■ROBOT PAYMENTの会社概要
1. 会社沿革
同社は米国IT企業の日本法人として、インターネット決済業務を目的に2000年10月に設立された。当時は既にGMOペイメントゲートウェイなどが、インターネット決済サービス事業者として一定のポジションを確立していたため、同社はサブスクサービスを提供するEC事業者向けに特化した製品を開発し、市場に参入する方針を固めた。米国本社からエンジニアを招き、アジャイル開発手法を用いて「サブスクペイ」の原型となる製品を開発し、2001年5月にサービス提供を開始した。サブスクサービスに必要な機能(料金プランの変更、課金タイミングの設定等)を充実させたことで競合サービスとの差別化を図り、使い勝手の良いシステムとして認知度が広がり顧客を獲得していった。特に、2020年のコロナ禍を契機として、オンライン型の教育サービスやフィットネスジム、ヨガスクールなどの市場が拡大し、個人事業主など対象顧客が広がったことで成長スピードも加速した。
一方で、第2の柱を育成すべく「サブスクペイ」とのシナジーが見込める新規プロダクトとして、請求・債権管理システム「経理のミカタ(現 請求管理ロボ)」を開発し、請求書発行枚数が月間100枚以上となるBtoB事業者を主なターゲットに2014年8月から提供開始した。請求書発行から決済(集金)、入金消込、債権管理までの毎月の請求管理業務を一気通貫で自動化し、バックオフィスの管理業務効率化を支援するサービスとして顧客からの支持を集めた。こちらも2020年以降、企業のDX投資が活発化するなかで導入が広がり、2023年のインボイス制度導入によって請求書の電子保存が義務付けられるようになったことを切っ掛けに需要が一段と拡大した。
同社は「サブスクペイ」「請求管理ロボ」を主力プロダクトに据え、これらとシナジーが見込める周辺サービスを拡充しながら事業成長を目指している。2021年9月には東京証券取引所マザーズ(現 東証グロース市場)に株式上場を果たし、将来的にはプライム市場への上場を目指す意向である。
2. 事業内容
同社の事業セグメントは「サブスクペイ」を主力とするペイメント事業と、「請求管理ロボ」を主力とするフィナンシャルクラウド事業で構成されている。2021年12月期以降、売上高は両事業とも年率2ケタ成長で拡大しており、年平均成長率ではペイメント事業が21.9%、フィナンシャルクラウド事業が26.6%となっている。安定して高成長を続けている要因として、両市場ともに潜在市場が大きいなかで参入障壁の高いビジネスモデルを背景に顧客獲得が順調に進んでいること、また固定利用料金や従量課金収入といったリカーリング収益比率が約98%と高く、安定的な収益基盤を構築していることが挙げられる。さらに、顧客単価(固定利用料及び従量課金収入)が着実に上昇している点も成長要因となっている。これは、従量課金額に影響する決済取扱高や決済処理件数、請求金額や請求件数などが顧客企業の成長と連動して増加する仕組みとなっているためだ。
一方、セグメント利益については、ペイメント事業が2022年12月期に人員の大幅増強(前期末比24名増の43名)で減益となった以外は安定して伸びている。利益率は2025年12月期で48.9%と高水準となった。一方、フィナンシャルクラウド事業は2022年12月期まで損失が続いたが、2023年12月期以降に収益化して以降は増益基調にある。ただし、2025年12月期の利益率は22.4%とペイメント事業と比較して乖離がある。リカーリング収益比率は両事業とも約98%と同水準である。「サブスクペイ」がコストのかからない従量課金の比率が約5割であるのに対して、「請求管理ロボ」は約2割と相対的に低いこと、また、人員数がほぼ同水準であるためフィナンシャルクラウド事業の人件費率が相対的に高いことも一因と見られる。「請求管理ロボ」は企業の請求関連業務のワークフローを刷新するため、システムの安定稼働が必要であり、コンサルタントが導入から3ヶ月ほど伴走支援している。人手がかかるものの、一旦稼働するとほかのシステムへのリプレイスは難しく、解約率の低さ(2025年12月期第4四半期で0.43%)につながっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)