■要約
1. 会社概要
フォーカスシステムズは、公共分野から民間企業まで幅広い顧客にITサービスを提供する独立系SIerである。ITインフラからアプリケーションまで多様な技術領域をカバーし、企画・設計から導入、運用・保守までを一貫して担う体制が強みである。事業は「テクノロジー」「プロダクト」「フィールド」の3つの観点から幅広く構成され、基幹システム、クラウド、セキュリティに加え、暗号、電子透かし、位置測位(ビーコン)などの領域にも展開している。通信、金融、社会保障、航空、行政、地方自治体など社会インフラ性の高い分野で実績を重ね、長期取引を通じて培った知見に基づく信頼と現場対応力を競争力としている。
2. 2026年3月期第3四半期の業績概要
2026年3月期第3四半期累計の業績は、売上高26,418百万円(前年同期比8.9%増)、営業利益2,447百万円(同56.6%増)、経常利益2,455百万円(同55.5%増)、四半期純利益1,733百万円(同61.1%増)と、増収・大幅増益となった。高収益案件の増加、プロジェクト管理の徹底、価格交渉・価格転嫁の進展により、売上総利益率も15.2%へ改善した。セグメント別では、公共関連が堅調に推移し、エンタープライズはERPや主力製品関連案件の伸長で大幅増益となった。広域ソリューションも高付加価値案件の拡大で利益を伸ばし、イノベーションは減収ながら利益率重視の運営により増益を確保した。
3. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期は、売上高33,250百万円(前期比2.1%増)、営業利益2,660百万円(同22.5%増)、経常利益2,660百万円(同22.9%増)、当期純利益1,880百万円(同20.0%増)を見込んでいる。増収率は2.1%増と緩やかな一方、各利益は20%超の増益計画となっており、売上の伸び以上に収益性改善を織り込んだ見通しである。営業利益率は前期の6.7%から2026年3月期は8.0%へ上昇する予想であり、第3四半期までに進んだ収益性改善を通期でも維持する予想だ。
4. 中長期の成長戦略と株主還元
中長期の成長戦略では、推進中の「中期経営計画24-26」を、設立50年を迎える2026年4月を節目に次の成長ステージへ移行するための3ヶ年計画と位置付けている。成長投資、収益性向上、従業員・株主還元へのを一体で進め、発展・利益・還元のサイクルを強化する点が柱である。最終年度に当たる2026年3月期は、売上高33,250百万円、営業利益2,660百万円、営業利益率8.0%と、主要KPIの達成がほぼ視野に入っており、「中期経営計画24-26」は順調に進捗していると評価できる。株主還元では、配当性向35%から40%を目安に還元強化を進めており、2026年3月期は40%を上回る水準に到達する見込みである。また、2026年3月期は配当予想を3度にわたり修正して増配しており、利益成長を株主還元の拡充につなげる姿勢が鮮明である。
■Key Points
・公共・民間を横断する独立系SIerとして上流から運用までの遂行力を強みに、収益性改善が加速
・2026年3月期第3四半期累計は、増収・大幅増益
・2026年3月期は、増収率は緩やかながらも、利益率改善で各利益とも20%超の増益を見込む
・2026年3月期は「中期経営計画24-26」の最終年度としてKPI達成が視野に入り、配当性向40%超見込みで還元を強化
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)