A I代替不可能な「解決型アシスタンスサービス」のフロントランナー
プレステージ・インターナショナルは、アシスタンスサービスを中核とする BPO 企業であり、オートモーティブ、プロパティ、グローバル、カスタマー、金融保証、IT、ソーシャルの 7 事業を展開している。最大の特徴は、現地への駆けつけ業務を伴う「解決型アシスタンスサービス」を提供している点にある。この点、いわゆるコールセンター業とは次元の異なる価値を提供している。オートモーティブ事業では損害保険会社や自動車メーカー及びディーラー等をクライアントとし、そのエンドユーザーに向けたお客様対応やロードサービスの提供を、プロパティ事業では賃貸住宅や駐車場向けの駆けつけサービスを、グローバル事業では海外旅行保険クレームエージェントサービスや海外駐在員向けヘルスケアプログラムを提供している。事業基盤として、秋田、山形、富山、岩手に展開する大規模 BPO 拠点を軸に東北・北陸地域に 6 県 11 拠点、総席数6,020 席の体制を構築、総従業員数は 5,000 名超に達している。2003 年の秋田進出以降、地方の雇用創出と女性の就労環境整備を重視した拠点戦略を推進しており、首都圏型センターに比べて定着率の高さ、採用面・人件費面でアドバンテージを持つ。中でも大規模BPO拠点にはキャンパス、パーク、タウン、フォートレスなどの名称を付し、企業内保育園や車検施設などコミュニティ機能を併設することで、地域密着型の採用・定着を実現している。グループ会社の株式会社イントラストが展開する金融保証事業も収益の柱となっている。
2026年3月期3Qは過去最高を更新、通期進捗率も堅調
2026年3月期第3四半期の連結業績は、売上高52,621百万円(前年同期比10.5%増)、営業利益6,680百万円(同11.3%増)、経常利益7,388百万円(同15.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益4,192百万円(同14.4%増)と、全段階で過去最高を更新した。通期予想に対する進捗率は売上高75.2%、営業利益78.6%と順調である。事業別ではオートモーティブ事業が成長を牽引し、売上高22,449百万円(同9.6%増)、営業利益2,662百万円(同1.6%増)を計上している。協力会社への支払単価が2025年7月から上昇した一方、クライアントとの委託料改定が4月・7月・直近など分散しつつ段階的に妥結し、収益改善の兆しが出てきたという。その他の事業についても概ね堅調に推移した。経常利益では受取利息46百万円に加え為替差益309百万円が寄与したが、同社は米国ドル建てビジネスの為替影響(営業段階)と、外債中心の投資有価証券(約100億円)に伴う為替差益(営業外)を切り分けて認識している。通期見通し達成に向けての4Qのリスク要因は、首都圏の大雪発生時などがある。今期は日本海側の寒波はあるものの車両台数密度が低いため影響は限定的と見ている。
CAGR10%成長と総還元性向70%以上の実現へ視界は良好
同社は第 8 次中期経営計画「Origin/Next 50」(2025 年 3 月期~2027 年 3 月期)において、2027 年 3 月期に売上高 750 億円(CAGR 10.0%)、営業利益 100 億円(CAGR 9.6%)、ROE 15%以上を目標に掲げている。成長戦略は「既存事業の徹底的な品質と収益性の改善」「サービスプラットフォーム利用型収益モデルの開発」「機動的な拠点展開」の三本柱で構成される。オーガニック成長のドライバーとして挙げられるのが、新規獲得クライアントの稼働である。例えば、大手三メガ損保のアシスタンス内製部門から、直販系を中心に一部業務が段階的に同社にアウトソース化されておるなど、新規獲得クライアントの業務が順次稼働開始している。これは、メガ損保各社などが自社アシスタンス代行部門において人材採用難やコスト負担に直面しているためであり、同社にとって新たな成長機会となっている。拠点戦略では、秋田県潟上市に約 800 席の新拠点を 2026 年に開設予定だが、同拠点開設以降は、既存席数・人員のまま AI/DX で一人当たり生産性を高め売上拡大を志向する方針という。財務戦略では、中期経営計画に沿い、必要に応じて長期資金を含む借入を積極活用する方針が示され、今期は第1四半期に40億円、第2四半期に80億円の借入を実行したという。株主還元方針として、配当性向を現行約 30%から 2026 年 3 月期までに 60%以上、2027 年 3 月期までに総還元性向 70%以上(自己株買い上限 30 億円含む)とし、総額 130 億円の株主還元をコミットしている。同社の今後の展開に注目したい。