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スカラ Research Memo(7):2026年6月期業績は人材事業、TCG事業が伸長し実質2ケタ増益へ(2)

■スカラの今後の見通し

畜産DXについては、デザミス(株)、三井住友海上火災保険(株)と共同で、牛の遠隔診療や電子カルテ、指示書作成などの機能を備えた総合診療サポートツール「U-メディカルサポート※1」を開発し、2023年1月より提供している。デザミスが開発した牛の行動モニタリングシステム「U-motion※2」を通じて牛の健康状態の異変を察知し、酪農家がスマートフォンアプリ「U-メディカルサポート」を使って獣医師が遠隔で診療できるようにする仕組みである。これにより、診断遅れによる牛の健康状態の悪化を防ぐとともに、獣医師の業務負荷軽減にもつながる。「U-motion」は、国内の乳用牛約137万頭のうち、約10万頭に導入されている。また、2025年12月にはデザミスとの共同開発により、家畜の保険審査業務を効率化する新サービス「U-カルテチェック※3」の提供を開始した。同システムは農業共済組合における家畜共済の保険審査業務に活用するもので、保険申請のために提出されたカルテデータを自動的にチェックし、データの不備や規定外の情報を抽出する機能を持つ。既に、愛知県農業共済組合向けにトライアル提供を開始するなど複数の導入が決まっており、月額売上は40~50万円程度となる見込みだ。農業共済組合は全国に49団体あるため、今後も機能の拡充を図りながら横展開を進め、事業規模の拡大を目指す。

※1 月額料金(税込)は獣医師で1アカウント2.2万円、1診療所で5.5万円。ただし、酪農家は無料で利用可能。機能の追加により価格が変更となる可能性もある。畜産に関わる動物の診療施設数は全国で約4,000施設ある。
※2 牛の首に取り付けたセンサーが反芻・動態・横臥・起立等の主要な行動を24時間365日記録することで、牛の健康状態をリアルタイムに把握できるサービス。
※3 月額料金(税別)は5万円~(利用する機能および月間のカルテ枚数に応じて変動)。

エッグについても、ストック型ビジネスであるフレイル予防事業に注力している。フレイル予防・早期発見のためのオンラインサービス「フレサポ(旧ASTER II)for WEB」の導入自治体数が徐々に増えており、2026年2月には仙台市で導入、運用が開始された。現在、同事業の月額売上は4百万円程度でまだ小さいものの、導入自治体数を広げることで収益貢献を目指す。

また、原価率低減施策として、ITエンジニア不足に対応すべくオフショア開発の推進に取り組んでいるほか、2026年2月には東京印刷(株)と業務連携協定を締結した。コスト高だったエッグのデジタル印刷部門を東京印刷にアウトソーシングするとともに、WEB制作・運用支援、デジタル広告の企画・運用、各種マーケティング支援などで両社の強みを持ちより、まずは山陰エリアの中小企業を対象にマーケティング支援や採用ブランディング支援などの経営支援型サービスの強化を進める。

(2) 人材事業
人材事業の売上収益は前期比13.7%増の1,150百万円、営業利益は同28.4%増の190百万円と増収増益に転じる見通し。人手不足が続くなか企業の採用意欲は旺盛で、アスプラのイベント事業の好調が続く見通し。紹介事業は遅れ気味となっているキャリアアドバイザーの体制強化を進めることで回復を目指す。2026年2月には仙台市内に東北支社を設立し、東北エリアの学生・企業に対して、就職・採用支援サービスを展開していく。今後も地方の主要都市に拠点を展開していくことで事業規模を拡大する戦略だ。一方、GeaREmakeの転職支援サービスは売上高で120~130百万円程度となり、営業利益も通期で黒字化する見通し。

(3) TCG事業
TCG事業の売上収益は前期比8.5%増の2,470百万円、営業利益は同32.6%増の350百万円を計画している。積極的な仕入れにより規模の拡大を目指すため、利益ベースでは若干下振れする可能性もある。また、海外向けについて間接販売から直販体制にシフトする方針であったが、収益性や市場環境なども考慮して再度、戦略を練り直すことにしている。現在の海外向けの直販比率は2%前後となっている。

(4) インキュベーション事業
インキュベーション事業の売上収益は前期比8.4%減の250百万円、営業損失は20百万円(前期は16百万円の損失)となる見通し。受注については順調なものの、リソース確保のための先行投資を行うため損失が続くと見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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