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システムエグゼ上場会見、直接取引にこだわる独立系SIer AI・オフショア活用で収益性向上へ

企業情報

社名:株式会社システムエグゼ
設立:1998年2月
事業内容:顧客企業の基幹業務システムをはじめとする情報システムの企画や設計、構築、保守・運用まで一気通貫でのサービス提供、自社開発製品の販売・導入支援などのシステムインテグレーション事業

登壇者名

株式会社システムエグゼ 代表取締役社長執行役員 大場康次 氏
株式会社システムエグゼ 取締役専務執行役員 藤林隆司 氏

会社概要

大場康次氏(以下、大場):株式会社システムエグゼ代表取締役社長執行役員の大場です。本日はお時間をいただき、ありがとうございます。私から当社についてご説明します。

当社は情報システムの企画・設計・構築・運用に至るまでを一気通貫で提供する独立系システムインテグレーターです。

設立は1998年2月で、ベトナムのホーチミンに本社拠点を持つ100パーセント子会社を保有しています。

主要取引先には情報子会社を含みますが、9割程度がエンドユーザーとの直接取引です。主に不動産業、製造業、保険業、サービス業を中心にサービスを提供しています。

創業以来、黒字経営を継続しており、今期も業績は順調に推移しているほか、従業員数も着実に拡大しています。

経営理念・ミッション

経営理念・ミッションについてです。当社は設立当初から、「三方よし」の企業理念および「ITで豊かな未来を創る」というミッションを掲げ、経営を行っています。

役員体制

当社の役員体制についてご説明します。本事業を長年推進してきたメンバーにより、執行体制を確立しています。

IT技術や業界に精通したメンバーが常勤役員として経営に携わっており、2名の社外役員と3名の監査役で構成された経営体制となっています。

沿革

沿革についてです。当社は、当時損害保険会社向けのシステムを提供していた3名の業務SEが、エンドユーザーとの直接取引にこだわり、1998年に創業しました。

特徴としては、新規の顧客獲得に向けたアライアンスベンダーとの取引を創業当初から開始し、関係を着実に構築してきた点が挙げられます。

事業概要

当社は、不動産業、保険業、製造業、サービス業といった業界に対し、システム開発をトータルでサポートしています。

領域についてご紹介します。「アプリ受託開発」では受託開発におけるアプリケーション領域、「データ関連」では企業におけるデータ活用や基盤構築、「インフラ」ではシステム基盤の構築、「クラウド」ではクラウドネイティブアプリケーションの開発を担当しています。

システム開発の工程において、企画分析から保守・運用までをトータルでサポートしています。

コア・コンピタンス

コア・コンピタンスについてです。創業以来、直接取引にこだわり続けてきたことで、当社には「お客さまの課題を直接見て、聞いて、解決した現場力」があります。さらに、独立系システムインテグレーターだからこそ提供可能な「お客さまにとっての最良のソリューションで課題解決に導く力」があり、この2つが当社の強みの源泉となっています。

柔軟な提案力、やり遂げる総合力、確かな技術力が、当社のコアコンピタンスです。

市場環境

市場環境についてご説明します。国内の市場規模は、各企業におけるIT投資額が拡大傾向にあり、当社が属するソフトウェア業もこの10年超で1.3倍に伸びるなど、堅調に推移しています。

国内DX市場

企業競争力の強化や収益モデルの変革を目的とした国内DX市場は、2030年には9.2兆円規模となり、平均成長率も10パーセントを超える見込みです。

当社の得意とするシステム全体の生産性、安全性、パフォーマンスを向上させるモダナイゼーション市場については、ERP市場に比べて大きな市場拡大が見込まれています。

成長戦略

今後の成長戦略は4点あります。

売上拡大に関する戦略として「既存顧客の拡大」と「新規顧客の創造」の2点、収益性向上に向けた戦略として「オフショアの活用」と「生成AIの活用」の2点があります。

既存顧客の拡大

1点目の「既存顧客の拡大」についてご説明します。今後の売上成長に影響を与える顧客を主要顧客と位置付け、顧客グループの企業全体を俯瞰し、横断的に情報収集を行います。その中で重要とされる顧客の中で、DX推進に向けて貢献可能な案件に戦略を立案し、提案します。

