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グロービング、3Qは売上高・営業利益ともに過去最高を更新 AI関連売上比率が50%まで上昇

Agenda

田中耕平氏(以下、田中):グロービング株式会社代表取締役社長CEOの田中です。みなさま、本日はお忙しい中、2026年5月期第3四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

最初に、決算についてご説明します。会社概要および成長戦略についてお話しします。昨今のAI市場の変化を踏まえ、グロービングの立ち位置についてご説明します。その後、2026年5月期第3四半期の業績についてお話しします。

会社概要

我々は、人工(にんく)ビジネスからの脱却を目指していきます。まず、会社概要についてご説明します。多くの日本企業が抱える問題として、人手不足が挙げられます。経営人財から現場人財に至るまで含まれるもので、今後さらに深刻化すると見ています。

グローバルと比較した際に、日本企業の低い生産性や、企業内に蓄積された暗黙知やノウハウが伝承されていない点も課題として認識しています。

これに対して、私たちグロービングは、経営人財をクライアントに送り込み、ハンズオンで経営課題の解決をサポートしています。同時に、企業の競争力の源泉である暗黙知やノウハウをAI化し、独自のAIプラットフォームを活用してホワイトカラーが担う中間業務を代替しています。

これにより、クライアント企業が圧倒的に効率的な運営を実現できるよう支援しています。AIを活用して匠のノウハウを伝承することにも取り組んでおり、その結果として現場オペレーションの強化にもつながっています。

これらを踏まえ、当社はAIの活用により、クライアントが直面する労働力不足や低生産性といった社会課題を解決するAIカンパニーとしての立ち位置を確立しています。

AIで代替する対象業務

AIで代替可能な業務についてです。経営者の経営意思決定業務や、生産、製造、営業廻りなどの現場業務オペレーションが含まれます。その中間には、ホワイトカラー業務や企画管理、コンサル業務なども含まれると考えられます。

今後AIで代替可能な分野と見ており、グローバルで900兆円程度の市場規模を見込んでいます。

人工ビジネスからの完全な脱却を目指す

人工(にんく)ビジネスからの完全な脱却を目指すため、AIにより効率化された新しいコンサルティングサービスとして、自社開発のAIツールを継続して活用しています。

効率化されたサービス提供を行うとともに、Joint Initiativeで経営人財をクライアント企業に送り込みながら、AIプロダクトの共同開発を進めています。このようにして、人力依存のビジネスからの脱却を現在も推進しています。

今後の3年間で、数億円から数十億円規模のAI投資を実施することを検討しています。この投資は、R&D、プロダクト・プラットフォームの開発、M&Aなどに充てられる予定です。

AIサービスを顧客企業内に実装し、継続利用料を通じて収益を獲得する仕組みを構築することで、人工(にんく)ビジネスからの完全な脱却を目指しています。

GLBのビジネスモデルの進化

ビジネスモデルの進化について、もう少し具体的にご説明します。AIを活用した新しいコンサルティングサービスの効率化をさらに進めていきます。このサービスはすでに提供していますが、さらに効率化し、AIを主軸にした提供モデルやビジネスモデルへの切り替えを目指しています。

Joint Initiativeによる経営人財派遣に関しては、第3四半期までの累計で売上が46億円、全体の54パーセントを占めています。AIをテーマにした重要なプロジェクトを推進している部分では売上が23億円で、全体の26パーセントにのぼります。

AI共同開発については、共同開発型プロジェクトとしてプロダクトを開発しながら開発費を得るというモデルになっています。売上が17億円で、全体の20パーセントを占める構成となっています。

今後の展開として、意思決定AIや暗黙知プラットフォームを活用した、AIプロダクトおよびAIプラットフォームの利用料課金ビジネスモデルへの転換を検討しています。

AIで効率化されたコンサルティングサービスに加え、Joint Initiativeについても現在効率化が進んでいますが、さらに徹底的に効率化していく考えです。主要33業種のトップ3企業に対して経営人財を送り込むJoint Initiativeの取り組みを通じて、AIの開発テーマを導き出し、次の展開につなげていくことを目指します。

