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ビタブリッドジャパン上場会見、「売上30億円×30商品」戦略で、1,000億円規模の独自D2C企業へ

会社概要

社名:株式会社ビタブリッドジャパン
設立:2014年4月
事業内容:ウエルネスケア関連の商品企画・開発・D2C 販売

登壇者名

株式会社ビタブリッドジャパン 代表取締役社長CEO 大塚博史 氏
株式会社ビタブリッドジャパン 取締役CFO 関智洋 氏
株式会社ビタブリッドジャパン 経営企画部マネージャー 吉見恒平 氏

Investment Highlights

大塚博史氏(以下、大塚):株式会社ビタブリッドジャパン代表取締役社長CEOの大塚です。資料に基づき、当社の成長可能性についてお伝えします。

まず、事業のハイライトです。当社は高機能のヘルスケア・スキンケアといったウエルネスケアの商品やサービスを、主に通信販売業を通じて提供しているD2C企業です。

業態が近い企業としては、上場企業ではありませんが「セサミン」や「ロコモア」を提供しているサントリーウエルネスがあります。

新興のD2C上場企業というと、みなさまがイメージされる会社の多くはスキンケアやビューティ関連の企業だと思います。サプリメントを中心としたD2C企業で、売上高が100億円を超えて成長しているのは珍しい銘柄ではないでしょうか。

ハイライトの要点は6点です。まず、経営陣はD2C事業の成長を非常に熟知した人材であり、9期連続で黒字成長を達成しています。当社商品には、売上が3年連続日本一のサプリメントもあります。

また、自社事業を円滑かつ効率的に運営するためのノウハウが詰まった独自のエンジンがあり、これが事業成長を支える特徴であり、強みとなっています。

さらに、市場規模(TAM)は非常に大きく、数千億円から1兆円規模の中で、当社の認知度は現在数パーセントにとどまっています。この状況から、今後さらに成長する余地があると考えています。

なお、中長期成長戦略については後ほどご説明しますが、「30億円×30商品で1,000億円」というようなイメージを持っています。

数百億円規模D2C事業成長の初期からの経験者。

私事で恐縮ですが、ご参考までに私の経歴を簡単にご説明します。

私は以前マーケティング支援会社に所属しており、2002年頃からサントリーの健康食品事業部(現サントリーウエルネス)の事業成長に携わりました。現在、日本最大のヘルスケアD2C企業であり、その黎明期から半常駐のかたちでマーケティング領域をともに伴走していました。その後、私自身は海外勤務となったため、2011年頃までお手伝いしていました。

このように、私はD2C業界に突然入ってきたわけではありません。24年ほどこの業界に携わっており、ある程度の知識や経験はあると自負しています。現在は、当時やりたかったことを自社の事業にどんどん投入している状況です。

Index

Indexです。ここからは、会社概要、独自性、競争優位性、中長期成長戦略、財務ハイライト、リスク情報の流れでご紹介します。

1. 会社概要 / 事業概要

先ほどお伝えした通り、当社はヘルスケア・ウエルネスケアを手がけるD2C企業です。現在11期を終え、従業員数は約90名、売上規模は約150億円です。

1. 会社概要 / 事業概要

現在は11期を終え、継続的に黒字成長を続けています。

2018年から2019年にかけてヘルスケア領域をスタートし、成長を拡大しました。また、新商品を新たに投入できる体制や多くのアイデアも出てきています。そのため、現時点を第二次成長投資期と位置付けています。

公開情報として、先月終了した2026年2月期の売上高は151億円、営業利益は9億5,000万円を見込んでいます。

1. 会社概要 / 事業概要

当社の主な商品を3つご紹介します。

1つ目は「ターミナリアファースト」で、血糖値コントロールの商品です。こちらは、富士経済が調査したダイエット総市場のデータによると、3年連続で売上日本一を獲得したサプリメントとなっています。売上高は90億円を超えており、非常に優れた商品です。