さらに、大型案件が発生する可能性が高いため、体制の確保や共創可能なソリューションに向けたビジネスPoCなども実施していきたいと考えています。

主要顧客については、当社が顧客理解を深めているため、顧客にとってより高い価値のあるサービスが提供可能だと考えています。また、関係強化を目指す戦略顧客については、顧客の中長期的なIT投資戦略への理解を基に、当社が貢献可能な領域にターゲットを絞り、戦略的に案件を立案していきます。

これらの取り組みにより、既存顧客の売上拡大を行っていきます。

新規顧客の創造

2点目の「新規顧客の創造」についてです。これまでパートナー技術アワード等でビジネス上高い評価をいただいている大手製品ベンダーとのアライアンスに基づき、新規顧客の拡大を目指します。

製品ベンダーの戦略に合わせた製品知識や特殊技術を習得し、製品導入に向けた課題の解決、製品自体のカスタマイズ要件、導入時の周辺システムに関する課題を当社で解決することで、新規顧客の拡大を図ります。

また、今後も製品や技術のトレンドを的確にキャッチアップしながら、アライアンス対象の拡大を進め、新規顧客の創造を図っていきます。

オフショアの活用

収益性向上に向けた戦略の1点目、「オフショアの活用」についてです。当社独自の開発手法である「BotDev」を活用し、収益性の向上を目指します。

「BotDev」では日本とベトナムをボーダレスでつなぎ、同時開発を行います。自社100パーセント子会社をベトナムに有しているからこそ、実現可能な手法となっています。これまで多くの企業がオフショア開発を行う中で、多くの課題に直面している現状については当社も認識しています。

一般的なオフショア開発では、日本のブリッジSEがオフショア先に開発を丸投げすることで、齟齬が生まれ、成果物の品質が期待に届かないといった問題が発生することがあります。

それに対し、当社では国内とベトナムの双方にシステム開発の経験が豊富なベトナム人ブリッジSEを配置することで、両国間のコミュニケーションを円滑にしています。

案件仕様の齟齬や開示のタイムロスを最小限に抑えながら、高い品質のシステム開発を実現しています。

開発の過程で大小さまざまな問題が発生しますが、問題解決もスピーディに行われています。ベトナムから見てもボーダレスな連携により、日本の顧客が身近に感じられるため、寄り添った開発が可能となっており、その結果お客さまから非常に高い評価を得ています。

生成AIの活用

収益性向上に向けた戦略の2点目、「生成AIの活用」についてです。AIを活用することで、開発の標準化および品質・生産性の向上を目指します。

当社では、すでに開発の標準化に着手しており、実績や事例も存在しており、効果も確認されています。引き続き標準化を進めていく予定です。

エグゼ開発標準モデルでは、各開発工程において、AIを活用した標準開発ツールを使用します。具体的には、対話型AIである「SmileCHAT」や自動コード生成ツール「Agentic Coding」、さらにクラウド環境での標準テンプレートを活用した実装や「EXE Jet Advisory」を利用することで生産性や品質をさらに高めていきます。

開発全体としては、当社独自の仕組みである「ExecTORA」による開発成果物の局面レビューを軸に品質向上に取り組みます。これらにより、開発全体の収益性向上を図ります。

また、自社製品については、AI機能を搭載することで競争力の強化、販売数の拡大などを図ります。当社の強みの領域とAIを組み合わせることで新しいソリューションを開発し、収益性の向上を目指します。

具体的には、インフラとAIを組み合わせた「AIワープ」というソリューションをすでにリリースしています。このソリューションは、SaaS環境下でAI環境を提供し、高いセキュリティの中でAIを活用するものとなっています。