過去3年間で1人当たりの売上が63パーセントアップする成果がすでに出ています。共同開発による押し上げ効果も含めたもので、63パーセントアップという結果となっています。

AIテーマについて、2026年5月期の中で46プロジェクトを受注済みで、実際に推進中です。共同開発テーマから3つのプロダクトを共同開発し、当社でIPも管理しており、すでに特許としても取得済みとなっています。

AIプラットフォームについては、主要なコンポーネントの原型がある程度構築されてきています。この点については、後ほど具体的にお話ししたいと思います。

全体のビジネスモデルの進化においては、動的平衡マネジメントを展開し、ビジネスモデルをさらに強化していくことを考えています。動的平衡マネジメントについては、日本流の経営の強みを前面に打ち出すとともに、企業哲学や匠のノウハウを取り入れる点に重点を置いています。

これらを活用しながら、経営者とのリレーションを強化します。あわせて、企業哲学や匠のノウハウをAI化する方法論に落とし込み、上位ビジネスモデルを下支えする仕組みを構築していきます。

AI関連売上の伸長

AI関連売上の伸長について、第3四半期ではAI関連の売上比率が50パーセントまで上昇しました。今期第3四半期までの累計では46パーセントで、売上高は約40億円となっています。内訳として、AIテーマ推進が約23億円、AI共同開発が約17億円となっています。

AI共同開発=人工ではなくAIケイパビリティをレバレッジした売上

AI共同開発について、基本的には人工(にんく)ではなく、AIケイパビリティを活用した売上と認識しています。

当社では、社内で開発済みのAIプロダクトを活用し、自社業務を効率的に進めるためのAIプロダクトを運用しています。また、暗黙知をAI化するための暗黙知プラットフォーム、さらに領域ごとのコンサルティングノウハウを詰め込んだドメインナレッジを活用しています。

これらの技術基盤をもとに、クライアントと共同開発型のプロジェクトに取り組んでいます。クライアントとは、共同開発費として費用を頂戴しながら、プロダクトをクライアント内に組み込むかたちで開発を進めています。

基本的には、クライアントが意思決定AIプロダクトを利用し、当社が意思決定AIプロダクトのIP(知的財産)を自社内に残すかたちとなります。

クライアントから共同開発費をいただかない場合、社内投資コストとして、当社のAIプロダクトを社内で開発したことになります。そのため、本来社内投資コストとなる部分を、共同開発プロジェクトとして売上化したといえると考えています。

このような売上化の結果、1人当たりの売上高が年間約1,600万円向上しました。

AI活用により1人当たり売上を年間39.8百万から64.9百万円に向上

1人当たり売上高について、この3年間で合計2,500万円ほど向上しています。共同開発による売上増の効果として、約1,600万円分の1人当たり売上高の増加・向上効果が生じています。

社内でのAI活用による効率化効果については、「AI議事コン」や「提案書レビューAI」などを活用することで、会議の効率化や、コンサルタント提案書の効率的なレビューが実現しています。より高品質な提案書を作成する仕組みによって、業務効率化と高度化が進みました。

その結果、約900万円分の売上向上や1人当たり売上の向上が生まれています。社内におけるAIの利用促進については、今後も継続的に向上を図っていきます。その結果、1人当たりの売上が大きく向上しており、AI活用による効果が表れたと考えています。

共同開発を進める中で、投資に回るはずだった部分からも売上が立つようになり、それが1人当たりの売上をさらに押し上げる要因となっています。従業員数に関係なく売上が上がっていくことが、このモデルで説明できるのではないかと考えています。

参考)当社粗利率に見る生産性の高さ

当社の粗利益率は、非常に高い水準を維持しています。コンサルティング企業や上場AI企業と比べても、非常に高い水準であることが特徴です。

グロービングの目指す “経営OS”

