デクセリアルズは2月9日、2026年3月期第3四半期(25年4月-12月)連結決算(IFRS)を発表した。売上高は前年同期比0.2%増の872.96億円、事業利益は同1.2%減の314.71億円、営業利益は同7.3%減の304.51億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同8.9%減の212.67億円となった。売上高は、前年上期にあった蛍光体フィルムの売上が今期は事業終息により計上がなくなったことや自動車向け反射防止フィルム(ARF)の新規納入積み上げの反動、および円高影響があったものの、データセンター向けの光半導体やカメラモジュール向けの形状加工異方性導電膜(ACF)などの高付加価値製品の販売が拡大したことにより、前年同期を上回って推移した。利益面では、光半導体向けを中心とした成長投資による固定費増加があったものの、高付加価値製品の拡大により、為替影響を除いたベースでは前年同期比3.5%の増益を確保している。
光学材料部品セグメントの売上高は前年同期比9.7%減の376.72億円、事業利益は同12.0%減の120.02億円となった。光学フィルムカテゴリーにおいて、蛍光体フィルムの事業終息影響に加え、前年上期の自動車向けARF新規納入に伴う通常よりも大きい売上高計上の反動や、第3四半期においてノートPC向け製品の引き渡し時期が一部後ろ倒しとなったことが響いた。しかし、車載ディスプレイ市場における同社のARFは、優れた反射防止機能を背景に採用が進んでいる。光学樹脂材料では、光学弾性樹脂(SVR)の一部採用モデルの数量減を、精密接合用樹脂の採用拡大が補った。
電子材料部品セグメントの売上高は同9.3%増の502.92億円、事業利益は同6.8%増の194.68億円と伸長した。ACFカテゴリーでは、スマートフォンのカメラモジュール向けに、より高い付加価値を持つ形状加工ACFへの置き換えが進展し、増収に寄与した。表面実装型ヒューズは、電動工具向けの在庫調整完了による生産回復に加え、データセンター向けの新たな用途(バッテリー・バックアップ・ユニット(BBU)系)への展開も始まり、将来的なポテンシャルが高まっている。フォトニクスカテゴリーは、特にデータセンターの光トランシーバー向け高速応答フォトダイオードの出荷が旺盛で大幅な増収となり、利益面でも当第3四半期(10月-12月)において黒字化を達成した。数年前にグループ化した事業の量産体制が安定し、収益貢献が見られ始めている点は、中期経営計画の目標達成に向けた大きな成果といえる。
2026年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前年同期比3.3%増の1,140.00億円、事業利益が同2.4%増の390.00億円、営業利益が同1.9%減の390.00億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同6.3%減の260.00億円とする、2025年11月に公表した予想値を据え置いている。モバイルIT製品におけるメモリ価格高騰などの懸念はあるものの、高付加価値製品の拡大により計画達成を目指す。株主還元では、年間配当58.00円を予定するほか、2025年12月までに50億円の自己株式取得を完了し、全株式の消却も実施した。中期経営計画「進化の実現」において5年間累計の総還元性向60%を目安に掲げるなか、成長投資と株主還元の両立を通じた企業価値向上への取り組みは着実な進捗を見せている。