の開発を想定している。また、組織の階層フラット化し、これにより活発なコミュニケーションと迅速な意思決定を同時実現する。ほかにも、プロジェクトガバナンスを徹底し、各プロジェクトに対する審査やモニタリングで、提供品質向上から収益性強化を図る。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)

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