当社が作ろうとしている「経営OS」について、少し具体的にお話しします。「経営OS」は、企業の成長を支えるための経営人財、意思決定をサポートする意思決定AI、暗黙知をAI化していくために必要な暗黙知プラットフォームの3つで構成されています。

経営人財については、Joint Initiativeで経営者の右腕として送り込む取り組みを実施しています。今後、さらに拡大していく方針です。

意思決定AIとは、経営管理や中期計画策定、企画立案、営業支援、調達の最適化など、各種業務領域ごとにコンサルティングノウハウを組み込んだ意思決定を支援するアプリケーションを指します。

それを作る上で重要になるのが、企業哲学や匠のノウハウです。クライアント企業の中に眠るノウハウや知見をAI化し、それを迅速に実装できるプラットフォームの構築が、我々の目指している「経営OS」の柱です。

「経営OS」をクライアント企業に組み込むことが、我々が描く「経営OS」の姿となります。

JIから発展し、AIを主軸に置くビジネスモデルへ転換

ビジネスモデルについてです。Joint Initiativeを通じて経営人財を送り込む取り組みは、これまでも実施しています。

このモデルは、経営者の右腕として人財を送り込み、コンサルティングフィーや出向費用をいただくかたちです。この分野において、日本国内では400人から500人規模まで拡大を目指せると考えています。

意思決定AIや暗黙知プラットフォームについては、現在共同開発を進めており、クライアントから開発費用をいただいて展開しています。「グロービングくん」「AI議事コン」「スペンドインテリジェンススイート」と呼ばれるプロジェクトを構築中です。

構築の中で、暗黙知プラットフォームと呼ばれるものの原型が現状で形作られつつあります。これをさらに推し進め、暗黙知プラットフォームを完成させることで、それぞれの意思決定AIアプリの開発が迅速に行えるようにします。

「コンサル×エンジニア」といった和製FDEを超高速で開発し、早期にビジネスインパクトを実現する方向へ移行することが、私たちが目指すビジネスモデルです。

こうした取り組みを支える基盤として、日本流経営の優れた部分を導出した動的平衡マネジメントを活用します。経営者とのリレーション強化や、企業哲学・匠のAI化の方法論のさらなるブラッシュアップを進めます。

これらを通じて基盤を強化し、私たちのビジネスモデルを実現していきます。

JIの業種展開

Joint Initiativeについては、現時点で7業種において、すでに売上上位3社との取引が進められています。残りの20数業種については、まだ参入しきれていない部分もあり、これらは依然として大きなホワイトスペースとして残されていると考えています。

スライドの33業種の中で、各業種のトップ3社に対して、5人程度の経営人財を送り込むことを想定しています。この計画に基づくと、日本国内で約400人から500人規模の経営人財を送り込むことが可能と見込んでいます。

暗黙知PFとは(1/2) – 暗黙知の価値とAI化の課題

暗黙知プラットフォームについてです。暗黙知とは、個人の経験やスキル、直感によって形成される知識であり、言葉や文章では表現しづらいものを指します。

企業内では、競争領域ごとに異なる暗黙知が眠っていると考えられます。これらは、競合企業との差別化要素を生み出す競争力の源泉であり、企業哲学やカルチャーに基づいて自社の強みを形成しているものが暗黙知だと考えています。

日本や世界も含めて、最大の資産は暗黙知だと私たちは考えています。しかし、暗黙知をAI化していく際には、「ポランニーのパラドックス」とも言われるように言語化が難しく、形式知化できないため、AIに学習させるのが非常に難しいという大きな課題があります。

現在、AnthropicなどのAIやSaaSが置き換えつつあるのは、非競争領域における定型業務が中心です。一方で、競争領域の暗黙知のような価値の源泉に関しては、未だ手つかずの状態だと考えています。

