■業績動向
1. 2025年12月期の業績概要
2025年12月期の業績は、売上高26,418百万円(前期比7.0%増)、営業利益5,470百万円(同11.5%増)、経常利益5,191百万円(同10.1%増)、当期純利益3,704百万円(同15.7%増)と増収増益で、売上高・各利益とも期初予想を上回った。増収には、経営の軸足に据えるストレージ事業の成長が大きく寄与した。ストレージ事業の計画を上回る新規出店や稼働室数の拡大による売上総利益の増加に対して、販管費の増加が小幅にとどまったことが、営業利益の大幅増益につながった。ただ、少人数経営のために、積極的かつ継続的に給与増施策を実施し、販管費に計上している。営業外収益には、エリアリンクがテナントとして入居していたストレージ物件から撤退する際に、オーナーから受け取る移転補償金145百万円が含まれる一方、営業外費用として支払利息343百万円、支払手数料117百万円が含まれることが、経常利益に影響した。経常利益の増加に加えて、金地金売却益で特別利益が増加し、税引前当期純利益が増加したことで、法人税等合計の増加を吸収し、当期純利益が大幅に増加した。以上の結果、期初予想に対しては、売上高は1.6%、営業利益は2.2%、経常利益は2.2%、当期純利益は8.3%上回って着地した。また、各段階利益の対売上高比率はすべて上昇しており、年々収益性が向上していると弊社では評価している。
事業セグメント別の業績は以下のとおりである。
(1) ストレージ事業
売上高は22,229百万円(前期比14.2%増)、セグメント利益は6,045百万円(同12.2%増)と好調に推移した。同事業は安定的に増収増益を続けており、計画比では売上高は2.1%下回ったが、セグメント利益は0.1%上回った。利益率は27.2%(同0.5ポイント低下)と安定的に高く、成長戦略の主軸であるコア事業として同社の業績を支えている。2019年12月期より、毎月収益が安定的に積み上がるストック型のストレージ運用を収益基盤とする方針を掲げており、この成果が表れている。
ストレージ事業では、事業の中心であるストレージ運用は、売上高19,538百万円(前期比9.6%増)、売上総利益7,731百万円(同9.8%増)であった。修繕費等の一部計上の影響で利益計画未達ながら、稼働室数の増加に加え、貸出価格の見直し(利用者への値上げ)の効果により増収増益を確保した。一方、ストレージ流動化は、売上高2,691百万円(前期比64.3%増)、売上総利益518百万円(同68.3%増)で、大幅な増収増益であった。建築型(ストレージミニ)の販売が好調だったが、2025年12月期は戦略的に15棟にとどめて、2026年12月期の販売に回している。ただ、ストレージ事業全体に占める割合は小さく、影響は軽微であった。
(2) 土地権利整備事業
売上高は2,627百万円(前期比28.9%減)、セグメント利益は407百万円(同16.2%減)で、利益率は15.5%(同2.4ポイント上昇)であった。2025年12月期より事業縮小の方針転換どおり減収減益であったが、大型案件の販売により売上高は計画比46.0%、セグメント利益は同31.3%上振れた。仕入れについては引き続き良質物件の仕入れに注力し、在庫額は2,739百万円(前期末比208百万円減)となった。
(3) その他運用サービス事業
売上高は1,561百万円(前期比1.9%増)、セグメント利益は433百万円(同1.3%増)で、利益率は27.7%(同0.1ポイント低下)であった。アセット事業は、保有・管理物件が高稼働を維持したが管理物件の減少もあり、減収減益となった。オフィス事業は、運営物件の稼働が順調に推移し、増収増益であった。
2. 財務状況と経営指標
2025年12月期末の流動資産は、前期末比3,156百万円増加し25,714百万円となった。これは主として、現金及び預金が1,461百万円、販売用不動産が971百万円それぞれ増加したことによる。固定資産は同5,004百万円増加し38,365百万円となった。これは主として工具、器具及び備品の取得などにより有形固定資産が4,725百万円増加したことによる。この結果、資産合計は同8,160百万円増加し64,080百万円となった。
流動負債は、前期末比1,371百万円増加し9,157百万円となった。これは主として未払法人税等が580百万円、短期借入金が347百万円それぞれ増加したことによる。固定負債は同4,330百万円増加し25,694百万円となった。これは主としてリース債務が296百万円、長期前受収益が244百万円それぞれ減少したことなどに対して、長期借入金が4,632百万円増加したことによる。この結果、負債合計は同5,702百万円増加し34,851百万円となった。
純資産合計は、前期末比2,458百万円増加し29,228百万円となった。これは主として当期純利益による増加3,704百万円、配当金の支払による減少1,270百万円などにより、利益剰余金が2,434百万円増加したことによる。
以上の結果、有利子負債は前期末比4,901百万円増加し25,743百万円となった。借入金は変動金利が多いが、金利上昇に対しては賃料の引き上げや、借入が不要であるパートナー制度の活用により対応する計画だ。また、自己資本比率は45.6%と同社が目標とする40%台を維持するとともに、2025年3月期の東証プライム・スタンダード・グロース市場合計の不動産業平均の33.2%を上回る高い安全性を確保している。同様に、ROAは8.7%、ROEは13.2%と、不動産業平均のROA4.1%、ROE9.0%を上回り、高い収益性も維持していると弊社では評価する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)