私自身も糖質制限などのダイエットを多数試み、その結果大幅に痩せることができましたが、食事を制限するのは決して楽しいものではありませんでした。そのため、「人生は食を楽しみたい」との思いに至り、「それならば、安心して食べることができるものを作ろう」と考えるようになりました。

当時から「一番高機能な商品を作りたい」という意志を持って取り組みを開始し、現在この商品は、お客さまから非常に愛される良い商品となっています。

2つ目は「ビタブリッドCフェイス」です。こちらは特許技術を活用しており、ビタミンCを長時間肌に貼り続けることができるパックとしてご利用いただける化粧品です。

3つ目は「Vitabrid Daily GABA」や、DHAを含む「ジャパンプレミアム DHA&EPA+GABA」などの「GABA」シリーズです。こちらは、睡眠機能や認知機能の改善を目的とした商品で、多くのお客さまにご利用いただいています。

こちらの商品は、前期から2倍の成長を遂げ、現在は売上25億円規模にまで成長しています。今後は「ターミナリアファースト」の再現性を見据え、さらなる成長を目指しています。

1. 会社概要 / 事業概要

事業モデルです。D2C企業では一般的ですが、当社は自社工場を持たないファブレスで事業を展開しています。

当社の機能としては、商品企画開発、マーケティング、品質管理、そして顧客データベースを活用したシステム機能が中心です。製造においては、国内外の外部パートナーと協業しながら生産を行っています。

このモデルのメリットは、固定費が軽いことです。一方で、「独自性がないのではないか?」といった意見もありますが、当社の主な商品では独占設計や独占契約で生産を行っています。こうした契約を結ぶことで独自性を担保しています。

1. 会社概要 / 事業概要

収益モデルについてです。ヘルスケア食品は一度購入して終わりではありません。例えば「今日は人参をたくさん食べたから、もう一生食べなくてもよい」とはならないのと同じです。

当社の健康食品はお客さまに伴走するものです。収益モデルとしてはストック型やサブスクリプション型です。お客さまに商品を気に入っていただき生活に根付いた場合には、定期便として継続していただけます。

したがって、お客さまが増えるほど売上や利益も安定的に積み上がっていくモデルとなっています。

1. 会社概要 / 事業概要

コスト構造についてです。原価は2割前後で、ブランドマネジメント費用が5割から6割と多くなっています。

おそらくみなさまもご存じかと思いますが、D2Cモデルや通販モデルは固定の店舗を持たないため、ブランドマネジメント費用の主な用途は、D2C店舗や通販広告に充てられています。

この点については、常にスライドのようになるとは限りません。例えば「今は調子がいいぞ」という場合には広げ、「今は利益を作ろう」という場合には狭めるといった対応をします。そのため、柔軟性の観点から見ると、非常に自由度が高い部分となっています。

Mission

ミッションについてです。当社では「明日の可能性を広げる。」という表現を用いています。

根源的に、誰しも人生を心豊かに過ごしたいと思うものです。そのために、当社は「よりスマートに」「より効率的に」といった可能性を広げる製品やサービスを提供することで、社会に貢献していこうと考えています。

Vision

ビジョンとしては、スライドに記載の「最大よりも、最適」というキーワードを掲げています。この言葉はもともとピーター・ドラッカー氏の言葉から拝借したものです。

100人中100人がなんとなく買う商品よりも、100人中20人しか買わなくても、その20人にとっては「いろいろ試した上で、私にとってはビタブリッドジャパンのこの商品が一番合っている」と感じていただけるようなマッチングを重視しています。

我々はそのような「最適マッチング」が得意であり、好んでいます。そして、それを数多く積み上げていく企業でありたいというビジョンを持っています。

Value

バリューについてです。1つ目は「人の想い」と「独自ライフテクノロジー」を活かして、もの作りを進めています。

2つ目の品質管理については、リスク情報にも含めていますが、最大の徹底事項です。国際基準への準拠以前に、「自分の親に自信を持って渡せるか」「自分の子どもに自信を持って飲ませられるか」といったところからスタートする「品質」を優先しています。

