■イラン紛争の終結への期待高まる
今週の新興市場は上昇。週間では日経平均が+7.15%と急反発。グロース市場指数は+3.68%、グロース250指数は+4.32%といずれも6週ぶりに上昇した。米国・イスラエルとイランが2週間の停戦で合意したことで紛争の完全終結への期待が高まり、買いが戻ってきた。時価総額最上位の銘柄群で算出するグロース市場コア指数は+2.21%と2週ぶりに上昇した。
時価総額上位銘柄では、パワーエックスが週末4月10日に上場来高値7700円まで駆け上がった。原油の高止まりに加え、大阪市の企業からの蓄電システム受注が買い材料視された。アストロスケールホールディングスは宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙戦略基金の交付金額が決まり、事業基盤強化を好感して30.3%高。一方、トライアルホールディングスは3.89%下落した。アサヒグループホールディングスやNTTなどと一般社団法人を設立し、サイバーセキュリティ―強化に取り組むと発表、週央にかけて買われた後、利益確定売りに押された。
その他、VALUENEXがストップ高を連発して週間66.4%高。防衛省との取引実績を持つ。時価総額100億円未満と小規模であることも加わり、値動きの軽い防衛関連の出遅れ銘柄として人気を集めた。一方で、W TOKYOが24.8%安と値を消した。知的財産ビジネスのグローバル展開を目指し、SBIホールディングスと資本・業務提携したことをはやして、先週に72.6%高と急騰した反動で売られた。アミタホールディングスは、信用取引規制が上げ相場の腰を折る形となって19.1%安と下げがきつかった。
今週のIPOは3件あり、いずれもスタンダード上場。6日上場のシステムエグゼは初値が公開価格を11.7%上回った。初値の公開価格超えは今年初。7日のヒトトヒトホールディングスの初値は公開価格比1.9%安と低調だったが、9日のソフテックスは名古屋証券取引所メイン市場と重複上場し、公開価格比64.9%高となった。
■大商い銘柄の追撃買いに期待
来週の新興市場は、中東不安の急速な後退で地合い改善の継続が予想される。プライム市場で大型IT銘柄を中心に急速に値戻しが進み、投資家のリスク負担能力が回復しており、QPSホールディングスやアストロスケールホールディングスといった今週末の大商い銘柄の追撃買いが期待できよう。
4月21日のバトンズのグロース上場までIPOの予定はない。6日から9日にかけて新規上場したシステムエグゼ、ヒトトヒトホールディングス、ソフテックスはいずれも今週末終値が公開価格を上回っており、しこり玉の少ない直近IPO銘柄として買われる場面がありそうだ。
もっとも、イランによるホルムズ海峡の事実上封鎖が続いて原油価格が高止まりし、イスラエルと敵対勢力との戦闘も続いている。中東での緊張が高まれば再びリスクオフの売りが優勢となる中で、廃棄プラスチック再生に取り組むリファインバースグループなどに資金が向かおう。
なお、今週は東証による新規上場承認はなかった。