表示灯は、自社開発の周辺案内地図を基礎媒体とした連合広告「ナビタ」(地図広告)が主力事業である。「ナビタ」は、周辺地図・公共施設・災害時の避難場所などの情報を提供しており、公共性の高い社会インフラの役割を担っている。2025年12月末時点で2,393駅、1,053自治体など全国4,121ヶ所に設置されている。また、全国の鉄道会社で広告を取り扱うことが許可される指定業者になっていることに加えて、手頃な価格で広告を提供する方法を確立し、同社サービスを継続的に利用する多くの広告主(以下、協賛スポンサー)を獲得していることから、後発企業に対して高い参入障壁を築き上げており、優位性を確保している。
1. 2026年3月期第3四半期の業績概要
アイセイが連結されたことで連結決算に移行した2026年3月期第3四半期の連結累計業績は、売上収益で7,582百万円(単体の前年同期は7,301百万円)、営業利益で670百万円(同663百万円)、となった。アド・プロモーション事業が好調を維持したことが寄与、同事業の売上収益は675百万円(単体の前年同期は540百万円)、営業利益は200百万円(同116百万円)となった。サイン事業は2025年10月1日付で連結子会社となった株式会社アイセイ社が愛知県内において大型のサイン事業を受注しており、売上収益で912百万円(単体の前年同期は699百万円)、営業損益で116百万円の赤字(同158百万円の赤字)。メディカル・神社/寺院ナビタが順調に推移した一方、ステーションナビタが緩やかな減少傾向となり、ナビタ事業は売上収益で5,995百万円(単体の前年同期は6,061百万円)、営業利益で894百万円(同930百万円)。なお、アイセイの株式取得に伴う負ののれん発生益として111百万円を計上する一方、2023年7月より事業を開始した防災ソリューション「NAVIアラート」について、販路拡大が当初想定に達していないため、当該事業に掛かる減損損失・事業整理に伴う損失引当として104百万円を計上した。
2. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の業績予想は、アイセイが連結されたことで、売上収益10,800百万円、営業利益1,000百万円と開示された(期初の単体予想は売上収益で前期比2.5%増の10,274百万円、営業利益で同0.5%増の985百万円)。売上収益については、アド・プロモーション事業が堅調に推移すると見込む。ナビタ事業の売上収益は直近で踊り場の様相を見せていることを受け、投資によって従来の電照式からデジタルサイネージに転換するほか、鉄道車両をイメージした「電車ナビタ」を展開するなど、媒体の付加価値を向上させることで、売上収益・利益ともに再び成長軌道に乗せる方針である。現在好調に推移するインバウンド向けWebサービスについては、中国からの訪日観光客数減少による業績インパクトは今のところ軽微な想定だが、今後の動向次第では影響が出てくる可能性もある。1株あたり配当は前期比1.0円増の62.00円が予想されている。従前は60.00円の固定配当であったことから、前期に続いての増配となり、スタンスの変化には注目しておくべきだろう。配当利回りは約3.6%である。
3. 中長期の成長戦略
同社の中長期の成長戦略としては、既存事業の深化と新規サービス領域の創造の両輪で進めている。既存事業のうち、主力事業の「ナビタ」は今後、人流がある程度期待できるエリアにおいてはデジタルサイネージへの転換を進める。新規サービス領域の創造については、直近では番号案内表示システムや、観光案内システムなどデジタルサイネージの各種ソリューションや、既存媒体と連携したWebサービスなどがある。これらの新規サービスを軌道に乗せたうえで、さらなる事業の創出を目指している。
4.株価
現状、中期経営計画は開示されていないが、足もとではデジタルサイネージ化や新規事業の積み上げスピードが上回る状況であろう過渡期にあたる。2030年3月期で営業利益1,200百万円(今期予想1,051百万円)、配当75円(配当利回り4.3%、今期予想62円)、ROE11%(前期9.5%)という世界観が見えてくるようであれば、最終年度の予想PER15倍、時価総額108億円程度(現80億円)はターゲットになり得る。
■Key Points
・2026年3月期中間期はインバウンド向けWebサービスの好調などにより、収益性が改善
・2026年3月期は成長投資負担で微増益の見通し
・既存事業の深化と新規サービス領域の創造により中長期の成長を目指す
・高い配当を享受しながら値上がり益を狙える