3つ目は「人と自然を想う気持ちと行動を共創する。」です。もの作りを行う上で、どうしても自然の力を借りたり利用したりする場面が出てきますが、そのまま作り続けるだけでは「テイカー」になってしまいます。

そこで、いただいた対価の一部を自然保護などのサステナブルなサイクルに活用し、これをお客さまに対しても約束して取り組んでいます。

私は『風の谷のナウシカ』が好きです。小学生ぐらいの時に観て「そうか、地球に生かされているのだな」といった思いを子どもながらに感じたため、ここにはかなり執着しています。サステナビリティには個人的にこだわりがあります。

2.独自性 / 競争優位性

独自性と競争優位性についてです。当社が製造している商品は、独占設計・独占契約となっており、一部は特許を取得しています。そのため、我々が現在提供している商品自体が、独自性と競争優位性を有しています。

商品の製造方法としては、どちらかといえば「ハーゲンダッツ」のような手法でもの作りを行います。

コンビニに置かれている一般的なアイスが100円程度で販売されている中、300円は「高い」と感じられるかもしれません。しかし、「それでも、おいしいから買いたい」と選んでいただけるような、プレミアムの定番化をキーワードとして重視したもの作りを行うことが多いです。

そのため、AIなどに「一番安価なもの」や「一番高価なもの」を提示するように指示した場合でも、候補としてリストアップされるよう、プレミアム性の高い価値を提供することを目指しています。

2.独自性 / 競争優位性

補足として、当社が価値提供をしていく上で、サプリメントや化粧品ではどうしても解決できない問題が時々生じます。

その最たる例がAGA治療です。私自身、中学2年生の頃から薄毛が気になり、ずっと揶揄されてきました。しかし、その経験を通じて心が強くなったとも感じています。

さまざまなことを試し、勉強を重ね、自分たちでも商品を作りながら知識を深めてきましたが、医師が処方する第1類医薬品の効果は非常に優れているとあらためて感じました。そのため、目の前の困っているお客さまに解決手段を提供したいと考えた時に、AGA治療において第1類医薬品を選択肢から外すことは考えられないと思いました。

そこで、育毛剤事業を一定範囲に限定しつつ、医師処方サービスまで提供できるように、自社でオンライン診療プラットフォームを構築し、提供を開始しました。これは非常に珍しい取り組みではないかと思っています。

2.独自性 / 競争優位性

独自性と競争優位性の2点目は「スマート蓄積型D2Cエンジン」です。

こちらは、当社のD2C事業体系で、独自ノウハウとPDCAデータに基づき、研究開発からマーケティング、通販オペレーションに至るまで、全方位に構造化されたシステムやエンジンを有しています。

このように各方面で相互に結びつくことにより、効率化や予測値の策定および打率の向上などが可能となっています。また、このエンジンを活用することで、新商品の立ち上げや日々の通販オペレーションの精度向上を継続的に実現しています。

こうしたエンジンは、長年D2Cや通販に取り組んできた当社だからこそ持つ強みといえます。

2.独自性 / 競争優位性

こちらはご説明に時間がかかるため割愛します。

2.独自性 / 競争優位性

独自性と競争優位性の3点目です。著名人との関係値や愛用歴のストーリーファクトが、資産として蓄積されています。

一見するとイメージ広告と捉えられがちですが、そうではありません。著名人のみなさまには商品の実愛用歴を公開した上でご出演いただいています。

メディアで活躍されている方々の生き方やストーリーが商品価値と結びつくことで、長年商品を続けて愛用されているという情報が、お客さまの信用を高めるストーリーや資産として機能しているのです。

このような実際の関係性や愛用歴を示すためには長い年月を要し、AIではなかなか作り出すことができません。そのため、外部の方から「大きな強み」と称されることもあります。

