三陽商会は14日、1株当たり1,200円の特別配当を求める株主提案を2026年4月1日付で受領し、社外取締役が過半数を占める取締役会の全会一致により同提案に反対すると発表した。
反対理由として、2025年4月14日公表の「中期経営計画(2026年2月期~2028年2月期)」および2026月4月14日公表の「中期経営計画の進捗状況」(以下「中計等」)に基づく同社の資本戦略を挙げている。
同期間では、成長投資については、既存事業の拡大に加え、新規ブランド開発、海外展開、M&Aによる新商権確保などにも積極的に取り組む方針であり、そのための投資を拡大するとしている。社員還元については、人材育成や人事インフラ整備を行うとしており、従業員持株会を通じたRS付与などの具体的施策を既に実施している。
株主還元については、配当の基準指標としてDOEを採用し、その水準を2%から段階的に引き上げ現在は4%としており、年間配当は2023年2月期55円から2026年2月期139円、2027年2月期予想147円(2026年9月1日実施予定の株式分割を加味しない前提での試算金額)へと増加している。また、2022年3月以降、3回にわたり、合計約201万株、総額約50.90億円の自己株式取得を実施している。
ROE及びPBRの改善については、中計等において、各種施策の実行を通じて株主資本コストを上回るROEの維持・向上を図るとともに、IR活動の強化及び中計等の着実な遂行により、PBRの改善を目指す方針としている。ROEについては、当面は政策保有株式売却等による特別利益を前提に10%を維持しつつ、長期目標として、それら特別利益等を前提としないベースで ROE10%達成を目指す方針としている。
他方、PBRの改善とさらなる企業価値向上に向けては、ROE向上の取り組みを継続することに加え、投資家からの将来成長への期待を高め、PER の向上に繋げることも不可欠であるとしている。そのため、自己資本の一時的な圧縮による資本効率の見かけ上の改善にとどまらず、市場からの評価向上に繋がる持続的な収益力、即ち「稼ぐ力」を強化していく必要があり、今後も引き続き、中期経営計画等に掲げる諸施策を着実に実行し、利益成長の確度を高めるとしている。
一方で、1株当たり1,200円の特別配当を実施した場合、成長投資の履行に支障が生じるおそれがあり、中長期的な企業価値および株主利益の向上の観点から適切ではないと判断したこと、また、短期的な還元よりも、成長投資を通じて会社を持続的に成長させることにより、中長期的に企業価値を向上させることが、結果として株主価値の向上に繋がると確信していることから、株主提案に反対するとしている。