■サイバーリンクスの今後の見通し
1. 2026年12月期の業績見通し
2026年12月期の連結業績は、売上高19,238百万円(前期比6.1%増)、定常収入9,624百万円(同10.2%増)、営業利益1,909百万円(同3.4%増)、経常利益1,900百万円(同2.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,308百万円(同0.3%増)を見込んでいる。M&Aや開発投資に伴う償却負担が継続するものの、増収効果によってこれらを吸収し、3期連続の営業増益、経常利益は売上高とともに3期連続での過去最高更新を目指す。
なお、前期に計画を下回った流通クラウド事業において、主力の「@rms V6」や生鮮EDI「せんどねっと」の導入進捗が想定を上回るペースで推移すれば、期中における業績予想の上方修正も十分に期待できると弊社は分析している。
2. セグメント別見通し
(1) 流通クラウド事業
セグメント売上高は5,982百万円(前期比12.8%増)、定常収入は4,517百万円(同6.9%増)を予想している。セグメント利益は、801百万円(同2.9%増)を予想しているが、利益率は13.4%(前期は14.7%)と低下する見込みだ。これは、ソフトウェア償却負担が「@rms」のバージョンアップ開発完了に伴い先行して発生しているほか、体制強化のための人員増・賃上げなどの待遇改善による費用の増加によるものである。ベースの事業は順調に拡大している。
主な施策としては、「@rmsV6」「AI自動発注」「せんどねっと V2」「クラウドEDI‐Platform」等の導入を推進する。特に「@rmsV6」の展開を加速し、新規稼働に向け導入作業に注力する。またAI機能を取り込んだ次世代基幹システムの開発にも着手する。これらのサービス開発に伴いソフトウェア償却費は前期比約0.9億円増加の見通しだが、増収で吸収し増益を計画している。
(2) 官公庁クラウド事業
セグメント売上高は8,673百万円(同2.3%増)、定常収入は4,242百万円(同14.0%増)、セグメント利益は1,351百万円(同12.3%増)を予想している。
「自治体基幹業務システムの統一・標準化」関連の案件は、上期まで業績に寄与する見込みである。文書管理システム「Active City」導入拡大による定常収入増をねらう。自治体向けオンライン窓口「みんなの窓口」は、東京都特別区での新規稼働を予定している。これを契機に、全国展開に向けた普及拡大を推進する。また2025年にAI技術を持つ企業を取得し、AI機能実装に向けた取り組みも進めるほか、2026年5月に自治体DX展に出展予定である。シナジー取得に伴うソフトウェア償却は前期で終了したものの、のれん償却費については年間約1.6億円が2027年12月期まで継続する見込みである。
(3) トラスト事業
セグメント売上高は359百万円(前期比142.6%増)、定常収入は117百万円(同50.1%増)、セグメント利益は5百万円(前期は61百万円の損失)を予想している。
「CloudCerts」提供をさらに拡大する。施策としては、広告宣伝による認知度向上をねらい、2026年4月にJapan DX Weekに出展予定である。また「VC」※としての価値提供拡充に向けた取り組みとして、ウォレット機能開発、デジタル証明書流通に向けたプラットフォーム構築などを推進する。さらに自治体向け市場開拓のために官公庁クラウド事業と連携した市場開拓を継続する。
※ Verifiable Credentialの略。デジタル署名による真正性・改ざん防止等の機能を実現できる機械可読かつ汎用的なデータ形式(デジタル証明書)及びデータ流通の形態。
施策としては、営業力強化に向けた取り組みとして、人員を増強し営業体制を強化すると同時に外部リソースも活用する。一方で、官公庁クラウド事業と連携し営業力を活用して自治体向け提案に取り組む。
(4) モバイルネットワーク事業
セグメント売上高4,224百万円(前期比0.3%減)、定常収入は748百万円(同5.8%増)、セグメント利益は312百万円(同17.3%減)を予想している。
3Gサービス終了に伴う、端末買い替え需要の反動があるものの、端末の高価格化等により増収を見込むが、各種指標の達成に向けた販促費等の増加、給与引き上げに伴う人件費の増加などで減益予想となっている。施策としては、店舗運営の生産性向上に向けた取り組みを推進する。本部に業務集約拠点を設置し、オンラインでの店舗接客を本格化する。また出張販売、新規エリアの開拓等顧客接点の拡大にも取り組む。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)