3.中長期成長戦略

中長期の成長戦略についてです。スライドの図はトラックレコードも含めていますが、2026年2月期の売上は151億円、営業利益は9億5,000万円を見込んでいます。また、前年比115パーセントを超える成長を目指して毎期の計画を立てています。

「グロース銘柄なのにこの程度か」と思われるかもしれませんが、その計画の根拠をご説明します。

D2C業界における上場企業の多くは、ビューティやスキンケアを手掛けている企業です。このような商品は、市場で流行を作り出すことや勢いをつけていくことが重要とされています。

一方で、当社はサプリメントを中心としたヘルスケア商品を扱っています。この分野では、流行を作ることは求められていません。人間の体にロジカルに必要なものを理解していただき、生活に根づいていくことのほうが重要です。その点がまったく異なります。

そのため、無理に急激な成長を追い求めるのではなく、安定的な成長を目指していく必要があります。これは、私自身の前職における経験も踏まえた考えであり、このような方針のもと計画値を設定しています。

当社の経営スタイルは、過剰に速いペースで「数倍・数千億円」といった成長を目指すものではありません。それよりも、事業モデルに適したかたちで着実に積み上げる数字をみなさまに提示し、その上で好調であれば上方修正していくスタイルです。

そのほうが当社の事業モデルに合っていると考え、運営しています。

3.中長期成長戦略

カテゴリ別売上比率については割愛します。

3.中長期成長戦略

市場規模(TAM)についてです。数千億円規模の市場が存在し、その中で当社の認知度は5パーセント前後にとどまっています。

そのため、上場を踏まえて、これからはお客さまに商品をより手に取っていただき、認知を広げていくことで、大きな成長余地があると考えています。

3.中長期成長戦略

フェムケア領域やオンライン診療領域も始まっています。

3.中長期成長戦略

当社は社会課題に対してポートフォリオを組んでいます。国が提示しているそれぞれの社会課題に対し、当社の得意とする領域については商品やサービスをしっかりと提供し、社会に貢献していこうと考えています。

特に、健康寿命の延伸、QOL、メンタルヘルス、子ども支援といった分野はすでに取り組みを開始していますが、それ以外の分野についても、今後このポートフォリオの中で新たな製品やサービスが提供されていくと考えています。

3.中長期成長戦略

海外展開も行っています。私は中国に3年間住んでグローバル事業を担当していたため、「市場が大きいから進出する」「日本で売れたから向こうでも売れるだろう」といった単純な考えではいけないと考えています。

現地の文化や習慣をしっかり学び、その国の人々を思い、その国の人々に役立つ価値を提供できる体制を整え、順序立てて着実に進めていきます。

現在、台湾ではすでに事業を開始しています。また、ハラール認証の手続きも進めています。

3.中長期成長戦略

商品開発についてです。これまでは年に1商品が登場するかしないかの状況でしたが、体制が整ってきたことで、現在では年に3商品程度を着実にリリースできる体制となっています。そのため、第二次成長投資期に該当していると考えています。

3.中長期成長戦略

我々の成長イメージとしては、1商品で売上200億円や300億円を狙うことも可能ですが、それを計算式に組み込むよりも、長期的に続く10億円や30億円の商品を複数持つほうが、事業に厚みが生まれると考えています。

そのため、「数十億円規模の商品を数十商品揃え、いつの間にか1,000億円になっていた」という成長計画を描いています。

実際に、「ターミナリアファースト」は現在の売上が90億円を超えており、他の商品も20数億円に達しています。また、高齢者向けの歩行機能対策商品は5倍のペースで成長しており、しっかりと次の商品が生まれているという状況です。

3.中長期成長戦略

販売チャネルについてご説明します。基本的にはD2Cです。「そのうち店頭が5割ぐらいになるのですか?」との質問もありますが、D2Cであることが重要だと考えています。これは我々が「最大限の最適化」を目指しているためです。