そこで、グロービングでは、暗黙知をAI化する暗黙知プラットフォームを開発しました。

暗黙知PFとは(2/2) – 意思決定AI/暗黙知PFの構成要素

暗黙知プラットフォームの構成要素についてです。プラットフォームの上に、ビジネス効果を創出する意思決定AIがあり、目に見える効果を導出する個別アプリを作成します。その下には、暗黙知プラットフォームがあり、大きく3つの要素から構成されています。

1つ目は、インダストリ/ドメインナレッジデータベースです。「自動車×製造」「電機×調達」「石油×製造」などの「業界×領域」の実務知見を蓄積し、ビジネスインパクトを最大化するための最適なソリューションを提案するナレッジデータベースです。

2つ目は、暗黙知AI化エンジンです。共同開発を通じて、クライアントの持つ暗黙知をAI化したプロセスで得られた方法論を活用しています。

将来的には、AIとの対話を通じて暗黙知をAI化するエージェントに落とし込むことや、暗黙知をAIに取り込む方法論をより自動化してエンジンに組み込むことを目指しています。このエンジンが、暗黙知AI化エンジンと呼ばれる部分です。

3つ目は、データ変換エンジンがあります。各種データ基幹システムや個別システムのデータを統合する仕組みです。ただ単に統合するだけでなく、各データの意味づけを統一し、意思決定AIにつながるかたちで価値を出すようなデータの意味づけを進めています。

これらの取り組みについては、構築準備の段階まで進んでいる状況です。暗黙知を実際のビジネスに活用し、意思決定AIまでつなげるプラットフォームの構築を目指しています。

期待できる市場規模

期待される市場規模についてです。TAMは900兆円であり、国内に限定すると60兆円、国内の33業種に絞り込むと6兆円という非常に大きな市場が、当社が取り組む市場になると考えています。

中期的な成長イメージ

この3年間では、共同開発による暗黙知プラットフォームの構築を進めてきました。今後さらに投資を実施し、AI分野を強化していく方針です。Joint Initiativeを通じた経営人財の配備も拡充します。以上が、我々の目指す成長イメージとなっています。

意思決定AI/暗黙知PFの現状と今後

そのような目標を達成するため、現在のAI開発状況と、今後の展望についてご説明します。スライド左側の図は、AIプラットフォームの構造を示しています。

最下部には、情報源としてのデータソースがあります。その上に、データを収集して統合するデータインテグレーション、意味づけレイヤーと呼んでいるセマンティックがあります。そして、意思決定を促すディシジョンと、実際にアクションを起こすアクションがあります。

現在、当社ではこの構造に基づき、3つの主要なプロダクトを展開しています。

1つ目は、データソースとして、単なるシステムだけでなく会議なども重要な情報源と捉え、その部分を含めてカバーする会議高度化の「AI議事コン」です。

2つ目は、企画業務をサポートする「グロービングくん」です。

3つ目は、調達業務における「スペンドインテリジェンススイート」です。これは、セマンティックからアクションまでを含めてサポートするもので、共同開発を通じて構築しています。

暗黙知プラットフォームは、スライドの図の中で横に広がるかたちで位置づけられています。自動でデータを収集し、統合する機能と、意味づけを付与する部分で暗黙知が活用される領域でもあります。

意思決定につながる判断を支える匠のノウハウといった要素を組み込み、暗黙知をAI化するためのエンジンが活用される部分でもあります。こうした領域を含めて、全体を構築するという方向性です。

「AI議事コン」「グロービングくん」「スペンドインテリジェンススイート」といったプロダクトに加え、暗黙知プラットフォームの一部機能についても、先行して実装が進みつつあります。

開発中の意思決定AI(AIプロダクト)

3つのプロダクトは共同開発を行い、横展開可能なノウハウを抽出するとともに、IPも確保しています。

一部先行して、暗黙知プラットフォームを開発しています。今後2、3年で、暗黙知AI化エンジンやデータ変換エンジンなどの基本機能を構築していく予定です。最終的には、意思決定AIを暗黙知プラットフォーム上に実装していきます。