財務ハイライト

財務ハイライトについてです。成長投資では、持続的成長に向けた事業基盤強化への投資と、成長戦略に基づく事業成長投資に取り組みます。

技術革新は日々進んでいきますので、先進技術のキャッチアップやソリューションの研究開発投資を行うほか、人材が最も大切な資本であることから、引き続き人材への投資も行います。

また、株主還元については、配当方針として安定的かつ継続的な配当を実施していきたいと考えています。

株主還元方針においては、還元の拡大を目指し、現状14.1パーセントの配当性向を早期に40パーセント以上に引き上げるとともに、DOEを3.5パーセント以上にすることを目指しています。

質疑応答:初値の受け止めについて

質問者:初値が公開価格を上回ったことについて、所感を一言お願いします。

大場:本日の初値は、主に投資家のみなさまから評価していただいた結果だと受け止めています。心より感謝しています。

一方で、株価は短期的な需要と市場環境の影響を受けますので、これに一喜一憂することなく、確実かつ着実に事業を成長させていくことに取り組みたいと考えています。

質疑応答:AI駆動開発における他社との差別化について

質問者:AI駆動開発については、御社だけでなく、他の開発会社もさまざまに取り組まれています。このような開発手法の広がりによって、各社の力が底上げされていくと思うのですが、それを踏まえた上で、今後の差別化についてはどのようにお考えでしょうか?

大場:AIを利用したシステム開発については、開発という点では他社と大きな差別化を図ることは難しいと考えています。

当社としては、エンドユーザーとの直接取引を活かし、お客さまとのコネクションやパイプラインとなるような上流工程やご提案に人的リソースをしっかりと配分することで、他社との差別化が図れるご提案ができるよう努めていきます。

質疑応答:調達資金の使途について

質問者:今回調達した資金の使い道について、あらためてご説明をお願いします。

大場:成長戦略の中では、基本的には人材の高度化が一番大きいと考えています。当社がシステム開発を行う上で、技術力をしっかりと向上させていく必要があります。

まずは人材、社員の底上げを行い、さらに成長戦略におけるAI駆動開発やソリューション開発といった部分に投資したいと考えています。

質問者:AI駆動開発への投資について、具体的に教えていただけますか?

大場:開発の標準化にコストが非常にかかるため、精度を向上させる取り組みとして投資を行っていく考えです。

質疑応答:AIに対する認識について

質問者:IT銘柄が売られている状況が続いている中で、御社としてAIを脅威と捉えているのでしょうか? 恐れていないとは思うのですが、「大丈夫」だと言える具体的な根拠があればご教示いただけますか?

大場:リソースの適切な配分により、影響は非常に少ないと思っています。むしろAIを活用することで、当社としてはビジネスチャンスになると捉えています。システム開発において、生産性や品質の向上が収益性につながると考えています。

質疑応答:従業員数の採用ペースについて

質問者:従業員の数についてうかがいたいのですが、少し前まで年に10人程度のペースで増やされていたと思いますが、直近は30人程度とペースアップしている印象を受けます。

AI活用や開発の標準化に取り組まれるということですが、今後はどのようなペースで人員を採用されるのかを教えてください。

大場:これまでは、開発において人的リソースが非常に重要でした。そのため、社員数をしっかりと伸ばそうと考えていました。新卒採用では、年平均で40名から50名を採用してきましたが、今後の人材計画は、AI開発の状況を踏まえ、様子をみながら検討していく必要があると考えています。

ただし、社員数は会社として重要な要素ですので、引き続き従業員の拡大は考えていきます。

質問者:目安として、既存の従業員数に対して何パーセントぐらい伸ばしていきたいとお考えでしょうか?

大場:これまで、全体の従業員に対して10パーセント程度を新卒採用で補っていこうという方針でしたので、同程度とお考えいただければと思います。

質疑応答:業績予想について

質問者:業績予想についてうかがいます。従業員が10パーセント増えるということもありますが、2027年3月期以降は、会社として売上や利益についてどのようにお考えでしょうか?