ただし、事業が成長する過程では、「通販ではまず手に取りません」とおっしゃる層の方々がかなりの割合で存在するため、そうした方々に手に取ってもらう機会を届けることも非常に重要です。

そのため、早めに店頭展開の対策をしています。現在、ドラッグストアでは約1万6,000店舗で、ほぼ全国的に展開しています。今後はGMSやコンビニでの展開も想定しています。

3.中長期成長戦略

通販のKPIについてです。現在、総会員数が約270万人を超え、しっかりと資産として積み上がってきています。

スライド右側にあるクロス購入率とは、例えばA商品の定期便を購入されているお客さまが、他のB商品の定期便も購入される割合を示す指数です。このクロス購入率は5年前に比べて2.84倍に増加しています。

商品の点数が増えたことも一因ですが、それ以上に、商品を気に入っていただいたことで、徐々にビタブリッドジャパンという会社を気に入っていただける傾向があり、その結果、この指数が上昇していると考えています。

したがって、お客さまが増えれば増えるほど、またこのクロス購入率が上昇すればするほど、複利的に増加する状況です。

3.中長期成長戦略

上場の目的および資金使途についてです。新商品の開発やテストマーケティング、D2C店舗開発、コールセンターなど、主にマーケティング関連に活用していきます。

4.財務ハイライト

財務ハイライトについてです。数字のご説明は割愛しますが、直前の2026年2月期は上方修正を行い、公開情報としては売上高が151億円、営業利益は9億5,000万円を見込んでいます。

4.財務ハイライト

人的資本です。現在の社員数は約95名です。女性比率は7対3で、女性が多い状況です。女性が働きやすい環境の指標となる「えるぼし」認定もいただいています。

また、離職率が非常に低いことは、非常にありがたいと思っています。

5.リスク情報

最後にリスク情報についてです。スライドのオレンジ色で示した2点、「商品安全性・風評被害」と「個人情報管理」が最大の注力ポイントとなります。

これまで業界ではいろいろな事件がありました。私もこの業界に20数年間携わっており、数年に1回程度は事件を耳にしますが、先だっては本当に最大級の事件もありました。

当社はヘルスケア・スキンケア・ウエルネスケアの商品を取り扱う会社として、商品の安全性は一丁目一番地です。安全性を確保するためのリスクマネジメント体制は徹底しており、今後も終わることなく、さらに強化していく方針です。

また、「個人情報管理」については、通販事業を行う上で資産がどんどん蓄積されていきます。それを漏らすことは、企業として大きな信頼を失うことにつながります。この点についても最大限注力し、体制を整備しています。また、今後も強化を続けていきます。なお、これまでも特に情報が漏れたことはございません。

“明日の可能性を広げる。”価値を、“最大よりも最適”志向で、連鎖的に創造

我々は、より心豊かに生きるための「明日の可能性を広げる。」価値を、最大ではなく最適志向で、しっかりと提供して社会に貢献していきたいと考えています。

1,000億円規模の独自D2C企業へ。

当社には「スマート蓄積型D2Cエンジン」という大きな強みがあります。その強みを活かし、「10億×100商品~30億×30数商品」のようなかたちで、1,000億円規模へと変わるような事業成長を目指していきたいと思います。

質疑応答:初値の受け止めについて

質問者:初値の受け止めについて教えてください。

大塚:初値は公募割れをしていますが、我々はあまり刹那的なものを気にしていません。

「ここから長い旅に出る」と考えています。これが10年か、20年か、30年かはわかりませんが、そのような中で「このような成長を歩んでいけば、おのずとこのような企業価値になっているだろう」とのイメージで進んでいます。

本日の状況についてはあまり気にはしていません。もちろん、市場の温度感を厳粛に受け止めていますが、まったく焦ってはいません。

質疑応答:IPOの目的について

質問者:IPOの目的について教えてください。

大塚:上場についてはコロナ禍の時期から考え始めました。コロナ禍では、知り合いの会社やニュースを通して、さまざまな厳しい状況を目にしました。その時点でも社員が多数在籍しており、多くのお客さまがいらっしゃいました。