意思決定AIは、企画や調達の領域で開発を進めていますが、それ以外にも営業領域や製造領域、さらにコーポレートの中でもフロント寄りの人事(HR)領域などへの拡大を計画しています。

主に組立製造業向けに利用されることを想定していますが、プロセス産業、製薬業、金融業など、さまざまな業界にも展開していく考えです。

ERPの仕組みの中からデータを自動で収集することを含めて、データを統合していく上で非常に重要となってきます。そのため、これに関する追加開発も今後行われていくと考えています。

現時点で実現できている取り組みについてご説明します。

「AI議事コン」については、会議時間を30パーセント削減し、議事録作成やタスク管理にかかる作業を50パーセント削減、さらには無駄な会議自体を20パーセント削減する仕組みを実現しています。会議そのものを評価する機能も備えており、特許もすでに取得済みです。

「グロービングくん」は企画業務を効率化するためのレビューやさらなる強化を目的としており、資料準備にかかる工数を50パーセント削減できる段階まで来ています。特許査定を終え、現在、登録手続き中です。すでに特許取得が近い段階にある状態です。

「スペンドインテリジェンススイート」については、例えば売上1兆円規模の会社であれば、数百億円規模のコスト削減効果が生まれるプロダクトとして取り組んでいます。横展開を含めて進めていくプロダクトです。

グロービングくんの特許査定済みの技術

「グロービングくん」は、マルチエージェント構成を特徴としています。1つのAIエージェントだけが動くのではなく、コンサルタントの思考を持つコンサルタントAIや、技術領域に特化したAI、さらに他のいくつかのAIがマルチエージェントとして連携して動作します。

これを真ん中でオーケストレーターが統括し、判断結果を解釈しながら、矛盾がないように出力する仕組みです。この部分が匠の知見を要する領域ですが、会社内で活用できる企画へと変換するオーケストレーター機能が「グロービングくん」の特許査定済みの技術となります。

以上が、当社の成長戦略です。

基本的に、AI市場の変化は当社にとって非常に追い風になっていると考えています。これまでのご説明からも、当社がAIを活用して業界を変革することに取り組んでいることをご理解いただけたかと思います。今後も、このような取り組みを推進していく方針です。

26年5月期3Q 連結業績サマリー

2026年5月期の業績についてお話しします。今回の第3四半期の業績サマリーについてです。第3四半期単体では、売上高が31億円、営業利益が13億1,000万円、営業利益率は42.3パーセントで、四半期ベースでは過去最高の数字となりました。

第3四半期累計では、売上高87億5,000万円、営業利益34億1,000万円、営業利益率39パーセントと、累計ベースでも過去最高を記録しました。通期計画に向けては、おおむね計画どおりの推移になってきていると見ています。

基本的には、AI事業を起点に、共同開発型のJoint Initiativeコンサルティング案件が着実に拡大しています。コンサルタントとAIエンジニアを共同でアサインしたFDE型プロジェクト運営を実施しています。

AnthropicショックをはじめとするグローバルなAI市場動向を踏まえ、業界をリードする立場として、コンサルタント職の採用を一時的にやや抑制しました。コンサルタント数は、自然退職も含めて微減している状況です。

第4四半期においては、入社者数の増加を見込んでいます。収益を直接牽引し、Joint Initiativeにも関わる経営人財クラスであるパートナークラスの採用についても、第4四半期以降に向けて入社予定で話が進んでいます。ビジネス拡大に向け、人員の不足は大きな懸念とならないと認識しています。

1人当たりの生産性や売上は着実に向上しており、過去最高の営業利益水準の達成につながっています。引き続きAI活用を推進し、最適な人員配置と高い生産性を目指して運営していきます。

KPIハイライト

KPIハイライトについてです。すべてのKPIはおおむね順調に推移しています。

調整後のコンサルタント数については、グローバルのAI市場動向を踏まえて一時的に採用を抑制しているため、支援対策も含めて少し減少しました。しかし、AIを活用することで、1人当たりの売上を大きく向上させています。

