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昭和産業 Research Memo(2):計画達成に向け、市場を読み、収益につなげる

■今後の見通し

昭和産業の2026年3月期業績は期初予想を据え置き、売上高340,000百万円(前期比1.7%増)、営業利益11,000百万円(同1.1%減)、経常利益13,000百万円(同4.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益9,500百万円(同18.1%減)を見込む。事業別売上高については、食品事業で276,400百万円(同1.0%増)、飼料事業で58,600百万円(同4.3%増)、その他で4,900百万円(同3.6%増)を見込んでいる。

食品事業については、外部要因となる原料価格や関連コスト上昇の影響回避に向け、機能性訴求やマーケットイン志向で付加価値を高め、収益性の向上を目指す。製粉カテゴリでは、第4四半期に入り、引き続き業務用、家庭用ともに小麦粉の値下げを実施した。収益向上施策として、スーパーやセントラルキッチン等、最終商品の需要が伸びるチャネルに向け、高機能プレミックスの販売を強化する。ほかにも、家庭用だけでなくスーパーのバックヤードや外食向けなど業務用で小袋プレミックスの採用が進む市場環境を受け、船橋プレミックス第2工場で最新の自動化設備等による万全な供給体制を敷き、需要を取り込む。糖質カテゴリでは販売チャネルの多様化を進めており、各部門の相互補完で、気候変動やトレンドなど市場環境に左右されない安定した収益確保を実現する。製油カテゴリに関しては、グループのボーソー油脂(株)と連携し、臨機応変に製造を委託することで、製造ラインの効率的な運用によるコスト削減と、安定した供給体制で機を逃さず需要を取り込む。また、昨今の米国バイオ燃料政策を受け、「オイルバリュー/ミールバリュー」※の概念が市場に浸透しており、顧客では原料コストの価格転嫁の許容範囲が広がりつつあるようだ。マーケティングに関し、提案型営業では、ダウンストリームでの最終製品需要が伸びれば、素材の製粉や油脂等の供給量が増えるというアイデアの下、外食やスーパー、コンビニなどに向け、新商品開発はもちろん、定番商品のブラッシュアップ等の提案を、ユーザー目線を駆使して強化している。なお、同社設立90周年を記念し、2026年3月に、著名アーティストである堂本剛さんが開発に参画した「俺が好きなうすーくてちーちゃいやつ。ホットケーキミックス」を販売開始した。同社のホットケーキミックスは1957年(推定)発売と長い歴史を持つが、このキャンペーンにより「ホットケーキミックスの昭和産業」を市場に改めて印象付け、プレゼンスを再強化して業績につなげる考えである。飼料事業については、鶏卵相場の上昇を追い風に、安定供給を徹底する。

※ 搾油時に原料から得る油と油かすの価値比率を表す。相対関係にある。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

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