その中で、盤石な財務基盤を構築することが経営上不可欠であると感じる一方、我々が作りたい製品が山ほどありました。この両方を実現させるためには、資金調達が必要であると考えるに至りました。

しかし当時、当社は東証プライム上場企業であるベクトルというPR会社のグループ会社でした。そのため、PR会社のステークホルダーに対して、D2C企業の資金調達を進めることは難しく、手段が限定される状況でした。

このような背景から、今後本当に実現したい大きな目標の達成や盤石な財務基盤の構築、研究開発を推進するためには、より多様な資金調達の選択肢を増やすことが必要だと判断し、今回そのための手段を講じた次第です。

質疑応答:株主還元の方針について

質問者:株主還元について教えてください。

大塚:しばらくの間は、配当というよりは、我々の事業を成長させることによって株価を上げていくことで株主還元を実現したいと思っています。

一方で、株主優待は実施します。当社の商品は、ヘルスケアやウエルネスケアといった株主のみなさまにも親和性の高い商材が多く揃っています。また、D2Cという通販の仕組みと優待の仕組みは意外と相性が良いと考えており、当社ならではの株主優待のかたちで、株主さまに応えていければと思っています。

質疑応答:「ターミナリアファースト」の2026年2月期における売上割合について

質問者:2025年2月期の「ターミナリアファースト」の売上に占める割合が76パーセントぐらいではないかと思いますが、2026年2月期はどの程度の割合を占めるのでしょうか? 

大塚:7割前後です。

質問者:変わらないということでしょうか? 

大塚:少し比率は下がりましたが、大きく変わらない数字です。

質疑応答:「ターミナリアファースト」の顧客数と属性について

質問者:累計の会員数は約270万人とのことですが、「ターミナリアファースト」の定期顧客はおよそ何人でしょうか? また、顧客のボリューム層はいかがでしょうか?

大塚:定期顧客数は公開情報ではないためお話できませんが、二桁万人の規模です。

現在のボリューム層としては、50代、60代、40代、70代の順で、平均するとおそらく50代中盤から後半ぐらいです。また、顧客の8割が女性です。ダイエット目的で使用を始める方が多いです。

質疑応答:「ターミナリアファースト」の今後の戦略について

質問者:今後の「ターミナリアファースト」の戦略としては、異なる世代にアプローチしていく方向性ですか? それとも既存のボリューム層でさらに接点を増やす方針でしょうか?

大塚:どちらかというと後者寄りかと思います。我々はマーケティングを行う際、デモグラフィックで区切って進めることはあまり多くありません。むしろ、お客さまのニーズにしっかりと当てていくような定性的なアプローチを重視しています。

「ターミナリアファースト」は、日本のダイエット総市場において3年連続で最も売れている商品ですが、それにもかかわらず認知度は20パーセントもありません。まだ知られていないのが現状です。

もっと多くの方に手に取っていただけるよう、今後も認知を広げていき、お客さまに喜んでいただけるようにしていきたいと思います。

質疑応答:D2Cで認知を広めるためのPR戦略について

質問者:基本はD2Cで進めると思いますが、認知度をD2Cで広めるためにはどのような方法でPRを行っていくのでしょうか? 例えばWeb上でPRする媒体を増やしていくなど、そのようなイメージでしょうか? 