コンサルタント平均年収、Joint Initiative売上比率、AI関連売上比率、いずれも着実に上昇しています。

PLサマリー

PLのサマリーです。第3四半期累計の売上高は約87億円で、前年同期比47パーセントの成長となりました。営業利益は約34億円、利益率は39パーセント、当期純利益は約25億円で、当期純利益率は28.6パーセントです。非常に高い利益水準と売上の伸びを達成できていると考えています。

26年5月期通期連結業績予想(26年1月公表内容から変動なし)

通期の業績予想についてです。第3四半期では修正を行っていません。ただし、通期の営業利益40億円については上振れの見込みがある一方で、その一部をAI関連の開発投資や採用投資に回すことも検討しています。

そのため、第3四半期と同じような水準での営業利益は現時点では見込んでいません。

来期の新経営体制

来期の新経営体制についてです。本日発表しましたが、来期9月以降の経営体制として、現在取締役CSOを務めている福田が代表取締役社長に就任します。私は、取締役兼CSOとして経営戦略やグローバル戦略を担当します。

福田は、ボストン コンサルティング グループやグロービングで、日本を代表する企業の経営者をクライアントに対して、全社変革、ポートフォリオ変革、M&Aといった分野を中心に、大規模なプロジェクトを手掛けてきた実績があります。

その手腕を活かし、今後の「Joint Initiative×AI」による業界変革推進やグロービング全体の経営の舵取りを行い、来期以降の経営体制を主導します。

代表取締役の輪番制について

経営体制のベースとなるのは、代表取締役の輪番制です。

以前からご説明しているとおり、当社は基本的にコンサルティングファームであり、もともとパートナーシップ型の経営を行っています。各パートナーが実際に経営権を持ち、合議制で経営を動かすという文化が根底にあり、それを踏襲しています。

経営人財を継続的に育成することも、サクセッションプランとしてしっかりと実践しています。特定の個人に権力が偏ることで生じる経営への依存からの脱却を目指す制度にもなっています。

制度の基本設計として、共同代表2名体制を原則としています。これまでも共同代表2名体制で運営しており、意思決定を分散させるためにも、このような体制を採用しています。就任期間は原則3期で、最大4期までとし、その期間で交代します。

代表が2人いる場合でも、同時に交代することがないように、代表交代のタイミングをずらすことで、経営の連続性を確保します。候補者の選出プロセスについては、指名・報酬委員会での諮問を経た後、取締役会で選任するという手続きを明確に定めています。

運用上の統制としては、代表取締役がそれぞれ関与している案件やプロジェクト、M&Aなどにおいて、互いに牽制し合う体制を整えています。本部長については、社長以外から選任する方針です。社長が本部長を兼任することで、権限が集中することを防ぐ目的があります。

監査役によるプロセスの重点監査や、社外取締役のみなさまによる監督を通じて、継続的なモニタリングを実施していきます。

代表取締役の輪番制を踏まえ、来期以降は福田が代表取締役社長として進めていく体制を予定しています。

「資本コストや株価を意識した経営」の実践に向けた対応方針

資本コストや株価を意識した経営についてお話しします。当社の場合、内部留保が積み上がることで資本効率が低下するリスクがあり、これを経営課題と捉えています。そのため、成長投資と株主還元の最適なバランスを重視しています。

前回の株主還元に関する発表において、年2回の配当を実施し、年間の配当性向を30パーセント程度とする方針を示しました。どんどん利益が増えることで、増益による累進配当も実現可能と考えています。

今期末時点では半期分として、1株当たり配当金は15円、配当性向は15パーセントとなります。基本的には、このような株主還元を実施します。その他の資金は、AIの開発投資やM&A、自社株の取得などに充て、企業価値の向上を目指した成長投資も確保する方針です。