システム開発会社によっては、生成AIの活用が利益を生む原動力となっているところも出てきています。御社は収益や利益率について、どのように改善し、伸ばしていきたいとお考えですか?

藤林隆司氏(以下、藤林):収益の改善は、当社としても重要な命題であると考えています。社員数が10パーセント増加するから、利益が10パーセント増えるかというと、なかなかそのようにうまくはいきません。

とはいうものの、AI駆動開発によりどれくらい工数が削減できるかという点につながると思います。しかし、それに対して今度はAIのプラットフォーム利用料も発生しますので、現時点では利益に直結させるのは難しいと考えています。

当社では、利益率の改善について、ベトナムにある子会社を活用する「BotDev」という施策を行っています。同じグループ会社のため品質が向上し、ベトナムのほうがコストも安いため、うまく活用することで無駄なコストをかけることなく、利益の改善を図っていきたいと考えています。

質問者:営業利益率予想は、2026年3月期が約6パーセント、その前の期も6パーセント前後と認識していますが、このあたりは、ベトナムの子会社の活用を増やすことで、どの程度の改善が可能とお考えでしょうか?

藤林:当社の社員規模を考えると、大手エンドユーザーとの直接取引すべてに対応し、賄える量ではありません。そのため、日本のビジネスパートナーを活用しています。

日本のビジネスパートナーとなりますので、現在、人件費の上昇に伴いコストが上がっています。この部分をベトナムの「BotDev」に置き換えることで、単純にコストを削減できるというメリットがあります。また、同じグループ会社であるため、同じ品質で取り組めるというメリットもあると考えています。

その2つによって利益の改善につなげていきたいと考えています。

大場:具体的な利益率の向上については、この場では明言が難しいですが、今お話しした取り組みにより、着実に収益性の向上が期待できると考えています。

質疑応答:配当性向40パーセントの早期実現について

質問者:株主還元についてうかがいます。配当性向40パーセントとなると、現状から大きく上がる予想ですが、圧倒的な成長があってこそのものだと思います。早期の実現について、いつ頃を想定しているか、差し支えなければ教えていただけますか?

藤林:明言は避けますが、来年、再来年というオーダーで考えています。5年後、10年後というわけではなく、早期ですので少なくともこの1年から2年の間には実現したいと考えています。

質疑応答:「Claude Code」ソースコード流出の影響について

質問者:「Claude Code」のソースコードが流出した事件がありましたが、これが今後御社の開発にどのような影響を及ぼす可能性があるのか、ご教示いただけますか?

藤林:流出は非常に難しい問題です。プラットフォームが原因で漏れている場合、それを止めるのは難しいと考えます。

当社では漏えいを防ぐために、閉じた世界の中で開発できるAI基盤を独自で開発しています。「SmileCHAT」や「Agentic Coding」には、生成AI技術を活用していますが、情報が漏れないよう自社でカスタマイズして使用しています。このような対応を当社は進めていきたいと考えています。

大場:品質保証の仕組みに「ExecTORA」があり、基本的にはその中でしっかりと管理を行い、セキュリティを強化しつつ、標準化しながら開発を進めている状況です。

質疑応答:オフショア開発の将来とAIの影響について

質問者:御社の強みの1つとしてオフショア開発が挙げられるかと思います。その中で、一番下流の部分がAIに代替されると、この比重が減る可能性もあるのではと考えますが、その点はいかがでしょうか?

大場:おっしゃるとおり、比率が下がる可能性はあると思います。ただし、人とAIが完全に置き換わるわけではなく、むしろAIを活用する領域において技術者が必要であると考えています。そのため、AIの活用が増えることが人の減少に直結する構造ではないと捉えています。

質問者:国内の採用と同じように、一定の調整はしつつも、大幅に削減する方向性は特に考えていないということですね。

大場:おっしゃるとおりです。

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