大塚:基本的には、現在の活動がベースになると思います。実際のところ、認知自体はそれほど必要ではありません。どちらかといえば、「100人中100人知っているが誰も買わない」というより「100人中2人しか知らないが、2人とも手に取っていただいた」というほうがD2Cにとって重要だと考えています。

したがって、今後もコスト効率をしっかりと考えつつお客さまと出会い、問題を共有し、「手に取りたい」と感じてもらえるような通販コミュニケーションを続けていくことが基本路線になります。

私はあまり広告という言い方はしたくありません。通販広告は我々にとって店舗に相当するものだと認識しているため、D2C店舗における接客というスタイルを続けていくことが基本だと思っています。

ただし、時代に合わせた動きとして付け加えるならば、生成AIに対するLLMO(大規模言語モデルの最適化)などは外せないと考えています。そのための施策として、いろいろな媒体を活用し、当社の商品をより多くの方に知っていただくことや、情報発信を充実させるといった取り組みを進めていきます。

また、店頭は手に取りやすい場所でもありますから、今後はそのような場も広げていく予定です。

質疑応答:顧客継続率とCRM戦略について

質問者:D2Cにおいて利益を確保する手段として、既存のお客さまの継続率を高めることが重要だと思います。これも公開情報ではないかもしれませんが、「ターミナリアファースト」の継続率は高いのでしょうか? 

大塚:非常に高いです。私の前職での経験からも、かなり高水準を維持できていると考えています。

質問者:1年後も継続しているお客さまが多いということでしょうか? 

大塚:はい。

質問者:そうすると、既存のお客さまとのコミュニケーションやCRMも充実させていくのでしょうか? 

大塚:事業が成長すればするほど、当然売上や利益の大半は既存のお客さまからとなりますので、それは注力事項です。

一方で、会社全体としては、今後新商品が多数増えていく予定です。その時には、新規顧客が主な対象となります。ステージに応じて、それぞれ注力していきます。

質疑応答:「ターミナリアファースト」以外で伸びている商品について

質問者:「ターミナリアファースト」以外の商品も伸びているとのお話でしたが、2番手で伸びているのはどの商品でしょうか? 

大塚:「GABA」シリーズです。「ジャパンプレミアム DHA&EPA+GABA」と「Vitabrid Daily GABA」の2つが非常に伸びています。

他に直近で伸びているのは「アクティブリッチ5」という、高齢者の歩行機能をサポートする商品です。こちらも良い勢いで伸びています。

質問者:いずれも認知機能や高齢者向けの商品となると、シニア層向けの商品という感じですか? 

大塚:世代で区切っているわけではありません。例えば「GABA」や「DHA」は、世代を問わずに作った商品です。私自身も飲んでいますが、日本の平均年齢を考えると46歳の私はギリギリ中間層に該当します。

特に「シニア層を取っていく」というイメージで作ったわけではありませんが、そのようなニーズを持つ方々向けに提供しています。

一方、おっしゃるとおり、「アクティブリッチ5」は60代から70代、80代のお客さまがピークとなるマーケットで、より必要とされる商品です。そのような意味では、この商品はシニア層向けのラインであるといえます。

今後については、基本的に世代で商品を作るよりも、サイコグラフィックを重視していきます。「このような意識を持ったお客さまに、このような商品で解決したい」といった考えで商品を作っていく方針です。

ある意味で、世代に縛られず、さまざまな商品が今後増えていくと思います。

質疑応答:競合商品との差別化について

質問者:「アクティブリッチ5」も「GABA」シリーズも競合商品がたくさんある中で、差別化し、選ばれるポイントはあるのでしょうか? 

大塚:当社は「プレミアム定番化」をテーマ性に掲げて展開しています。市場全体を俯瞰した際、高機能性やこれまでになかったヘルスウエルネスといった面で「私にとってはこれが最適だ」と思っていただけるようなポジショニングを確立しています。これらの特徴が差別化や競争優位性につながると考えています。

個人的には、そもそも競争したくないため、顧客創造がテーマです。なるべく競争は避けたいと考えています。

私はこの業界に20年以上携わっていますが、20年前も、10年前も、5年前も「競合がたくさんいますよね。レッドオーシャンですよね」と繰り返し言われてきました。結局のところ、永遠に「どうするのか?」と言われ続けていくのだと思います。

それよりも、顧客創造の考え方を持って取り組むほうがよいと思います。我々もダイエット総市場において超後発でしたが、一番売れる商品を生み出すことができました。

したがって、最大よりも最適を求め、特殊で個性的な商品を作り上げていけば、自然とお客さまに支持していただけるのではないでしょうか。重要なのは規模ではなく、続けることだと考えています。

質疑応答:2026年2月期の売上高見込みと商品構成比について

質問者:2026年2月期の売上高は151億円の見込みと発表されています。「ターミナリアファースト」の比率が少し下がるということは、他の商品で売上が伸びているとの認識でよろしいでしょうか? 