私からのご説明は以上です。

質疑応答:Anthropicショック後の投資家とのコミュニケーションについて

司会者:「Anthropicショック以降、投資家とはどのようなコミュニケーションを行っているのでしょうか?」というご質問です。

田中:Anthropicショックにより、業界全体、特にコンサルティング企業だけでなく、AI企業やSaaS企業などさまざまな企業が大きな影響を受けているようです。当社にとっては、逆にプラスに働いており、追い風になっていると考えています。

AIの進化を活用しながら、当社のAIプロダクトをさらに強化することで、より多くの置き換えが進んでいきます。当社のビジネスモデルを達成する上で、非常にプラスに寄与しているというスタンスでコミュニケーションを図っています。

スモールミーティングを実施し、各投資家のみなさまと議論を交わす中でも、当社が目指している方向性に間違いがないという確信を深めています。

質疑応答:コンサルタント数の減少理由について

司会者:「調整後コンサルタント数、連結従業員数が減少した理由について教えてください」というご質問です。

田中:昨今のAI市場の動向や、サービス提供の構成が変化してきていることも踏まえ、コンサルタント職の採用を一時的に抑制しています。その結果、自然減によりコンサルタント数は微減しています。

一方で、AI活用を含む取り組みを進めるため、特に経営に深く関与するJoint Initiative人財など、高度なスキルやノウハウを持つ人財の採用を進めています。第4四半期以降、順次増加する見込みです。

質疑応答:業績予想の修正について

司会者:「2四半期連続で上方修正を実施したが、今回はしなかった理由、業績上振れ余地について教えてください」というご質問です。

田中:今回、売上高10パーセント、利益30パーセントという変動の幅に抵触するところではないため発表していませんが、基本的には通期の営業利益40億円という現在の予想数字は上振れする見込みです。

そのため、今後の当社の成長を支えるAI開発や採用への投資に回すことも検討しており、現時点では業績予想の修正を出していません。

質疑応答:営業利益率改善の要因について

司会者:「営業利益率の改善が順調に進んでいる要因について教えてください」というご質問です。

田中:営業利益率については、1人当たりの売上が非常に上がってきていることが大きく寄与しています。

共同開発による売上増が非常に大きく影響しています。共同開発は、本来であれば当社が社内で投資としてキャッシュを使い開発するプロダクトについて、クライアントから開発費をいただき、それを売上として計上しています。

頭数に依存するのではなく、当社の知見をそのままプロダクトとして活用いただくかたちでの売上アップとなっており、1人当たり売上を大きく押し上げています。社内のAI活用による効率化効果も寄与し、1人当たり売上が大幅に向上したことから、営業利益の改善が進んでいます。

質疑応答:高い粗利率を実現する要因について

司会者:「他社比で、ここまで粗利が高いのはなぜでしょうか?」というご質問です。

田中:粗利率については、各社でどのようなコストを原価に含めるかという点にかなり違いがあるようです。当社は、人件費だけでなく、他のコストも原価に積んだ上で、高い粗利率を実現しています。

1人当たりの売上に象徴されるように、サービスを効率的に提供しつつ、高い単価を得ていることが非常に大きなポイントです。具体的には、1人当たりの売上が高く、クライアントから高い評価を得て、元のコストよりもかなり高いフィーをいただいている点が重要です。

そもそも売上ではない、本来は当社が投資する部分も売上に含まれていることが、このような高い粗利率を押し上げる要因となっています。

質疑応答:AI投資の概要と累進配当の実現に向けた方針について

司会者:「今後のキャピタルアロケーションと業績成長の考え方について教えてください。以前も、2026年5月期、2027年5月期は、非連続成長に向けたR&D投資を実行などとご説明がありました。

今回、スライド6ページに『今後3年は数億円から数十億円/年のAI投資を実施』と記載されていますが、具体的な年次はいつでしょうか? また、投下するコストの量や質の考え方がこれまでと変化している部分があれば教えてください。

他方で、スライド31ページには『増益による累進配当の実現』とあります。コスト投下の考え方とあわせて、来期以降も増益が目指せると期待して良いのかといったことも含めて、現在可能な範囲でコメントをいただけると幸いです」というご質問です。

