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コーア商事HD Research Memo(5):長期事業計画に基づき、中・長期の成長戦略を推進(2)

■コーア商事ホールディングスの中・長期の成長戦略

2. 長期事業計画の成長戦略
長期事業計画では以下のことを目指す。第1にグループのコーポレート・スローガン“New Business Model Innovation”を掲げ、商社機能と製造機能を併せ持つビジネスの独自性とそのシナジー効果を十分に活用して、国内の医薬品業界に新しいビジネスモデルを確立する。第2に、コーア商事(株)を原薬輸入商社から医薬品専門商社へ転換し、ジェネリック医薬品のみならず長期収載品※1・AG※2への展開、新しいモダリティへの対応であるライセンスイン活動※3を推進する。第3に、コーアイセイ(株)は、注射剤を主としたジェネリック医薬品メーカーから特長のある注射剤国内トップメーカーになることを目指し、蔵王工場シリンジラインの増強や、バイアルラインの本格稼働に向け、新規品目を追加するとともに、医薬品倉庫や注射剤製造設備等へ投資し、生産能力強化や安定供給体制を推進する。

※1 既に特許が切れ、同じ効能・効果を持つジェネリック医薬品が発売されている新薬。
※2 先発医薬品メーカーから許諾を得て製造される、原薬、添加物及び製法等が新薬と同一のジェネリック医薬品。
※3 海外で生産された医薬品の輸入販売の事業化や海外の知的財産を国内製薬会社が導入するための橋渡しをすること。

成長戦略によって医薬品セグメントの成長を加速させ、現在の原薬セグメント中心の収益構造から2030年6月期までに2本柱の事業ポートフォリオとすることで、より安定した事業基盤を持つ企業グループを目指す。また、成長投資と株主還元にも配慮し、設備投資、回収・リターン、株主還元というサイクルを回すことで、持続的な成長と資本コストを意識した経営、すなわち、ROEの向上、流動性改善策(積極的なIR活動の実施、株主還元策、資本政策等)の検討などによる企業価値向上を図る。

3. 中期経営計画の成長戦略
同社グループでは、長期事業計画の達成に向けて、今後3年間(2026年6月期~2028年6月期)の中期経営計画を策定した。ジェネリック医薬品業界では、医療費の適正化に向けて市場の拡大が見込まれる。ジェネリック医薬品の使用促進のため、2024年3月14日に開催された「社会保障審議会医療保険部会」において、「後発医薬品(ジェネリック医薬品)の金額シェアを2023年薬価調査の56.7%から2029年度末までに65%以上とする」新目標が設定された。また、2024年10月1日よりジェネリック医薬品が販売されている先発医薬品である長期収載品に対して選定療養の仕組みが導入され、対象となる医薬品においてはジェネリック医薬品との差額の4分の1が患者負担として増えるため、今後はジェネリック医薬品の使用が促進されると想定される。これらのジェネリック医薬品の促進策により、さらなる市場の拡大が見込まれる。

このような事業環境や方針の下、原薬セグメントの中期事業戦略として以下を掲げ、成長が見込める新規収載品を中心に採用を進めるとともに、既存品のシェア拡大、長期収載品への展開を目指す。
(1) 2030年6月期目標達成に向けた蓋然性のある成長
(2) サプライチェーンの強化と多様化
(3) DX推進とAI技術の業務活用
(4)「医薬品専門商社」に向けた新規事業の推進
(5) 進化するニーズに応えるバックオフィス
(6) グループシナジーの強化
(7) ESGへの対応

既に、(1) については新規収載品の採用件数増加、既存品のシェア拡大などが徐々に進展しており、(5) については横浜医薬分析センターの更新を検討している。

一方、医薬品セグメントの中期事業戦略では、ESGに配慮し、開発から製造まで開発提案型の受託事業(CDMO)による持続的成長を実現し、法令遵守を基本とし、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の改正に対応した品質管理体制の強化並びに安心・安全な医薬品の安定供給を行うことを目指す。その実現に向けては以下を掲げている。
(1) 業務全般にわたるコンプライアンス意識の向上
(2) 開発提案型の受託事業戦略の推進
(3) 蔵王工場受託事業の本格展開
(4) グループシナジーの強化による新規開発検討
(5) 経営計画に基づく投資計画、修繕計画による安心・安全な医薬品の安定供給
(6) 企業指標を踏まえた安定供給体制の実践と適正価格販売の実施

蔵王工場においては、シリンジラインでは、医療現場で高評価な「マキサカルシトール」を、市場ニーズに応え安定的にシェア拡大を進めるため、さらなる増産を予定する。また、バイアルラインでは、抗がん剤「ベンダムスチン塩酸塩」を2024年6月より販売している。さらに、蔵王第二工場建設に向けて新規受託獲得を推進する。一方、本社工場では、今後の利益確保が課題だが、「セファゾリン」等のその他の注射剤の拡販を目指す。

既に、(2)、(3)、(4)、(6)については徐々に進展しており、蔵王第二工場の建設は計画どおり進捗している。

長期事業計画の達成に向けた中期経営計画の今後の進捗に期待したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

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