大塚:おっしゃるとおりです。本当は「ターミナリアファースト」ももっと伸びると思うのですが、みなさまから「一本足打法だ」などと言われることもあり、その結果少し抑えています。

他の商品も増やしていることもあり、徐々にではありますが、多少比率は変わっていくのではないかと思います。

質疑応答:オンライン診療について

質問者:オンライン診療では、新しいお客さまを獲得するというよりも、「ビタブリッドC」シリーズなど既存のお客さま向けに新たなクロスセルを提案するかたちでしょうか? 

大塚:まずは補足的にそのようなかたちで、自社の商品では応えきれない悩みについて解決することをベースに始めます。

実はここにも夢を持っており、今後、より良い可能性が広がる製品やサービスがここから生まれてくるのではないかと考えています。

質疑応答:海外市場の進出先選定と取り組みについて

質問者:海外市場の進出先選定はどのように行われているのでしょうか? また、海外をどのように見ているのか教えてください。

大塚:まず、海外にどのように進出するかについてですが、「その国の人たちが喜ぶなら実施する」という感覚です。「最初から私たちは海外を見ています」といったやり方ではありません。

これは経営者や投資家にとってプラスにならない発言かもしれません。私が何のために仕事をしているかというと「儲かりたい」「時価総額を1兆円にしたい」といったスタンスではありません。自分自身や家族、子ども、友人などに喜んでもらいたくて作り始めたわけです。

誰のために取り組むのかという点では、最も近い人たちということになりますし、私は日本人ですので、その意味では日本を基点としています。まだ日本でできることは多く、日本が好きですので、まずは日本の社会課題に貢献することを重要視しています。

もちろん、その先には「日本を飛び越えれば海外がある」といった感覚があります。基本的にはこのようなスタンスで進めています。

ただし、当社には韓国人や中国人、イタリア系の社員もおり、その人たちが自分の故郷に錦を飾りたいとなると、それは身近な人になりますし、やはりその地域で事業に取り組みたいと思います。

やはり「市場が大きいから実行する」「日本で売れたから向こうでも売れるだろう」などといった動機で海外進出すると、たいていの場合失敗してしまいます。私自身も2、3年ほど上海に住んでいたのでよく知っています。

それよりも、その国の人々のためを思い、さらに「この商品は日本だからこそできる」と感じられるようにすることが重要だと思っています。例えば「豆腐であればやはり一番良いのは日本だな」などと感じてもらえるような要素が必要だと思います。

そのようなかたちで商品と体制を整え、順序立てて進めていくことを考えています。これが海外進出についての基本的な方針です。

実は、台湾についてはすでに進出を進めています。海外としては珍しく定期便が受け入れられるようになった国ですが、十数年前はそれが不可能な状況でした。しかし、現在では日本との相性も良く、日本の商品に対して先入観を持たず好意的に受け入れていただけます。まずは徐々にスタートしている状況です。

先ほど触れたハラール認証についてもご説明します。私は無宗教ではありますが、宗教に基づく文化には興味を持っており、さまざまな国を訪れています。イスラム圏の文化も非常におもしろいと感じています。

ハラール認証の取得は、通常2年から3年の年月を要します。例えば、インドネシア進出のスタッフとして希望者が揃った場合でも、そこから準備を始めていては認証を取得するまでに一定の時間がかかってしまいます。

そのため、ハラール認証だけは先行して取得しておこうという判断をし、現在認証取得プロセスを進めている状況です。

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