田中:今後3年間で、数億円から数十億円のAI投資を実施するとお伝えしましたが、R&D投資やM&A、プロダクト開発なども含まれています。

実際にPLに影響を与える部分、資産計上される部分、あるいはM&Aに関する部分は、それぞれ別のかたちになるため、これらを分けて考える必要があります。

総額として、この規模のコストを投下しながらプロダクトの開発を進めることで、今後指数関数的な成長を生み出す余地を作りたいと考えています。

期間については、今後3年間、すなわち今期、来期、再来期の間に、先ほどお話ししたAIプロダクトや暗黙知プラットフォームなどのコアとなる部分をしっかりと構築する計画です。それらに、年間数億円から数十億円程度を投資していく方針を持っています。

累進配当の実現について、利益率を高く維持することはもちろんですが、今後の成長をしっかりと作り出していくという面でも、PL上の投資をある程度実施していくことになると考えています。

ただし、利益額が大幅に減少するようなことは基本的に想定しておらず、成長を確保しながら累進配当も実現していきたいと考えています。

質疑応答:1人当たり売上の上昇要因について

司会者:「足元では、1人当たり売上が上昇しています。AIによる生産性向上によるものなのか、それとも案件単価やミックスの影響が大きいのか、どのように分解して見ていますか?」というご質問です。

田中:ここを分解すると、大きくは共同開発による売上増効果と、ご指摘の社内AI活用による効率化効果の2つになります。

社内AI活用については、「AI議事コン」の導入により、議事録作成工数を70パーセント削減しています。リサーチ業務においても、おおよそ50パーセント削減しています。今後導入する「提案書レビューAI」にも大きな効果が期待されます。

社内AIで効率化された部分は、社内AI利用料としてコンサルティングフィー、すなわちクライアントへの請求単価にも反映させています。もともと3人や4人で携わっていたプロジェクトを、3人や2人で進められるようになっています。

コンサルタント数は減少していますが、その分AIを活用した作業が行われているため、フィーの上乗せが可能となっている点も大きなポイントです。

共同開発については、もともと当社が投資して開発していたものを、クライアントから開発フィーをいただき、売上に計上できるようになったことで、プラス効果を生んでいます。

この結果、もともと存在しなかった売上分として、売上増効果が非常に大きく現れ、合計で1人当たり約2,500万円の売上増を実現しています。

質疑応答:代表輪番制のメリットについて

司会者:「コンサルティング業界でトップを輪番制にすると、何がさらに良くなるのでしょうか?」というご質問です。

田中:経営体制を固定させることで、新しい取り組みが起こりにくくなる面もあります。経営者がどんどん入れ替わりながら動いていくことは、私たちが考える人を中心とした経営の動的平衡マネジメントと非常に通じる部分があります。

業界の変化は非常に速いため、固定された考え方によって、現在の経営を打破できず、次の成長を生み出せないといった事態を避けるという意味で、このような経営のかたちをとっています。

当社はコンサルティング業界に属するといわれますが、そもそも私たちはコンサルティングではなく、コンサルティング業界を破壊していくディスラプターと捉えています。新しい制度として代表輪番制を導入しながら、動き続ける企業です。

質疑応答:ベースアップの予定について

司会者:「ベースアップは考えておられますか?」というご質問です。

田中:ベースアップという意味では、我々は毎年、期末に人事評価を基に昇給を実施しています。昇格と昇給を併せて、個人の評価や会社の業績も考慮して行っています。

質疑応答:特許戦略について

司会者:「御社の特許戦略の基本的な考え方を教えてください」というご質問です。

田中:特許戦略として、基本的に我々の価値を発揮できる部分については、特許化していく方針で実施していきたいと思います。

「AI議事コン」については、もともと特許を取得していました。「グロービングくん」の特許もしっかり取得しているため、これらを起点として、AIプロダクトにどんどん落とし込みながら進めていこうと考えています。

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